2017年10月21日
トリーター:杉村

今週の注目生物

化学合成生態系生物の繁殖研究中です!

只今、繁殖研究中!
オハラエビ Alvinocaris longirostris

オハラエビは、体内に共生菌を持たないため硫化水素などが無くても普通に水温を 4℃に保った水槽で飼育ができますが、これまで飼育下では繁殖ができていません。現在、飼育観察中のオハラエビをよく見てみるとオレンジ色の卵がみられます。現在、オハラエビの繁殖研究をおこなうためにこの卵の観察を毎日行っています。

只今、繁殖中!
ホネクイハナムシ Osedax japonicus
化学合成生態系大水槽のすぐ横の丸い窓を見てみましょう。学名のOsedaxはラテン語で「骨をむさぼり食う者」という意味をもちます。現在、繁殖実験中のホネクイハナムシを観察してみると・・・赤い糸状の体の周りにモヤモヤしたものが見えます。実はこの中にとても小さい卵が・・・あるんです。注目です!

今月で満1歳! おめでとう!!
タギリカクレエビ Periclimenes thermohydrophilus
鹿児島県の桜島のふもとの湾の錦江湾の水深 90mほどの場所にすんでいる、世界一浅い場所にすむ化学合成生態系生物に仲間です。現在、公開中の個体は昨年 2016年 10月に孵化した個体で、世界で初めて子供のエビになりました。まだまだ親に比べると小さいですが、この繁殖研究から徐々にタギリカクレエビの生活史について分かってきました。只今 2世代目の繁殖に挑戦中です。

※化学合成大水槽:深海底で見られる 3つの特殊な化学合成生態系(湧水域、鯨骨生物群集、熱水噴出域)を再現している世界で唯一の水槽です。

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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