2018年03月30日
トリーター:岩崎

相模湾旬の魚図鑑 その 3 メバル

クロメバルクロメバル

“メバルは凪(なぎ)を釣れ!”
釣り人の間では格言となっているように、メバルは海が穏やかな時によく釣れる魚です。
煮付けや塩焼きなどでおいしくいただける魚で、年明けから早春にかけて“春を告げる魚”としても人気があります。
メバルは産卵をするのではなく、仔魚を出産する胎生の魚で、春の出産を控えた 1~ 3月頃が旬といわれています。

愛嬌のある大きな目と少し上向きの大きな口が特徴的で、沿岸の堤防や磯、沖合の“根”とよばれる岩場や人工漁礁などの周りに多く生息しています。
水槽の中では、いつも少し上向きな姿勢で同じ場所に待機して、落ちてくる餌を見つけると大きな口で素早く捕えます。

2014年 3月 13日にメバルの乗船釣り採集を実施しました。
風雨が比較的穏やかな前半に少し釣れたのですが、風雨が強まった後半はさっぱり釣れず、まさに“メバルは凪を釣れ”の格言を体験することになってしまいました。
メバルは、海が荒れると流れが強すぎて同じ場所に留まることが難しく、海中が濁って自慢の目で餌を見つけることも困難になるため、岩の隙間などに隠れて、嵐が過ぎるのをじっと待つような習性があるのかも知れません。
採集のようすは、採集日誌2014/ 03/ 13 東京湾横須賀沖 で詳しく紹介していますので、そちらをご覧ください。

[ 2014/03/13 東京湾横須賀沖 ]

さて、メバル、メバルと紹介してきましたが、以前はすべて同じ種類とされていたメバルは、アカメバル(Sebastes inermis)、クロメバル(Sebastes ventricosus)、シロメバル(Sebastes cheni)の 3種類に分類されています。
この 3種は色や模様で簡単に見分けることは難しく、胸びれとしりビレの軟条と呼ばれる骨の数を調べないと、正確な種類を判断することができません。
乗船釣り採集で搬入した個体は、ひれの軟条を確認したところクロメバルと判断することができました。
4年間で成長して、かなり貫禄が出てきたクロメバルたち。
漁港水槽に展示していますので、ぜひご覧ください。


[ 2018/ 01/ 30 相模湾旬の魚図鑑 その 1 マダイ ]
[ 2018/ 02 /21 相模湾旬の魚図鑑 その 2 キンメダイ ]

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