2018年05月19日
トリーター:伊藤

クシテガニ増えました

4月 27日から干潟水槽で展示開始したクシテガニ。
この手のカニが好きな私としては、ぜひ見ていただきたいと思っていたものです。
しかし、展示した数が少なかったために、いまいち見えづらいのが気になっていました。
というわけで、前回本種を確認した干潟に、再度採集に行ってきました。

実は私、活動期のクシテガニを見たことがありません。事前に下調べをして、大体の生息環境は分かっているのですが、不安です。もやもやしながら、現場到着。前回と異なり、ヨシの新芽がだいぶ伸びていました。癒される風景です。


地面に目をやると、アシハラガニだらけです(こちらは体験学習館で展示しています)。
道を空けるように逃げていきます。
走り回る「大きめのカニ」を見続けていると、動きが違うカニがいることに気づきます。
アシハラガ二が「トコトコトコ・・・・」と直線的に、それほど速くない動きなのに対して、「ザッ、ズザザッ」という感じで、頻繁に方向転換しながら素早く移動するものが目に入ります。
ヨシが邪魔をして、なかなか追い切れないなか、何とか捕まえました。クシテガニです。
ヨシに肌を切り裂かれながらも何とか 10個体ほど採集することができました。
ひと段落して休んでいると、30秒ほどで無数の小さなカニに取り囲まれていることに気づきました。チゴガニです(こちらも当館干潟水槽で展示しています)。こちらが動いていると、巣穴に隠れてしまうのですが、じっとしているとすぐに出てくるのです。

現在、展示のクシテガニたちは、数が多いと警戒心が薄らぐのか、岩の上に乗ったりして、格段にご覧頂きやすくなりました。前回「どこにいるのかわからないなあ」と思われた方は、ぜひ再度見に来てみてください。普通の図鑑では載せていないものも多く、ましてや生きた個体をご覧いただける機会はまれだと思います。カニ好きのみなさま、ぜひご覧ください。

[ 鋭い目つきと真っ赤な指先「クシテガニ」展示開始 ]

相模湾ゾーン

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