2018年10月31日
トリーター:岩崎

相模湾旬の魚図鑑 その10 アカカマス

アカカマス(Sphyraena pinguis)は南日本から東シナ海、南シナ海の沿岸に生息している魚で、体長は 50㎝くらいにまで成長します。
大きな群れで水深 100m前後の岩礁周りを回遊しながら、鋭い歯で小魚やイカなどを捕まえて食べています。
相模湾では、主に定置網漁や刺し網などで漁獲されています。
最近では歯の鋭いカマス専用のサビキ仕掛けを使った船釣りや、ルアー釣りの対象魚としても人気があります。
秋から冬にかけて旬を迎えるアカカマスの塩焼きは、香ばしさと脂ののった旨味がびっくりするほどおいしいです。

よく似た種類でヤマトカマス(Sphyraena japonica)という魚がいます。
ヤマトカマスは“水カマス”とも呼ばれ、アカカマスに比べると水っぽくて味が落ちると言われていますが、食べてみるとけっこうおいしい魚です。
旬のアカカマスがあまりにもおいし過ぎるので、ヤマトカマス比べられてちょっと損をしているのではないかと思ってしまいます。
ヤマトカマスは、水分を飛ばして身を締めた干物に適しているといわれています。

ヤマトカマスとアカカマスは、背びれと腹びれの位置関係で見分けることができます。
ヤマトカマスでは、背びれと腹びれが背側と腹側で同じくらいの位置にありますが、アカカマスでは、腹びれに比べて背びれが少し後ろにずれた位置にあります。。
両種をまとめて“カマス”として売られている場合もありますので、お魚屋さんで見比べてみてください。

えのすいでは、アカカマスを沿岸水槽で展示しています。
少し前までアカカマスは、餌を食べてくれなかったり、搬入する時の傷が元で弱ってしまったりと、なかなか飼育が難しい魚でした。
ここ最近長期飼育に成功していますので、ぜひ生きた姿をご覧ください。

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※今回搬入したカマスの展示は終了しました。

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