2019年04月13日
トリーター:佐野

ごろりん

オスのトラフザメがサメ水槽に仲間入りしたのはもう2年も前のことでしょうか。
当時は展示までの期間、ようすを見るためにバックヤードで生活をしてもらっていました。その時に、大きなトラフザメをどうやって安全に展示水槽まで運ぶかと担当者間で相談した結果、おとなしく袋に入ってもらうトレーニングをしようという運びになりました。
トレーニングは順調に終わり、無事展示水槽への引っ越しが完了しました。

あれから2年。大きくなりました。
せっかくなら健康管理に繋がるようなことができないかと思って調べました。するとトラフザメをはじめ、テンジクザメの仲間たちは国内のみならず、海外でも広くトレーニングされている種類のようで、レポートがいくつも出てきました。
これらを参考に採血やエコーを受けてもらうための姿勢の形成をさっそく開始。以前のトレーニングの記憶もあるのか、抱っこされることに対してはそんなに驚くことはありませんでした。しかし、お腹を上にすることに対しては嫌がっていました。

徐々に大丈夫なんだということを理解してくれるようになり、最終的には頭を預けてじっとくれるようになりました。採血は尾の付け根から行うので、今はその部位に楊枝を使って刺激して馴らしています。
不定期ではありますが、日中に行っていることが多いです。サメ水槽でお腹を上にしているトラフザメはちょっと目を引くと思います。まだ採血の機会はありませんが、このトレーニングは最近のちょっとした楽しみになっています。

魚も魚種によっては海獣類に負けずいろんなことを覚えてくれるので、生理生態の解明や健康管理に繋がることが出来れば、と考えています。

太平洋

RSS