2019年05月05日
トリーター:戸倉

とつぜん膨らんじゃった!

きょうは「こどもの日」ということで、館内で子ども「稚魚」「幼魚」として展示している魚をご紹介しようと写真を撮影していたら・・・
「え~~っどうしちゃた??」
といわずにはいられない状態のサザナミフグがいました!
まあフグですから“膨らむ”というのは承知の上なのですが、何で膨らんじゃったのか?理由が見つかりません。
本来、フグが膨らむのは「威嚇」と「護身」ためです。
「威嚇」は膨らむことによって相手をびっくりさせる。
「護身」は体を大きくすることによって、敵に食べられないようにする。

当時、トロピカル水槽前には私を含めて3名のスタッフがいましたが、これといった理由が見当たらず、突然膨らみ始めました。
サザナミフグも、自分でびっくりしてしまったようで、慌てたのか?
逆にどんどん膨らんでしまいます。
そして、あっという間にパンッパンになり、ヒレも自由に動かせない状態に・・・
というか、ヒレを動かしてもあまり効果が無い感じだけど。
目も口も徐々に埋もれて来たような・・・

「大丈夫か??」


間近で見ていると、何とか水を吐き出して縮もうと、口をパクパクしているようすが手に取るように分かりました。
フグは、胃の所に「膨張のう」という袋が特殊な弁によって繋がっています。
でも、飼育しているフグは、ある意味守られた環境で暮らしているので、頻繁に膨らんでいる訳ではありません。
なので、まるで水の吐き出し方を「思い出しながら・・」慎重に元に戻ろうとしている感じ。


もう少しで戻れます!
胸びれも動かせるようになり、背中の輪郭もでてきました。


「ふぅ~。」
といった安堵の表情に見えたのは、私だけでは無いと思います。

この姿があんなに膨らむなんて、驚きですよね!

フグの仲間には自分の体重の 4倍もの水を取り込む種類も居るんだとか・・・
ちなみに海釣りで釣り上げた時などは、空気を取り込んで同じように膨らみます。

いつも見られる訳ではありませんが、時々こうしたハプニング?に出会えるのも、魚をガラス越しに見られる水族館の良い所だと思います。
みなさんもぜひ、魚たちの小さな小さな“ものがたり”を自分だけで見つけてみませんか?

太平洋

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