2019年06月03日
トリーター:西川

魚のお医者さんになれたかな?

みなさん、こんにちは! ちょうど1年前の6月に魚のお医者さんを目指していますという内容のトリーター日誌を書きました。(2018/06/15 目指すは魚のお医者さん
それからの一年で病気をした魚、ケガをした魚などさまざまな状態の魚たちを見てきて少し上達した感じがします。今回はその中でも現在行っているオオモンハタの治療についてお話しします。


この魚がオオモンハタです。相模湾大水槽にいたのですが誰かに噛まれて背中とお腹がえぐれてしまっていました(黄色いのはアクリノールという絆創膏のようなものです)。こうなってしまったのは今から約2ヶ月ほど前です。当時は餌も全く食べず、近付いたら全力で逃げる感じでした。
それから細菌の感染を予防するために毎日投薬を行い、1週間後からはミンチにした魚などを強制的に与えました。すると、その1ヶ月後には自分でアサリやオキアミなどの餌を食べるようになったんです。自分で食べるようになってからはみるみると傷も治っていき、近付いても逃げ回ることは無くなりました。


治療開始から2カ月後には腹側の傷はほとんど見えなくなり、背側ももう少しで皮膚が完全に出来上がるところまできました。
よし、もう完治する! と思っていたのですが、今朝水槽を見てみるとなんと横たわっているじゃありませんか!
なぜ?と思い良く見てみると、尾鰭の先端が少し傷ついていて呼吸が苦しそうだし色も薄いし、さらに目の色が若干濁ってる!


おお、、これは、、、と思い淡水浴(海水魚をカルキを抜いた水道水に浸けること)を行いました。この結果、やっぱり! 大量の寄生虫が出てきました。


ベネデニア属の寄生虫です。生きている時は透明で発見しづらいのですが、死亡すると白化するので観察しやすいです。
いやぁそれにしても大量でした、鰓にも寄生していたと思うので息苦しかったでしょうね。
現在は別の水槽へ移し、様子を見ていますが、餌を食べずたまに横向きになってしまう状態です。油断大敵、完全に油断していました。このオオモンハタには魚病の知識をいろいろと教わりました。
もう一度相模湾大水槽で元気に泳いでいる姿を見せてほしいです。まだまだ未熟ですが、みなさんに良い結果を伝えられるように頑張ります!

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