2019年06月11日
トリーター:今井

水草で魅せるあじさい

塀沿いにふわっと茂った若草、その後ろにツンツンと節間のある草が生えたような、どこにでもある光景を、そのまま水槽に入れられたらどんなに綺麗だろうかと思うことがあります。“水中花”のように水の中に入れて飾ることって、それだけで不思議な魅力がプラスされる感じがします。
さて、6月のテーマ水槽「金魚と水草で魅せる~あじさい~」上段では、水中に入れるだけの魔力に頼らずに、あじさいを表現したくて水草を生け花風にアレンジしました。

あじさいの花(萼:がく)は水草(抽水性植物)の頂芽によく似ているため、それを束ねて規則的に並べることで、何となく花らしく見えてきます。

しかし、いくら擬似あじさいを飾ったとしても、水槽を覗かれるお客さまは「舞台は出来ているのに、主役は何処にいるのかな~?」と魚を探されることでしょう。
そこで、メダカの改良品種をご覧いただきたいと思います。水草の成長を抑えるために、熱帯魚よりも水温を下げられる魚種にした理由もありますが、何となく「和」のイメージに沿うと思われました。黄色いヒメダカの他、朱赤や青光りするメダカも綺麗ですよ。

また、もっとみなさんに興味を抱いていただくために、あじさいを目にするであろう風景を、滝?や犬?、木漏れ日?で再現したつもりです。
その後でも結構ですので、あじさいの花を見てくださいね!

下段の水槽には、あじさいの花の色に近い金魚を上見でご覧いただけます。体色の青い部分は、皮下の黒い柄が肉を通して見えているんです。
また、金魚ではありませんが、熱帯産シクリッドの改良品種であるフラワーホーンは、頭にあじさいの花を載せたかのようですよ。


東錦


フラワーホーン

“えのすい”のテーマ水槽は、各回担当のトリーターのこだわりが見えるので、トリーター同士でも結構楽しんでいるんです。

テーマ水槽

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