2019年08月28日
トリーター:岩崎

相模湾旬の魚図鑑 2nd season その8

カゴカキダイカゴカキダイ

夏の猛暑がひと段落。
涼しげな虫の音に耳を傾けながら、ひと夏の疲れを癒す季節になってきました。
海はまだまだ夏模様。
そんな夏と秋がせめぎ合う季節に紹介するのは、カゴカキダイMicrocanthus strigatus
です。

カゴカキダイは、丸みのある黄色い体に、黒い帯が縦に 5本入っていることが特徴で、日本沿岸各地の岩礁周りに生息しています。
成長しても 20cmくらい、熱帯魚のような形や色合いの魚ですが、相模湾でも普通に見られる種類です。

磯や磯周りの堤防で釣れる他、磯遊びでは、メジナやハゼの仲間などに混ざって、幼魚が網に入ることがあります。
食用として市場に流通することはないのですが、塩焼きやムニエル、から揚げにして食べると、風味があって意外とおいしい魚です。
釣れた時には、捨てずにしっかりと食べてみてください。

少し突き出した口で、餌になる物を何でもつついて食べる雑食性の魚です。
しかも、適応水温の範囲が広くて、水質にもうるさくない丈夫な魚なので、初心者向けの観賞魚としてもおすすめです。
きれいな愛らしい魚なので、幼魚は海水魚入門編として、飼育してみるのも良いでしょう。

“えのすい”では、相模湾大水槽でたくさん飼育をしていますので、探してみてください。
よく見ると、あちこちの水槽に、カゴカキダイがいるのを、お気づきでしょうか?
これは、お掃除用に活躍してもらっているカゴカキダイたちです。
水槽に増殖してしまうイソギンチャクを、食べてもらっているのです。

ほっておくと水槽中にびっしりと繁殖してしまうイソギンチャクは、とても手では取りきれず、刺されて大変な目に合うこともしばしば。
そんな厄介なイソギンチャクを、カゴカキダイたちがきれいに平らげてくれるのです。
展示している他の魚をいじめたり、サンゴを食べてしまったりすることもないので、ほんとうに助かります。
見た目がかわいいだけではない、カゴカキダイたちの活躍にも注目してみてください。

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