2020年01月02日
トリーター:田窪

私たちとカピバラの共通点

トリーター日誌をご覧のみなさま、あけましておめでとうございます。

今年は子(ねずみ)年、ということで、えのすいで飼育している世界最大のネズミの仲間、カピバラと私たちヒトの意外な共通点をお話ししたいと思います。

この時期になると私たちヒトは風邪をひきやすくなりますよね。風邪の予防にはビタミンCをとると良い、といわれることがあると思います。私は昨年、2回も風邪をひいてしまいました。

そもそも「ビタミン」というのは、ある生物の体の中で十分に作ることができない、食べものなどから摂取しなければならない栄養素のことを指します。
「ある生物の」というところがミソで、ある生物にとっては摂らなければ病気になってしまうもの(=その生物にとってのビタミン)でも、ある他の生物にとっては同じものでも体の中で合成できるので必要のないもの(=その生物にとってビタミンではない)であったりするわけです。

ヒトを含むサルの仲間にとって、一部の昆虫食の種類を除けばビタミンCは必須の栄養素です。摂らなければ「壊血病」と呼ばれる病気になってしまいます。これは、サルの仲間がビタミンCの豊富な果実を主に食べる動物として進化してきたからだといわれています。

多くのネズミの仲間はビタミンCを体内で合成できるので与える必要がないのですが、カピバラやその近縁のモルモットは私たちヒトと同じように体の中で合成できないため、食べ物からビタミンCを摂らなければなりません。これらの動物も、やはりビタミンCの豊富な植物を主食にしている動物です。

そこで、“えのすい”ではカピバラたちにビタミンC入りのモルモット用ペレットを与えています。

今年もみなさまも動物たちも、ビタミンCを摂って元気に過ごせますように!


ビタミンCを合成できないカピバラの「ココロ」

カピバラ~陽だまりの草原~

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