2020年04月09日
トリーター:山本

スギウラヤクチクラゲ

ちょっと前に江の島で、やや珍しいクラゲを採集することができました。その名も「スギウラヤクチクラゲ」です。


上から見るとこんな感じ。
このクラゲは、希少種!というほどではない気がしますが、一年のうちに何度も見るようなクラゲではないので、採集できた時はちょっと嬉しいです。
図鑑では、春によくみられるクラゲと書いてあります。世間がどうなろうと、海にはちゃんと春が来ているのですね。


口側から見るとこんな感じ。なんと、口(赤い矢印)が二つあります。このように、通常で複数個の口があることがこの種の特徴で、これが名前の由来です(ヤクチ→八口)。
さてこのクラゲですが、他の種とは少し変わった、ある能力を持っています。なんと、クラゲの状態で「分裂」をして増えることができるのです。


次の日にはもう分裂して増えていました。こんなペースで分かれていったら、海がスギウラヤクチクラゲだらけになってしまいます。それもいいけど。

実は、クラゲの状態で出芽・分裂など、無性生殖をすることができる種類は何種類かいます。
「一つの卵が一つのポリプになり」、「一つのポリプがたくさんのポリプになり」、「たくさんのポリプからたくさんのクラゲが出て」、「たくさんのクラゲがもっとたくさんのクラゲになる」。きっと、体の構造が単純だからこそできることなのですね。クラゲってすごい。

クラゲサイエンス

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