2020年04月19日
トリーター:今井

イソギンチャクのご機嫌取り

太平洋“冷たい海”では、水温が低くても華やかな海底が広がっていることを伝えたくて、彩のあるイソギンチャク(ヒダベリイソギンチャクやコイボイソギンチャクなど)を混ぜて展示しています。
岩組みをしてイソギンチャクを放すと、どの個体もまずは体を安定させるために、足盤で障害物に吸い付きます。お客さまが観察しやすい位置に集めて、フルーツバスケットのように見せたいものの、各個体が気に入らなければすぐに移動をしてしまいます。


いつもは消灯後に動き出すのですが、本日もお客さまからの振動が無く、横切る陰に反応する魚の動きも静かなためか、一つのコイボイソギンチャクが緩やかな流れに乗って移動を始めました。


「お願いだから、ガラス面にはくっつかないでくれー!」

見栄え良く展示するために、照明や水流の微調整、障害物の質感、さらに潮に合わせて(時刻を変えて、)おやつとなる細かな餌も流したりして、イソギンチャクのご機嫌を取っているのです。

太平洋

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