2020年05月05日
トリーター:西川

ゾエアの飼育

抱卵中のタギリカクレエビ抱卵中のタギリカクレエビ

先日の八巻トリーターの日誌( 2020/04/23 カニの赤ちゃん誕生中 )にもあったように、現在タイワンホウキガニなどの甲殻類の幼生(ゾエア)が次々と孵化しています。
私たちもどうにか大人の姿まで育てたいと思い、飼育密度やエサの量、水質などさまざまなことに注意しながら飼育をしていますが、どうにも長生きしてくれません。

タイワンホウキガニのこれまでの最長生存日数は21日で、孵化直後よりもちょっと大きくなってる?一度変態(成長段階によって形が変わること)をしたかな?という感じです。ゾエアの大きさは約1㎜なので変態の有無は顕微鏡を使って確認しなければならないのですが、標本にしたのは良いものの、まだ観察できていません。早く手を付けなければならないですね、見るのも楽しみです。

現在飼育しているゾエアは孵化後12日目ですが、残り2個体となってしまいました。やはり成長させるのは難しいですね。孵化後12日~14日目あたりの死亡率が高いことから、きちんとエサを食べられていないんだと思います。幼生を飼育していると自然の海には敵わないことを痛感します。

でも、難しいから飼育できないとも言っていられません。
タイワンホウキガニと同じように火山性の噴気ガスがブクブクと噴き出ているような場所に生息するタギリカクレエビのゾエアは、過去に育てることができています。
実はこのタギリカクレエビも抱卵中で、間もなく幼生が見られると思います。ここ最近でいろんな種のゾエアが孵化していますが、どの種もしっかりと大人の姿まで育てられるように頑張って飼育していきます。

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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