2020年05月29日
トリーター:杉村

開館に向けて、新たな展示も!!

チョウチンアンコウチョウチンアンコウ

新たな展示とは・・・それは、みんなのあこがれる「深海生物」の標本の展示です。
どんな深海生物かというと・・・

実は、臨時休館中の4月の初めに新江ノ島水族館へ「チョウチンアンコウ」がやってきたんです!
大きさは13cmと小さめでしたが、江の島地先の定置網に入網した個体を、地元の漁師さんが持って来てくれました。
残念なことに水族館にやってきた時は、すでに死亡していて体の右側面に傷がありましたが、とても貴重な個体でした。
それは・・・新江ノ島水族館でも、1967年の初搬入から数えて53年間で、なんと今回で3例だけなのです。
※3例のうちの1個体(大きさ約30cm)はすでに標本の展示をしています。
死んだ個体ですら入手が難しいチョウチンアンコウですから、すぐにホルマリンに付けた液浸標本にして保管しました。
そして、今回開館に向けてきれいに整えて展示を行うことになりました。

チョウチンアンコウは、まさに深海魚の代名詞のようになっていて、知らない人はいないのではというくらい有名な深海生物ですが、実はその採集例は全国でも非常に少なく、詳細な生息場所やその生態については、まだまだ謎だらけです。
まして、生きて採集されることなどは、ほとんどありません。
私たちも、チョウチンアンコウを探しに何度も調査に出ましたが、採集されたことはありません・・・。

今回は、これまでのリュウグウノツカイやメンダコなどの標本に追加して、この4月に採集されたチョウチンアンコウの他に「ミツクリエナガチョウチンアンコウ」、「バーテルセンアンコウ」、「コウモリダコ」の標本展示も行います。

いつかは、生きたチョウチンアンコウを飼育することを夢見て!

標本を見るだけでも、一見の価値のある深海生物たちを集めました。
“えのすい”に来られました際には、「あこがれの深海生物たち」をご覧ください。


ミツクリエナガチョウチンアンコウとバーテルセンアンコウ

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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