2020年11月15日
トリーター:鈴木

浅場の沿岸水槽とそれを支える2人の助っ人

こんにちは、鈴木です。

今回は相模湾ゾーン・沿岸水槽の入り口の水槽、相模湾の 5~ 10mの浅海の魚を集めた水槽にご注目。最近のこの水槽の魚種が大変充実しております。
というのも、直接採集に行かないと手に入らない、江の島(の浜辺や磯場)で見られる小型魚種が多く揃っております。

この水槽が実現できたことについては、(以前にも少しここで書きましたが)我々トリーターの強力な助っ人で、魚類の飼育を手伝ってくれているスタッフ2人の活躍なしには語れません。この二人、メインはクラゲショー(現在休止中)の案内などを担当していますが、それ以外の時間で魚類の飼育を手伝ってくれています。

一人は採集のベテランで、江の島での採集歴はかれこれ 4年に突入します。これがただの 4年ではなく、出勤日はほぼ毎回採集にでかけてくれています。最初の方は採れる魚種も限られていましたが、最近では、え?こんなのも捕まえたの?と驚かされる魚もしばしばです。
さらに、何がどこにいるかを経験的に把握しているので、いえば希望通りの魚種を採集してきてくれます。

私もそれなりに江の島周辺で採集をしていましたが、ここまでの魚種を捕まえたことはなく、改めて江の島周辺の魚種の豊富さに驚かされると同時に、毎日新鮮な発見と勉強をさせてもらっています。おそらく、“えのすい”の誰より江の島周辺の採集魚(手網で採集できる範囲のもの)を把握している存在です。

彼の採集力のおかげで、この水槽でさまざまな魚種を展示できるようになりました。
彼を見ていると継続は力なりという言葉が自然と出てきます。毎日コツコツ海に行き、今ではスペシャリストにまで昇華させた採集技術には学ぶところが多いです。

そして助っ人のもう一人は、主にバックヤードで採集した魚たちの飼育水槽の管理をしてくれています。
たとえ、たくさんの魚種を採集しても飼育がうまくできなければ意味がありません。連れてきた生物をきちんと飼育し、最大限にお客さまにお見せすることは、我々トリーターの大きな使命で、それをするためには日々の生き物や水槽管理が欠かせません。

彼女のおかげで、採集した生物を畜養しているバックヤードの水槽は細かい部分まで常にきれいです。水槽を綺麗にする、といったごく当たり前のことですが、その状態を常に維持するのは結構大変なことです。やるべきことを毎日継続できる力は、我々トリーターの仕事で重要な能力です。小型水槽のろ過設備の掃除は右に出るものはいないかも知れません。2人ともいつもありがとうございます。

そんな陰の功労者ともいえる助っ人たちに支えられている浅場の沿岸水槽、ぜひご注目ください。
本当にいろいろな生物が隠れていますので、ご覧の際は水槽をよく観察をしてみてくださいね。

沿岸水槽とは、目の前の相模湾沿岸の生物を展示する水槽で、相模湾大水槽をぐるりと見ながらスロープを進んだ先、シラスサイエンスのとなりから、タカアシガニがいる大きな水槽までのエリアで、スロープを下るにつれて徐々に深場の生物の水槽になり、深海へとつながります。

実はここのゾーンには、飼育が難しい一点ものの魚が多く見られるエリアで、案外玄人好みな渋い魚も多いですよ。

相模湾ゾーン

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