覗き窓

みなさんは、展示「深海ｌ～JAMSTECとの共同研究～」のちょうど中央にある、丸い窓を覗いたことはありますか？
深海ｌのバックヤードを覗くことができるようになってる扉窓です。

我々担当のトリーターが、水槽の水温を測定したり、深海の特殊水槽の水質を測定したりしている姿が覗けるようになっています。

最近、この覗き窓から見える場所でユノハナガニの行動実験を始めました。
もう既にご覧になっていて、何をしてるのかな？・・・と思っていた方もいるかもしれません。

ユノハナガニは、熱水噴出域に生息しているカニで、今回の実験を行っている個体は小笠原の水深約 1,000m、水温 4℃の海底から採集されました。
ですが、水温が低いままでの長期飼育は難しく、どうしても暖かい場所が必要なことは、これまでの飼育経験から判っています。

そこで、ちょっとした疑問が・・・
Q：いったい 何℃の水温が好きなのでしょうか？
Q：いったい 何℃まで耐えられるのか？

そこで、新たに温水の温度の調整ができる熱水システムを開発し、噴出させる温水の温度をいろいろ変えて、ユノハナガニがどういった行動をとるのかをタイムラプスカメラで記録を始めました。


温水に群がるユノハナガニ（実験水槽）
まだまだ、実験を始めたばかりですが、いろいろ面白いことが判ってきています。
今回得た結果をみなさんに公表できるように、観察を続け、解析していきたいと思います。
興味を持った方がいらっしゃいましたら、ぜひ深海ｌの扉窓を覗いてみてください。