2021年05月02日
トリーター:杉村

メンダコチャレンジ2021 その3

メンダコ情報、少々ご無沙汰してしまいました・・・。
2021年のメンダコの展示日数は 22日間でした。

今年はこれまでとは違って、状態の良い個体を数個体入手することができたので、展示公開と並行して照度を落とした特別な部屋の中で、メンダコの行動研究も行いました。
この部屋ではできるだけ刺激を与えないで飼育して、できる限りメンダコの行動の撮影を行ってみました。

なんと! その結果!!
“えのすい”の飼育日数としては最長の 51日間の飼育を記録することができました!!
2015年以来の 48日を超える更新です!!
しかも、その間にとても貴重なメンダコの行動を数多く撮影できたことも嬉しいです。

今わかっている中で、いくつかご紹介したいと思います。

数年前のメンダコチャレンジから、泳がずに身体をペシャンコにしてスライムのようになっていると状態が良いだろうと書いてきました・・・本当にそうなのか・・・

チャレンジ2021の観察記録から・・・
飼育中のメンダコは、飼育期間の多くの時間でペシャンコになって、底の砂の中に身体をうずめて過ごしているようすがしっかり撮影されていて、水槽内を移動するときはもっぱら歩いて移動して、遊泳することはほとんどありませんでした。
また、時々その場でじっとしながら、グルグル回っていてとてもかわいらしかったです。
何で回ってるの?・・・分からん・・・疑問が一つ増えてしまった・・・
行動の詳細な点については解析中ですが、少なくとも水槽飼育下で遊泳行動を見せる時は、強い刺激を受けたり、自分にとって不利益なことが周囲で起きた場合が多いのではないでしょうか。
その他には、定期的に泥の中に潜ろうとする行動などもみられています。

今回は、JAMSTECのしんかい6500にもカメラ機器などを搭載させている日本海洋事業株式会社との共同研究のもと「超高感度カメラ」を使用しての撮影にも成功しています。
非常に良くメンダコの姿が捉えられています!
※画像みて下さい!!

メンダコチャレンジ2021は終了しましたが、改めてメンダコは、普段からあまり動かず、刺激にとても敏感な生き物だという事が分かりました。
今後は、さらに飼育研究を進めていければと思っています。


超高感度カメラで撮影されたメンダコ
(撮影協力:日本海洋事業株式会社)


水槽内で体をきんちゃく袋のように反らすようすが観察されました。
(撮影協力:日本海洋事業株式会社)


深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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