2021年05月27日
トリーター:八巻

沿岸水槽の展示変更

みなさんこんにちは! 八巻です。

年度がかわってあっという間に2か月が経とうとしています。入学や就職など大きな変化を迎えた方もいるかもしれません。変化に不安や躊躇はつきものですが、常に変化や進化を求める気持ちはとても大切です。私も「常に何か少しでも新しい要素を取り入れること」を目標に仕事をしていますが、常設展示水槽の展示変更は、特に二の足を踏みがちです。生物の状態が安定していたりすると、展示変更や移動で生物の状態が悪くなるんじゃないかと、なおさら不安になってしまうものです。

しかし、心機一転変化させてみようということで、私たちの班が担当する相模湾ゾーン「沿岸水槽」について、4月の終わりごろから少しずつ常設水槽の展示変更を進めてきました。

一つ目はハナハゼをメインに見せる水槽へ変更。擬岩を減らし、沈木を入れたり擬海藻を浮かべたりしました。照明も雰囲気を変え、差し込む雰囲気がきれいです(写真1)。


写真1 ハナハゼ水槽

二つ目はイカ・タコの水槽へ変更。はじめはタコが幅を利かせていたのですが、最近は卵を産んで岩の下から出てきません… バックヤードではコウイカの赤ちゃんも育ってきていて、今後展示に出していく予定です(写真2、3)。


写真2 イカタコ水槽


写真3 コウイカの赤ちゃん

三つ目はサギフエを見せる水槽へ変更。砂や擬岩を全て取り払い、底が見えない中層のような雰囲気の水槽へ。照明も工夫をして、壁を見えにくくし、より中層感が出るようにしています(写真4)。


写真4 サギフエ水槽

四つ目は江の島沖深場の岩礁域を再現している、FullDepthさんとの共同研究水槽へ変更。こちらは私がメインで変更をした水槽です。とはいえ、三つ目から場所を移動しただけで、見た目はあまり変化していないのですが(写真5)…より江の島沖深場の岩礁域の環境に近付けるため、水槽の下から上へ流れる水流を作りました。トリノアシやテヅルモヅルなど、プランクトンを食べる生物は水流の強さや方向でその状態が大きく変わりますので、これからの変化を見守っていきたいと思います。また、より急斜面の“岩礁域感”が出るように、下の方にも石組みを作り、岩ゾーンを広げました。そして実際に観察した生物にこだわって、かつ花になるよう、赤い色がきれいなシキシマハナダイも入れてみました。


写真5 トリノアシ水槽

心機一転雰囲気の変わった沿岸水槽をぜひ見に来てくださいね。

相模湾ゾーン

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