2021年05月29日
トリーター:加登岡

変わった同居人

5月、太平洋の「トロピカル水槽」には、いくつか新しい生物が仲間入りしています。
ヒメツバメウオ、スジモヨウフグ、サザナミフグにムレハタタテダイ、タテジマキンチャクダイにイヌザメです。
これらの中には新規の生物もいますが、相模湾ゾーンで展示していた生物がトロピカル水槽にやってきています。
トロピカル水槽は太平洋の暖かい海に生息している生物を展示していますが、相模湾でも同じように生息している生物が多々います。
というのも、黒潮に乗ってはるばる南の海から相模湾に流れてくることが多いからです。
“えのすい”ではそういった生物の記録も多く報告しているんですよ。

今月仲間入りした中でもサザナミフグが新たな水槽で、新たなお家を見つけたのでお知らせです。
トロピカル水槽内には大小さまざまな石が組み重なって入っており、その隙間をいろんな生物たちが工夫して隠れ家とし暮らしています。
サザナミフグはそんな中から、一番いい場所を見つけたようです。
それはトロピカル水槽のほぼ中央に位置する岩の下です。


もっとアップで見てみましょう。


どうですか?サザナミフグがいるのが分かりますか?
ここの岩の下をお家にしたようです。
少し空洞になっていて、サザナミフグにはちょうど良かったようです。
トロピカル水槽にきてすぐは、うろちょろうろちょろ いろいろな石の隙間に隠れて過ごしていましたが、ここの岩が最もしっくりしたようで、最近ずっと、夜はここにいます。

そして、タイトルにあるようにこの家には同居人?がいます。
写真ではサザナミフグより目立って写っちゃていますね。
体が入りきっていませんが、イヌザメが一緒にいます。
(このイヌザメは昨年夏に当館で孵化したイヌザメです。その頃はしばらくカクレクマノミのいる水槽で展示していました。そして、バックヤードで大きくなって帰ってきました。)


↑ 昨年夏撮影の写真

イヌザメは、サザナミフグに半月遅れてトロピカル水槽にきています。
先住民のサザナミフグにお構いなしに、後からやってきたイヌザメが半分占拠しています。
サザナミフグもイヌザメがやってきた初日は、さすがに驚いたのか、この家で寝るのを諦めて、別の場所で寝ていました。
しかし、諦めきれないのか、またこの家に戻ってきたのです。
今では、仲良く?一緒に住んでます。
この同居はいつまで続くか分かりませんが、ぜひ岩の下をのぞき込んで見てみてください。

太平洋

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