2021年06月09日
トリーター:笠川

まず知ること。

6月5日は「世界環境デ―」でした。環境保全の重要性を再認識し、環境への意識を高めるための日です。日本では「環境の日」と呼ばれています。6月は「環境月間」となります。
昨日より、クラゲサイエンスのちょうどコーナーになっている場所、タッチパネルの画面上のボックス内で、「マイクロプラスチックごみ」の展示を始めました。ぜひ、みなさん、足を止めて見てください。

一度海に出てしまったプラスチックごみは、回収しなければ自然分解されることはありません。砕けて砕けて、微小なサイズで半永久的に漂い続けます。
クラゲの採集をしていると、クラゲよりも小さなプラスチックの破片、マイクロプラスチックがかなりの確率で混じっています。クラゲは流れに左右されるので、よくゴミがたまるような岸壁をさらうように採集をします。プラスチックごみは毎回必ず目にします。
水族館として、飼育員として何ができるのか。
まずは自分も含め、みなさんに知るきっかけ、考えるきっかけになるような発信をしていくことだと思いました。みなさん、一緒に考えていきましょう。

環境のことを考えるとき、ひとつのことだけを見ていてはダメだと思います。私はいつもオオカミとウサギと草の例え話を思い出します。
ウサギがオオカミに食べられちゃうから、オオカミを排除しました。すると、ウサギはどんどん数を増やしました。そして、辺りの草を全部食べてしまいました。草はなくなり、ウサギはやがてみんな死んでしまいました。結果みんないなくなってしまうということです。全体のバランス、繋がりをちゃんと理解し見ていかなければなりません。
この繋がりの話は、いろいろなものに置き換えられます。そして、もっとたくさん枝分かれし、全部が繋がります。広い視野をもつことがとても大切です。

まずは知ること。全てはそこから始まります。
そして興味をもつこと。想像すること。
プラスチックのものを買うとき、使うとき、捨てるとき、そのものがその先にどうなるか。どう繋がっているのか。想像してみてください。
私もまだ何ができるか手探りですが、何も知らない人よりも知っている人はきっと行動が変わっていくと思います。

クラゲサイエンス

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