2021年10月07日
トリーター:杉村

ユノハナガニの行動観察できます!!

深海lでは、ユノハナガニの行動研究のようすを公開しています!

ユノハナガニは、深海の熱水噴出域で生活しているとても特殊なカニの仲間です。
しかも色素をもたない真っ白なカニです。
このカニの名前は温泉場にみられる「湯ノ花(ユノハナ)」にちなんでいて、深海の低温環境で生活していながら、海底から湧き出る温泉(熱水)に集まる習性があることから、その名がつきました。

深海の熱水噴出域で噴出している熱水の水温は、200~300℃に達するほど高温なのですが、熱水の周辺水温は 3~10℃ととても低温なため、すぐに 50℃以下にまで下がってしまいます。
温泉好きで知られるユノハナガニでも、さすがに 200℃では茹であがってしまいますので、程よく冷えて暖かくなった場所を探して生活していることが、これまでの飼育や調査研究でわかっています。


深海lの飼育水槽では、ユノハナガニの生活している冷たく、そして局所的に暖かくなる場所を再現しています。
暖かくなる場所には水温計を取り付けてあり、いったい何℃の時にユノハナガニが集まってくるのかがわかるようになっています。

じっくり観察していると、ユノハナガニはいつでも暖かい場所にいるわけではなく、個々で水温を選んで行動していることがわかります。
あるカニが暖かい場所にいても、別のカニは冷たい場所にいたり、岩の下に隠れていたり、またある時はみんなでおしくらまんじゅうしていたりと、さまざまでとてもおもしろいです。
中には熱源に背中を当ててひっくり返っているものもいます。

ユノハナガニが、いったい何℃の温泉がお好みなのか観察してみてはいかがでしょうか。

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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