2021年10月24日
トリーター:西川

322日ぶりの展示

タイワンホウキガニタイワンホウキガニ

私のトリーター日誌にたびたび登場するタイワンホウキガニをなんと322日ぶりに展示しました。
再展示を待ってました!という方は少ないと思いますが、他の生物とは少し違った特殊な環境を好むカニで、磯でよく見るイワガニとは大きさも動きの速さも違います。タイワンホウキガニの大きさは約4㎝と、とても小さなカニです。性格も大人しく、人にハサミを向けてきたりすることはありません。
私はこのカニが好きなので、どこかでまた展示したいなーと思っていたんですが、ようやく深海Ⅰの化学合成生態系水槽横の小さな水槽へ展示することができました。


これは自然環境下の姿を収めた写真ですが、画像に映っている白いもやもやは細菌の塊(バクテリア)です。タイワンホウキガニはこのバクテリアを食べているとされています。
もちろん水槽でこの環境を再現できたら良いのですが、このバクテリアは生物にとって毒となる硫化物を餌としているので、水槽の中で育てるのは難しいんです。
しかし、タイワンホウキガニもこのバクテリアだけを食べて生きているわけではなく、水族館ではコマセアミを中心に与えています。毎日たくさんの餌を抱きかかえるようにして食べています。かわいいです。シャイな所もあって岩陰に隠れてしまうこともありますが、そんなかわいい姿をたくさんの人に見てもらいたいです。
“えのすい”に来場の際にはぜひ足を止めて観察してみてください。

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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