2021年12月19日
トリーター:加登岡

夜だけ咲く花

「太平洋」のチンアナゴのいる水槽には、数々の八放サンゴの仲間を展示しています。
ヤギの仲間やトゲトサカの仲間がポリプを広げて、水中をただようプランクトンを捕まえて食べています。
このポリプがまるでお花のようなのです。
今水槽のなかには、これら八放サンゴの仲間を8種類展示しています。
トゲトサカの仲間たちは膨らみ、小さいポリプでプランクトンを捕まえます。
ヤギの仲間は枝状の軸から大き目のポリプを出して、プランクトンを捕まえているようすを見ることができます。
夜間にしかポリプを開かない種類もいるのですが、大概は餌を与えると日中でもポリプを開いてくれます。
しかし、かたくなに夜にしかポリプを出してくれない種類もいます。
それが写真のこれです。
ウミイチゴとして入手したのですが、おそらく違う種類のこのウミトサカの仲間。
赤いボディにボツボツとポリプが格納されている状態で鎮座しています。

これがなかなかポリプを開かなくて困っていました。
ポリプを開いてくれないと餌を食べれないので、徐々に弱ってしまうからです。

そんなある日、閉館後残って仕事をしていたら、ついにポリプを開いている姿を見ることができました。
それがこれです。

白いポリプをいっぱいに広げています。
昼間はただの赤い塊ですが、ちゃんと生物なんですよ。
この姿、残念ながら暗くなった閉館後しか見ることができません。
もし見たいと思った方は、DarkAquarium-ダークアクアリウム- という当館の閉館後のイベントにぜひご参加ください。
真っ暗な水族館の中を、ランタン片手に見学することができます。
この水槽には、ヒカリキンメダイという目の下が光る魚も一緒に展示しています。
ヒカリキンメダイの光を見ながら、下の方にいるこのウミトサカの白い花をご覧ください。

太平洋

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