2022年05月07日
トリーター:笠川

50種類中 36種類

現在、クラゲファンタジーホール、クラゲサイエンス、皇室ご一家の生物学ご研究のクラゲ水槽を合わせた、クラゲ展示で展示されているクラゲの種類は約 50種類となっています。もちろん、この数は常に変化しています。それだけクラゲは、儚い生物です。

そして、そのうち、“えのすい”生まれは現在約 36種類です。
“えのすい”生まれということは、バックヤードのクラゲ生産室で、ポリプからエフィラやクラゲを遊離させ、数ミリの小さなものを展示サイズまで何か月もかけて育てあげた成果です。
もちろん採集にも出かけるので、海からやってきた野生個体も展示しますし、他の水族館から生物交換でやってきたものや漁師さんや業者から購入したものもいます。

クラゲはいつ採れるかわからないところもあるので、多くの種類を展示しようと思えば、自ずと自家繁殖がベースになり、また特に海外もののクラゲはそうなります。
大変ですが、育てあげるということは、成長が見られるということです。
海の中で成長過程を観察することはかなり大変なことで、それを間近で観察できることはかなり貴重なことです。水族館で飼育をおこなっているからこそわかることがたくさんあります。
その姿や情報を少しでも多く、みなさんに届けられるように日々頑張っています。

全部の種類にコメントしたいところですが、2種だけ紹介します。

ヒゼンクラゲ

今年も“えのすい”生まれの小さな個体を4月30日より展示しています。
共同研究の協定を結んでいるタイのブラパ大学より譲り受けたポリプを大切に飼育しながら、昨年に続き今年も展示ができました。
コロナ禍がまだ続くなか、タイの現地へいくことは難しいですが、思いを馳せながら、育てています。まだまだ手探りですが、成長を見守ってください。

そして、もう 1種類成長を見守っているものが、コトクラゲの幼生です。毎朝ドキドキしながらご対面しています。それだけ儚いです。4月1日に海からやってきて、約 1か月が経ちました。
成長すると櫛板はなくなり、形もウサギ耳のあの姿になります。成体と併せて、なるべく長く飼育、展示できるよう、頑張りつつ、祈っています。
なぜなら、この個体が最後の 1個体だからです。

コトクラゲの幼生(写真中央)コトクラゲの幼生(写真中央)

クラゲサイエンス

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