2022年10月31日
トリーター:山本

やわらの中のやわら

先日ちょっと遠出をして、クラゲを採集してきました。
それにともないクラゲサイエンスでは、普段江の島の周りではあまり見られないクラゲたちを展示しています。
その中で、特に紹介したいのが「ヤワラクラゲ」です。

和名:ヤワラクラゲ
学名:Laodicea undulata
分類:刺胞動物門 ヒドロ虫綱 軟クラゲ目 ヤワラクラゲ科

ヤワラクラゲは傘径が1~2cmほどのクラゲです。
日本だけでなく、大西洋や地中海など世界中の海に生息し、相模湾や駿河湾の沿岸域では秋~冬にかけて出現します。
記載されたのはなんと 1853年。あまり世間からの認知度は高くない・・・ と思うのですが、実はかなり古くから知られているクラゲなのです。
そして、本種はクラゲからポリプへ「若返る」ことができます。
通常他のクラゲは寿命がくると溶けてなくなってしまいますが、本種は溶けずに肉塊となり、そこから根っこのようなものが出芽してポリプになることができるのです(絶対になるわけではありません!)。
「不老不死」のクラゲとしてはベニクラゲが有名ですが、実は意外といろいろな種で確認されています。
クラゲは単純な体の構造だからこそ、こういう人では考えられないようなミラクル現象を平気でやってのけます。そこに痺(しび)れて憧れますね。

触手は最大で 120本ほど。糸のように細ーい触手がもふっもふっと揺れるさまは、1cmといえどなんだか迫力があります。
名前の通り体がとても軟(やわ)らかく、少しの刺激でも傷がついてしまいます。
飼育難易度は少し高めですが、なるべく長く展示できるように頑張ります。
“えのすい”にお越しの際は、ぜひクラゲサイエンスにお立ち寄りください。

クラゲサイエンス

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