2023年03月08日
トリーター:八巻

一緒に潜ろう!江の島沖の大陸斜面~水中ドローンVR体験~

特別企画展会場特別企画展会場

7月16日から始まった特別企画展「水中ドローンで探検! 江の島沖 深海の入り口」もついに大詰めです。 3月4日、5日に関連プログラムとして「一緒に潜ろう!江の島沖の大陸斜面 ~ 水中ドローンVR体験 ~」をおこないました!

このプログラムは、今回の企画展の後半の目玉として企画、江の島沖大陸斜面域の魅力をさまざまな方々に楽しく伝えたい!という想いの元、VRプログラムの開発、撮影、構成、すべてゼロから手がけました。 8月頃から計画がスタートし、約半年間かけ、専門の技術者の方のご助力の元、ようやく完成、実施することができました。
 
VRとはバーチャルリアリティー、仮想現実のことですが、今回は本格的なVRゴーグルを使用し、私たちが調査で使っている水中ドローンに乗ったつもりで海の中を観察できるというコンテンツに仕上げました。特にこだわったところは、臨場感と一体感を持って“深海の旅”を楽しんでもらうこと。
8人乗りの潜水艇をVR空間に再現、参加する方々と一緒に私たちトリーターも“船長”として艇に乗り込み、水族館から出発して、空を飛んで調査海域へ!そしてそのまま海に潜って探検をする、という私たちもわくわくするような内容です♪

水面に浮かんで、さぁ潜航!水面に浮かんで、さぁ潜航!参加者と共に海の中を探検する参加者と共に海の中を探検するフトツノザメも発見!フトツノザメも発見!

一体感を持たせるため、私たちが”船長”として参加するだけでなく、参加者のアバターにもこだわりました。実際の椅子の距離とVR空間内の椅子の距離を同じにして、顔の向きや手の動きもVR世界に再現、同じ空間で同じ景色を見て楽しんでいる感覚をもてるようにしました!

そもそも水中ドローンを使った調査は毎回新しい発見の連続です。しかし、調査をおこなっている私たちも、結局は狭い視野のカメラで画面越しに海底を見ているだけです。広い視野で海底を見たい、実際に潜ってみたいという想いがあることは言うまでもありません。それを実現すべく、今回の計画を進めました。

撮影はアクションカメラを何台も水中ドローンに取り付け、広い視野の映像を撮ることに。画角やカメラの位置などの調整が必要でしたが、試行錯誤を繰り返してなんとか撮影に成功!!
同時にVRプログラムの開発をしてもらいました。潜水艇の形は憧れのアクリル球に乗り込むタイプで、アクリルには水深や水温がポップアップ表示されるように。開発者の方も大変好意的に取り組んでくださり、とてもかっこいい潜水艇に仕上げてくださいました!

アクリル球に覆われてたかっこいい潜水艇アクリル球に覆われてたかっこいい潜水艇

そして、ついに実施前日。
どんなトラブルが起きるか分からない中、技術者の方と一緒にシミュレーションを何度も繰り返し、会場の設営も終えました。

設営を終えた会場設営を終えた会場

当日はこだわって作った甲斐あってか、トラブルらしいトラブルは何も起こらず、予想以上にオペレーションもスムーズにいき、何よりお客さまの反応も思った以上に良いものでした。コンテンツを楽しんでくださったことはもちろん、私たち“船長”の案内についてもとても良いご意見をいただけたのは、本当にうれしかったです。

”船長”をする私と同じ潜水艇に乗り込んだ参加者の方々”船長”をする私と同じ潜水艇に乗り込んだ参加者の方々

また、このVRイベントをもっと楽しんでもらうために、このイベントの関連展示として、会場の横では水中ドローン調査について改めてまとめた「江の島沖の大陸斜面をもっと知ろう! ~ 水中ドローン調査 特別展示 ~」を併催。こちらもとても好評でした!

江の島沖の大陸斜面をもっと知ろう!~水中ドローン調査_特別展示~江の島沖の大陸斜面をもっと知ろう!~水中ドローン調査_特別展示~

今回はまったく新しい取り組みとなりましたが、みなさん本当に深海への旅を楽しんでくれたようでした!今回の計画に関わってくださった館内外の関係者、そしてプログラムを楽しんでくだった参加者のみなさま、企画者として全ての方々に感謝の思いが尽きません。

せっかく頑張って作ったコンテンツです。今回だけで終わることなく、新たな展開をにらみながら、今後もみなさんに楽しんでもらいたいと考えています!



本事業は、船の科学館「海の学びミュージアムサポート」の支援を受けて実施しています。

RSS