2023年05月31日
トリーター:大下

カニ籠漁

前回の日誌で盛り込めなかったカニ籠漁に、先日タイミングが合って乗船することができましたので、今回はカニ籠漁での採集をご紹介します。

漁の中止が 2回続き、風が吹く予報だったので今回も中止かなぁ… と思いつつ、漁師さんに連絡を入れたところ、「明日は大丈夫だよう。明日の海は最高だよ~」と予想外の返事!
中止だと勝手に思い込んでいたのと、ついに漁に行けると聞き、喜びのあまり少々震えました。
深夜 1時に水族館に集合して、機材を積み込み、2時に出発。3時30分に港から船で出港。
まずは大型のカニを獲る漁から開始。前回はイバラガニモドキしかカニ籠に入っていなかったのですが、今回はタカアシガニが40匹獲れました。(のみではありますが…)

次にエビを獲る漁になるのですが、ここでは漁師の匠の技が炸裂していました!
大半は一定の間隔で連なった籠に繋がるブイが海面にあるのですが、今回のエビ漁では、何と! このブイが海面にはありません。
では、どのように回収するのかというと、魚群探知機で落とした場所を確認しつつ、水深200~300mにある籠の仕掛けを目掛けてフックを 3本程度落としていき、いずれかのフックに引っかけて籠を回収! それも仕掛けの先頭を狙って、ほぼ先頭を引っかける! 驚異でしかありません!
話には聞いておりましたが、実際に目の当たりにして非常に驚きました。

カニエビ籠漁での採集では商品になる漁獲物はさほど持ち帰ることは無く、一緒に入る商品にはならない各種生物が必要となります。今回で 2回目ではありますが、前回では確認できなかった各種生物を採集することができました。
当館の初展示となる生物も採集できましたので、展示されるのを楽しみにしていてください。

実際の乗船では前回と同様に波にあおられて、船は揺れまくっていました…
船酔いした訳ではありませんが、揺れる船の上で立っていなくてはならないので、体幹が非常に鍛えられました。翌日に身体が筋肉痛でバキバキだったのと、泥のように眠り込んだのは言うまでもありません…

あと、今回は漁師さんが獲れたてのオオコシオリエビをご馳走してくれました。
身の部分と、一般的に言う頭部にあるミソを食べましたが、美味しい! そして、絶品! という言葉しかありません。

このカニ籠漁は貴重な生物と出会える良い機会です。なんと言っても 2回乗っただけで、全く違う生物を採集することができている訳ですから。
前回は冬、今回は春(ギリとしてください…)、あとは夏と秋に乗れれば、新たな種に巡り合える可能性を秘めた乗船(採集)です。

漁師さんの協力してもらいながら、この後も新たな生物を展示していきます。
お楽しみに!

RSS