2016年11月25日

西部北太平洋調査航海(16)航海日誌16日目

  • 期間:2016年11月10日~11月25日
  • 場所:西部北太平洋
  • 目的:「海洋酸性化の進行とその影響に関する研究」及び「海底電磁気観測による津波の早期警戒」
  • 担当:杉村
快晴の朝快晴の朝


ついに下船の朝、きのうとは打って変わって晴れた非常に天気の良い朝です。
朝食の後、晴れた甲板の上にはきのうから準備していたボックスパレットが次々と並べられていきます。


陸揚げを待つ荷物たち

JAMSTEC横須賀本部に「よこすか」が着岸すると水族館から北嶋トリーター、鈴木トリーターが出迎えてくれました。


いよいよ水族館へ帰ります。

積み込み日と同じように巨大なクレーンで次々と荷物が陸揚げされていきます。
全ての荷物が陸揚げされるまでほぼ半日はかかり、午後には研究者のみなさんもそれぞれの研究室に戻っていきました。
「よこすか」のみなさんに挨拶をすませ、私も鈴木トリーターの運転するトラックに揺られ、久しぶりに水族館へ帰ってきました。
2週間ぶりに見る水族館はちょっと新鮮でした。ちょっと何かよい展示案でも浮かびそうです。

この16日間、過ぎてしまえばあっという間だった気がします。
ほとんどが波に揺られ翻弄された航海でした。
と、同時に海洋観測調査の難しさや厳しさを痛感した航海でもあり、研究者のみなさんも十分な観測ができず大変だったと思います。
航海の間に 10個以上の低気圧に見舞われ、最終的な調査地点まで行き着くことすらできませんでした。
特に冬期の北太平洋はとても天候が変わりやすく予想もしにくい中、キャプテンや航海を取り仕切る首席研究員の藤木さんの心労たるや計り知れなかったことと思います。
この海域の冬季の調査データは観測の記録が少なく研究上重要なため、調査ができ
るように毎日朝早くからブリッジで協議されていました。
北緯 48度付近の目的地までは到達することができませんでしたが、それでも北緯 44度辺りまで北上し、1度でも観測にチャレンジできたことは幸運でした。
残念ながら当初の目的を達成することはできませんでしたが、少ないですがプランクトンを収集ができただけでも感謝です。
全く観測のできていない方もいるくらいですから。

悪天候の中、事故の無いように我々を助けていただいたキャプテンを始め船員のみなさん、機関部のみなさん、おいしい食事を作ってくれた司厨部のみなさん、ありがとうございました。
首席研究者の藤木さんをはじめ乗船研究者のみなさん、ありがとうございました。

これまでの調査航海とはちょっと違う航海で戸惑いましたが、いろいろ私自身としては収穫の多い航海でした。
どこかで、本航海のお話ができる機会があったらいいなと思っています。

きょうでの航海日誌はおしまいです。
16日間お付き合いいただきありがとうございました。

展示飼育部 魚離チーム 杉村 誠


乗船者全員で記念撮影!!


JAMSTEC(海洋研究開発機構)YK16-16 西部北太平洋「海洋酸性化の進行とその影響に関する研究」及び「海底電磁気観測による津波の早期警戒」を目的とした調査航海

新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

RSS