ウサギの耳を思わせるかわいらしい姿のコトクラゲは、1941年に昭和天皇が初めて江の島沖でご採集なさったクシクラゲの仲間です。1942年に京都大学の駒井卓博士が新種として記載し、発見者の昭和天皇へ献名してLyrocteis imperatoris(「imperatoris」は天皇を意味するラテン語)という学名が付けられました。
新江ノ島水族館はこれまで本種の再発見に2度も関わってきました。2004年、JAMSTEC(国立研究開発法人海洋研究開発機構)との共同研究の中で鹿児島沖から、64年ぶりに本種を再発見。2020年、水中ドローンメーカー・株式会社FullDepthとの深海探査共同プロジェクトで、昭和天皇がご採集なさった江の島沖から、79年ぶりに再発見。当館にもゆかりの生物です。
展示個体は当館の江の島沖での調査において発見された個体で、江の島沖が本種の貴重な生息域になっていることも分かってきました。なお、今回は同時に採集された幼生の飼育にも挑戦しています。
※幼生はクラゲサイエンスにて展示いたします。
※短期間の展示となる可能性があります。ご了承ください。