• 館内マップ
  • 営業時間・料金・交通
  • 展示
  • ショー&ふれあいプログラム
  • 体験学習プログラム
  • お得!年間パスポート
  • 割引のご案内
  • イベント
  • タイムスケジュール
  • お土産・お食事
  • 団体でのご利用
ホーム > 航海・採集日誌

航海・採集日誌

2017.02.28 トリーター:伊藤

2017/02/28 江の島海藻調査(3)
人工海岸の海藻たち。

ピリヒバの隙間にいるスガイの貝殻にはカイゴロモがもっふもふ。
ピリヒバの隙間にいるスガイの貝殻にはカイゴロモがもっふもふ。
期間:2017年2月28日(火)
場所:江の島
目的:江の島の潮間帯で見られる海藻相の把握


約 2週間ぶりの海藻調査です。
江の島は 2020年のオリンピック会場にも選ばれていますが、実は島の東側の多くは前回(1964年)の東京オリンピックの時に埋め立ててできた人工の土地です。漁業やレジャーの中心となるこちらでは、自然の岩場とはまた違った海藻が見られます。

まずは東側の港周辺です。
湘南港の一角にある漁港スロープ内には、大型海藻が少なく、アマノリやアオサ、サンゴのようなピリヒバがびっしりと生えていました。
あまり面白みがない中、その隙間にいる巻貝を見ると、貝殻をびっしりと緑色の藻類に覆われているものがあります。
その名もカイゴロモ。なんとあのマリモに近い種であり、スガイというただ一種の貝にのみ着生する興味深い海藻です。展示欲をそそられます。(写真 上)

スロープ上をよく見ると、漁網から取り外されたらしいゴミがとり残されており、そこには潮間帯には見られない深場の海藻であるユイキリの欠片がありました。
蛇腹のある肉厚な姿はテングサの仲間とは思えません。昨年初めて見た時はトサカ(サンゴの仲間)かと思ってしまいました。


海藻っぽくない?ユイキリの欠片

次に弁天橋の下へ行くと、橋脚にウシケノリが生えていました。昨年も今年も、この場所だけで見つけています。
他の護岸や岩場では何故見られないのか不思議な種でもあります。


橋脚のウシケノリ

足元には大量のゴミに混じってちらほらと海藻が打ち上がっています。
大きなカジメの残骸に混じって、少し珍しいオオバキントキやヒラクサが見られます。
他にもないかと手探りしていると、プリプリとした独特の手触り!
フクロツナギです。
当館の岩礁水槽で大量に自生している「雑草」海藻ですが、本来は深場の海藻で、野外で得たのは今回が初です。
どこから流されてきたかも不明なので、江の島の海藻とは言い切れませんが、嬉しい一品です。


フクロツナギ。持ち帰って押し葉標本にしました。

この時点で潮が満ち始めていましたが、北西端の岩場もぐるりとチェック。
水際にたなびく大量の海藻はほとんどハリガネ。当館の出会いの海水槽にも生えている赤くて細長い海藻です。
この場所は境川からの淡水の影響を受けて、塩分が低いためか、南の磯よりも一見して種類が少ないですが、本種はあまり影響を受けないのでしょうか。
一方で、昨年この場所だけで見られたイカノアシは、今回まったく見られませんでした。
江の島をタイプ産地(江の島で採取された標本を元に論文に報告され、種として認められた)とする海藻だけに、ぜひ再開したかったのですが。
とはいえまだ調査は終わっていません。次回の調査に期待したいところです。
お楽しみに?

相模湾ゾーン


このエントリーをはてなブックマークに追加
2017.02.14 トリーター:伊藤

2017/02/14 江の島海藻調査(2)
江の島と言えば弁天様ですが・・・

ナラサモの群落。前回のタマハハキモクとの違い、分かりますか?
ナラサモの群落。前回のタマハハキモクとの違い、分かりますか?
期間:2017年2月14日(火)
場所:江の島
目的:江の島の潮間帯で見られる海藻相の把握


昨日に続けて本日も調査です。
場所は昨日の場所より少しだけ離れた岩場を見ていきます。
環境的にはよく似ているのですが、それでも、生えている種類が結構違っており、興味深いです。

沖合には「ホンダワラ」としては小ぶりなナラサモが局所的にわさわさと生えていました。丸っこい葉がかわいらしいです。
やや手前の岩場には、ツクシのような姿と、ゆでたエノキのような柔らかな手触りのユナも、ところどころにまとまって見られます。
ここでしばし、ユナの群落の近くに這いつくばり、入念にかき分けてある海藻を探します。
その名はベンテンモ。ユナの体からおできのように生える奇妙な寄生藻です。
前回触れたベンテンアマノリと同様、江の島の弁天様に由来した名を持っており、学名もBenzaitenia yenoshimensis と「ザ・江の島」な注目すべき海藻ですが、残念ながら見つけられませんでした。
ここしばらく、江の島からの記録がないらしいので、ぜひ見つけたいところでした。
今後もユナを見つけたら、都度探すつもりです。

ベンテンモの宿主となるユナ

昨年、海藻の専門家Aさんから色々教えてもらったものの、未だ同定に確信が持てない海藻もいくつかあります。
種類によっては姿かたちがよく似ており、同種内でも変異が大きいのが曲者です。
特に苦慮させられるのが以下のようなケースです。
潮間帯の上の方にみられるアオノリやアオサの仲間。
アオノリは生え方から 2~3種類くらい区別できましたが、アオサは特にキツイです。
専門家でも遺伝子を調べたり、葉を細かくきざんで顕微鏡で断面を見たりして区別するらしいですからね。

アオサ類の群落。上の方がボタン、下の方がアナに見えます、が・・・。

小さな紅藻は「葉が枝分かれし、先端が二股」の種が多くて難儀です。
カバノリのように葉を折り曲げた時に折れるかどうかで確信できる種もあれば、藻体全体の立体感や、仮根近くの茎の形状、はては手触りなどから何とか同定していく種もあり、現場では時間との闘いです。
あとで誤同定を正せるよう、標本を残すように心がけなくてはなりません。

現場で同定できず。何でしょうコレ

そんなこんなで2度目の調査が終わりました。
次回はがらっと環境の異なる島の東側や北側へ向かいます。
ひたすら地味に続きます。お楽しみに?

相模湾ゾーン


このエントリーをはてなブックマークに追加
2017.02.14 トリーター:崎山、戸倉、岩崎

2017/02/14 初島沖 キンメダイ乗船採集
キンメダイ採集/岩崎


期間:2017年2月14日(火)
場所:初島沖 水深200~300m
目的:キンメダイ採集


“初島沖”
この響きを聞くと「グッ」と腹に力が入る。
今年もこの季節がやってきた!
2月14日(火)、夜が明けきらぬ早朝、3名のトリーターを乗せた釣り船天恵丸は、初島沖を目指して湯河原福浦港を出港した。

初島沖でのキンメダイ釣りシーズンは、12月~翌年3月末まで。
2月はキンメダイ釣りのベストシーズン。
海の表層水温が最も低くなるこの季節は、船上でのトリートメントにも最適なのだ。
しかし、寒気と暖気が入り混じる2月は、冬の季節風が強まる日も多い。
初島沖では、毎年高いうねりと冷たい強風に打ちのめされてきた。
船に”ドドーン”と打ちつける強烈な風と波のパワーに対応するため、否応にも腹に力が入るといったわけである。

出港時にちらついていた雪がうそのよう。
西の空に浮かんだ月が水面を照らす。
東の空はうっすらと明るくなって、オレンジ色の光が見えてきた。
いよいよ初島沖に到着。
風は弱くうねりもほとんどない。
千載一遇のチャンスだ。

「それでは始めましょう!」
「水深 230m前後です」
船長の合図で仕掛けを下す。
水底まで落とすと早速反応が。
「1mくらい巻いてください」
また反応が。
「もう1m巻いてください」
またまた反応が。
「サメに狙われるのでそろそろ上げましょう!」
竿が“グググ”っとしなる。


200m・150m・100m・50m・・・10m・5m・・・。
深海の釣りは、仕掛けを下すのも巻き上げるのも時間がかかる。
気持ちは高まるがここで焦ってはいけない。
ようやく仕掛けが上がってきた。
見えた!
この赤い背中はまぎれもない“キンメダイ”だ。
1尾・2尾・3尾。
いきなり3尾ついていた!
仕掛けが長いので船に獲り込むのも大変である。
活かして持って帰ることが目的なので、あまり雑には扱えない。
仕掛けがからまないようにかつ、魚を傷めないように生簀の中へ魚を入れる。


「いい群れがいますよ」
「明るくなる前の2~3投が勝負です」
興奮覚め止まぬまま2投目を入れた。
ガツン。
1m上げる。
ガツン。
また上げる
ガツン。
「そろそろ上げましょう」
またもや竿は小気味良くしなる。
ところが・・・
グッ!ググググッ!
プツン!
「ああっ悔しい!」
「サメに全部持っていかれましたね」
「3mを超えるようなのがいて、キンメダイを狙ってくるんですよ」
そんな大物がウヨウヨいるのか。
海はすごいな。

朝日が昇り、空がだいぶ明るくなってきた。
残されたチャンスはあと少し。
仕掛けをつなぎ直して再び挑戦。
サメが来ないように願いつつ釣りを続けた。
幸いにも群れは散っていなかった。
一度に5尾かかることも!
サメにも襲われることなく、早々に目標数を確保。
生簀が満杯になったところで、キンメダイ釣りは切り上げた。


これがキンメダイ釣りか。
この日、海の女神は我々に微笑んだ。
バレンタインデー万歳!

こうして確保したキンメダイ。
かなりボリュームアップした展示をぜひご覧ください。


ご協力いただきました天恵丸さん、ありがとうございました!


[協力] 湯河原福浦港 天恵丸


このエントリーをはてなブックマークに追加
2017.02.13 トリーター:伊藤

2017/02/13 江の島海藻調査(1)
今年も海藻、調べます。

やや沖合にたなびくタマハハキモク
やや沖合にたなびくタマハハキモク
期間:2017年2月13日(月)
場所:江の島
目的:江の島の潮間帯で見られる海藻相の把握


昨年春のトリーター日誌にて、江の島の海藻を調べ始めたことを紹介しました。
あれから続報もせず、三日坊主を疑われたかもしれません。
実は昨年の調査では、時期がやや遅かったこと、近隣での磯焼けが見られていたことから、翌年(つまり今回)、海藻の最盛期である2月にもう一回調査しなければと思っていたのでした。
ということで今回の調査はこちらの日誌で少し詳しくレポートしてみたいと思います。

最初に出向いたのは江の島の南側、最も潮通しがよい磯らしい磯です。
この時期の難点として、大潮でも昼間にあまり潮がひかない(最干で50cmくらい。潮間帯下部が水没したまま・・・)という点がありますが、極寒の夜に調査するよりは良いかな、ということで 現場入りです。
幸いにも波は穏やかです。
まずは水際と水中を見ていきます。
潮間帯の上の方は海藻が少なく、マクサやオバクサがちらほらあるだけ・・・。
近隣漁師さんの「今年も磯焼けが酷い」という言葉を思い出し、一抹の不安を覚えながら、外海に向かって調べていくと、沖の方には例年とそう変わらない大型褐藻類の繁茂が目に入りました。
お馴染みのワカメやヒジキに加え、当館の展示でおなじみのアラメに、ざっくり「流れ藻」「ホンダワラ」としてくくられるイソモク、アカモク、タマハハキモクなどが気持ちよくたなびいています。(写真上)

何とか潮が満ちる前に潮間帯を見終え、今度はタイドプールと高い岩の上を見ていきます。
乾いた岩の上にはカッピカピに乾いたアマノリとハバノリがびっしりです。
アマノリはマルバとオニかな?この中に、江の島ゆかりのベンテンアマノリがあったりするのかも、と思いながらも、とても区別が付きません。
ベンテンアマノリは岩上ではなく他の藻類の上に着生する種らしいですが、そういった状態のアマノリはほとんど見られませんでした。

岩盤上のノリ類(3種類くらい?)

やや湿った浅い水たまりには、細いチューブ状のカヤモノリが目立ち、水の中にはヒラムカデがペラペラとたなびいています。
カヤモノリが大きい姿となるのは冬の短期間だけです。
水槽内でこの姿を周年維持出来たら、実に展示映えしそうです。

タイドプール内のカヤモノリ(茶色)とヒラムカデ(赤色)

まだスギ花粉も飛んでおらず、さわやか気分での調査でした。
期せずも、シラス展示のリニューアルで煮詰まった頭をリフレッシュすることが出来ました。
マニアックな本シリーズですが、次回もお楽しみに?

相模湾ゾーン


このエントリーをはてなブックマークに追加
2016.11.25 トリーター:杉村

2016/11/25 西部北太平洋調査航海(16)
航海日誌16日目

快晴の朝
快晴の朝
期間:2016年11月10日~11月25日
場所:西部北太平洋
目的:「海洋酸性化の進行とその影響に関する研究」及び「海底電磁気観測による津波の早期警戒」


ついに下船の朝、昨日とは打って変わって晴れた非常に天気の良い朝です。
朝食の後、晴れた甲板の上には昨日から準備していたボックスパレットが次々と並べられていきます。


陸揚げを待つ荷物たち

JAMSTEC横須賀本部に「よこすか」が着岸すると水族館から北嶋トリーター、鈴木トリーターが出迎えてくれました。


いよいよ水族館へ帰ります。

積み込み日と同じように巨大なクレーンで次々と荷物が陸揚げされていきます。
全ての荷物が陸揚げされるまでほぼ半日はかかり、午後には研究者のみなさんもそれぞれの研究室に戻っていきました。
「よこすか」のみなさんに挨拶をすませ、私も鈴木トリーターの運転するトラックに揺られ、久しぶりに水族館へ帰ってきました。
2週間ぶりに見る水族館はちょっと新鮮でした。ちょっと何か良い展示案でも浮かびそうです。

この16日間、過ぎてしまえばあっという間だった気がします。
ほとんどが波に揺られ翻弄された航海でした。
と、同時に海洋観測調査の難しさや厳しさを痛感した航海でもあり、研究者のみなさんも十分な観測が出来ず大変だったと思います。
航海の間に 10個以上の低気圧に見舞われ、最終的な調査地点まで行き着くことすら出来ませんでした。
特に冬期の北太平洋はとても天候が変わりやすく予想もしにくい中、キャプテンや航海を取り仕切る首席研究員の藤木さんの心労たるや計り知れなかったことと思います。
この海域の冬季の調査データは観測の記録が少なく研究上重要なため、調査が出来るように毎日朝早くからブリッジで協議されていました。
北緯 48度付近の目的地までは到達することが出来ませんでしたが、それでも北緯 44度辺りまで北上し、1度でも観測にチャレンジ出来たことは幸運でした。
残念ながら当初の目的を達成することは出来ませんでしたが、少ないですがプランクトンを収集が出来ただけでも感謝です。
全く観測の出来ていない方もいるくらいですから。

悪天候の中、事故の無いように我々を助けていただいたキャプテンを始め船員のみなさん、機関部のみなさん、おいしい食事を作ってくれた司厨部のみなさん、ありがとうございました。
首席研究者の藤木さんをはじめ乗船研究者のみなさん、ありがとうございました。

これまでの調査航海とはちょっと違う航海で戸惑いましたが、いろいろ私自身としては収穫の多い航海でした。
どこかで、本航海のお話が出来る機会があったらいいなと思っています。

今日での航海日誌はおしまいです。
16日間お付き合いいただきありがとうございました。

展示飼育部 魚離チーム 杉村 誠


乗船者全員で記念撮影!!


JAMSTEC(海洋研究開発機構)YK16-16 西部北太平洋「海洋酸性化の進行とその影響に関する研究」及び「海底電磁気観測による津波の早期警戒」を目的とした調査航海

新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-


このエントリーをはてなブックマークに追加
2016.11.24 トリーター:杉村

2016/11/24 西部北太平洋調査航海(15)
航海日誌15日目

霧の合間のJAMSTEC横須賀本部
霧の合間のJAMSTEC横須賀本部
期間:2016年11月10日~11月25日
場所:西部北太平洋
目的:「海洋酸性化の進行とその影響に関する研究」及び「海底電磁気観測による津波の早期警戒」


今朝から本土は寒いですね。
既に東京湾に入っているはずですが、海上は霧で何も見えませんでした。
昼頃には霧の間から JAMSTECの横須賀本部の建物が見えるようになりました。
この寒さでは、調査海域の気温とあまり差がないですね。
八王子では雪が降ったとか・・・ それは寒いわけです。

午後からは下船の準備が始まりました。
今日のように片付けの出来る日が 1日あると、下船の朝にバタバタしなくてとてもいいですね。
※天候のせいで早く東京湾に入った訳ですが・・・。
波の静かな停泊中に、出来るだけ荷物を格納庫内へ集めます。
天井のクレーンや船内エレベーターを使って次々と荷物が集められ、ボックスパレットの中に詰まっていきます。


片付け中

調査や分析用の機器、試薬にサンプル瓶、インキュベーター(恒温機)、実験用の純水を作る機械、顕微鏡、採水用ポリタンクなど本当にさまざまです。
格納庫に集まった荷物を見渡してみると、とてもたくさんの荷物が積まれていたことに改めて驚きました。


集まったたくさんの荷物・・・ の一部

明日は、これらの荷物の他にCTDや引き上げた海底電磁計などの大型の調査機器はもちろんのこと、機器を操作する巨大な通信用ケーブルワイヤー、我々が使っていた冷蔵コンテナもすべて船外に運び出されます。
乗船時より増えていますね・・・ (>_<)
乗船前の積み込み作業を思い出しますね・・・ またあの巨大なクレーンが出動するわけですね。

後は、明日の下船を待つばかりと最後の夕飯を食べに食堂に行くと!
今夜のメニューは・・・ にぎり寿司です!! おいしい夕食をいただきました。


夕飯「にぎり寿司」

みんな食堂で、いつもよりゆっくりと今回の航海の話などをしながら過ごしました。
明日は作業が一杯です。航海の余韻に浸っている時間はきっと無いでしょう。
今夜は、長かった航海を振り返ってちょっと気持ちが寂しくなりそうです。

さて、明日から水族館へ戻ります。
水族館の生き物たち元気でいてくれているでしょうか。
明日会えるのが楽しみです。

それでは、明日最後の航海日誌で!!


JAMSTEC(海洋研究開発機構)YK16-16 西部北太平洋「海洋酸性化の進行とその影響に関する研究」及び「海底電磁気観測による津波の早期警戒」を目的とした調査航海

新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-


このエントリーをはてなブックマークに追加
2016.11.23 トリーター:杉村

2016/11/23 西部北太平洋調査航海(14)
航海日誌14日目


期間:2016年11月10日~11月25日
場所:西部北太平洋
目的:「海洋酸性化の進行とその影響に関する研究」及び「海底電磁気観測による津波の早期警戒」


今朝起きて船の窓から海上を見ると・・・
ついに陸地が見えるようになりました。「よこすか」は順調に南下中です。
そろそろ携帯電話も繋がりそうで、徐々に「下船」の二文字が頭をよぎるようになります。

朝食をとり、一息ついた頃。
ついに・・・ 「洋上セミナー」の時間です。
本航海では、今日を含めて洋上セミナーは2回行われます。
前半の1回目は我々研究者だけでしたが、今日はなんと「よこすか」のキャプテンをはじめとする船員さんも・・・ 食堂に集合です。
全員で 25人程でしょうか、たくさん集まっていただきました。
水族館のお話と言うこともあって、首席研究者の藤木さんの計らいで船員さんにも声をかけてくれたそうです。
題目は「新江ノ島水族館と深海」。
水族館の仕事から私の担当している深海生物の飼育や調査、潜航映像などについて紹介させていただきました。


洋上セミナーのようす

1時間ほどのセミナーでしたが、とてもよく聞いていただきセミナー中やその後の食事の時間などで多くの質問をしていただけました。
船員さんや研究者のみなさんの何人もの方が「この間、えのすい行ったよ。」とか「子どもが好きでよく行くよ。」と声をかけてくれました。
とても嬉しかったと同時に、みなさんに支えられて水族館が成り立っていると改めて感じました。
また、それだけにJAMSTECのみなさんに見られているというプレッシャーも同時に感じました。
下船後は、さらに頑張らねばなりませんね!

残すところあと 2日、この航海もカウントダウンに入りました。
明日午後には横須賀沖に到着するようです。
そろそろ荷造りを始めなければ・・・ 。

当然、採集された生物たちのお世話もしっかりと。
ではまた明日。

セミナーも無事?!終わって良かった・・・。


JAMSTEC(海洋研究開発機構)YK16-16 西部北太平洋「海洋酸性化の進行とその影響に関する研究」及び「海底電磁気観測による津波の早期警戒」を目的とした調査航海

新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-


このエントリーをはてなブックマークに追加
2016.11.22 トリーター:杉村

2016/11/22 西部北太平洋調査航海(13)
航海日誌13日目

期間:2016年11月10日~11月25日
場所:西部北太平洋
目的:「海洋酸性化の進行とその影響に関する研究」及び「海底電磁気観測による津波の早期警戒」


朝方、福島県沖で大きな地震がありましたね。
昨夜遅くから船の上でもBSテレビは見られるようになっていましたので、朝から船内でもニュースが流れていました。
「よこすか」は八戸方面に向かって航行中で、船自体はまだ沖合いにいるので地震や津波の影響はありませんでした。
いつもと変わらず、うねりで大きく揺れています。
震源の水深自体は 150~200mくらいで浅い場所だそうです。
震源の深さは 30kmと聞きました。
地震の原因は断層が原因で、本土が若干北西にずれたと海底電磁気観測の研究者の方に少しですが伺いました。
テレビでは、津波や原発のニュースが午前中いっぱいは流れていましたが、大きな事故などが起きていないよう祈るばかりです。

今日はテレビのおかげで地震の情報が我々にも早く伝わりましたが、普段は居室やラボにあるテレビは航路情報や船内の作業甲板の映像が映るだけです。
一部船員さんの娯楽用にDVDが流れています。
ブリッジに行けば、船の安全な航行の為に衛星通信で天候情報などは随時入手されています。
衛星アンテナの向きなどによってインターネットも繋がったり繋がらなかったりしていますが、通信速度が非常に遅いのでメールやテキストデータ以外はほとんど使い物になりません。
本土や大きな世界情勢などの情報はただ唯一、食堂にだけほぼ毎日共同ニュースで知ることが出来ます。


共同ニュース

両面印刷で3枚ほどの簡易新聞ですが、私にとっては毎日の朝食後の楽しみです。
・・・先日のサッカーのWorld Cupの予選の結果や、テニスの錦織選手の結果は読みました・・・ 観たかった・・・ (T_T)。
あまり外の情報が入らない分、じっくり実験のまとめなど時間を使う事が出来てそれはそれで良いですね。

外の情報が入り始めるとそろそろ帰るんだなという気になり出します。
帰港まであと3日です。
おっと、明日の洋上セミナーの準備せねば。

ではまた明日・・・ どんなセミナーになるのやら。


波が高いので、格納庫にはシャッターが閉まっています。


JAMSTEC(海洋研究開発機構)YK16-16 西部北太平洋「海洋酸性化の進行とその影響に関する研究」及び「海底電磁気観測による津波の早期警戒」を目的とした調査航海

新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-


このエントリーをはてなブックマークに追加
2016.11.21 トリーター:杉村

2016/11/21 西部北太平洋調査航海(12)
航海日誌12日目

期間:2016年11月10日~11月25日
場所:西部北太平洋
目的:「海洋酸性化の進行とその影響に関する研究」及び「海底電磁気観測による津波の早期警戒」


今日は特に揺れていますね・・・ 今まで一番かもしれません。
揺れていない日は本当に無いです・・・ 北の海は侮れません。
ちょうど気圧の谷間にいるそうで、天候は良く青空が見えていますが風が強いせいで波が高いようです。
絶え間なく波が船底を叩く衝撃が伝わってきます。


本航海一番の波!!・・・ たぶん

大きく揺れる中、各ラボでは先日の観測で採取した海水の分析やその準備が行われています。
ラボを覗くと採取した海水を分析しやすくするため、専用の機器を使って数十倍に海水を濃縮したり、光に当てて植物プランクトンの培養を行ったりしていました。
別のラボでは薬品を混ぜて滴定分析も行われていました。
サンプルが新鮮なうちの分析や準備などに時間のかかるものから始められていきます。
また、採集されたプランクトンの中から調査対象種だけを選別する作業も引き続き行われ、顕微鏡を覗きながら非常に細いピペットを使って種を単離して分析用のパレット(たこ焼き機を小さくしたような形)に入れていきます。
そして、パレットごとインキュベーター(恒温機)で生きたまま保管します。
このような手間のかかる分析の積み重ねによって、調査海域の基礎生産量や海水組成などが分かるようになっていくんですね。


夜遅く大変な分析の合間のひととき

私は、私で飼育を始めたクラゲやオヨギゴカイなどの水槽の換水や用意したエサを与えるなどの飼育実験を 2℃に設定した冷蔵コンテナで行っています。
水槽の中でどのように浮遊しているのか、餌は食べているのかなど小型のウェアブルカメラを使って観察しています。
ちなみに調査海域の水温は 3℃でした。
コンテナの照明を消して水槽だけを照らして撮影すると、まるでミニ水族館のようになり、研究者のみなさんもたくさん見に来てくれました。


飼育実験記録中

帰港までは、まだ4日程ありますが航海中にもう一つのミッションが待っていました。
明後日に予定されている「洋上セミナー」です。
研究者のみなさんだけではなく、船員さんも聞くとのこと・・・ ヒェ~。
航海終盤に差し掛かってのプレッシャー・・・ セミナーの準備をしなくては・・・ 。

ではまた明日。


JAMSTEC(海洋研究開発機構)YK16-16 西部北太平洋「海洋酸性化の進行とその影響に関する研究」及び「海底電磁気観測による津波の早期警戒」を目的とした調査航海

新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-


このエントリーをはてなブックマークに追加
2016.11.20 トリーター:杉村

2016/11/20 西部北太平洋調査航海(11)
航海日誌11日目

期間:2016年11月10日~11月25日
場所:西部北太平洋
目的:「海洋酸性化の進行とその影響に関する研究」及び「海底電磁気観測による津波の早期警戒」


みなさん、おはようございます。
とっ・・・ もうお昼になってますね、午前一杯寝てしまいました。
結局、昨夜ベットに入ったのは午前 3:00、既に今日になってましたね。

今日は、昨夜の採集でされた生物をいくつか紹介しましょう。
水深 200m~表層まで間口が直径 45cmのプランクトンネットで海中を鉛直に曳くと、多くのプランクトンが採集されました。
特に目立ったのはヤムシの仲間で体は細長く透明、大きさは 1cm前後で、一見するとウナギの子どものようにも見える毛顎動物の仲間です。
体は透明で殻がほんのり赤いオキアミの仲間、よく泳ぎ回る触角の長いカイアシ類やツリガネ型のクラゲ、数個体ですがクリオネなどの翼足類も採集されました。
他には、大きさが 1mmにも満たない浮遊性の有孔虫というとっても綺麗なプランクトンも採集されました。


カイアシ類の一種


オヨギゴカイの一種


オキアミの仲間

研究者の方々は採集されたプランクトンの一部を生きたまま持ち帰り、色々な条件下での飼育を行って、海洋の酸性化の影響を研究するそうです。
揺れるラボの中で顕微鏡を覗くのはなかなか大変な作業です。

昨日の昼から今朝にかけて低気圧の合間に観測調査が出来た事は幸運なことでした。
この日誌を綴っている時点で、もう既に「よこすか」は陸に向かって進路を取っていました。
あと 1回くらいはネット調査をしたかったところですが、残念です。
自然の力には勝てません。
無理をすると今度は帰れなくなってしまいます。
本当に海洋調査って難しいですね。
ワンチャンスの調査でしたが、実施出来て本当に良かったです。
観測調査に踏み切っていただいたキャプテンと首席研究者の藤木さんに感謝です。

そういえば、格納庫内で荷物の整理をしていたら小鳥が数羽飛び交っていました。
海までエサ探しに来て、疲れて船で休んでいるのでしょうか?
こんな陸から遠く離れた場所にも小さな鳥たちがやってくるんですね。
種類はいったいなんでしょうね?
船内にあった野鳥図鑑をお借りして探してみましたが、よく分かりませんでした・・・
ウミツバメの一種のような気がするのですが、やっぱりよく分かりません。
魚のようにはいかないですね・・・ (^_^)


格納庫で休憩中?の鳥類

さあ、明日からプランクトンのお世話が始まります。
船内に持ち込んで培養しているワムシやブラインシュリンプ、クロレラなどを駆使して無事生かして水族館へ持ち帰りたいと思います。

ではまた、明日。


JAMSTEC(海洋研究開発機構)YK16-16 西部北太平洋「海洋酸性化の進行とその影響に関する研究」及び「海底電磁気観測による津波の早期警戒」を目的とした調査航海

新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-


このエントリーをはてなブックマークに追加