• 館内マップ
  • 営業時間・料金・交通
  • 展示
  • ショー&ふれあいプログラム
  • 体験学習プログラム
  • お得!年間パスポート
  • 割引のご案内
  • イベント
  • タイムスケジュール
  • お土産・お食事
  • 団体でのご利用
ホーム > 航海・採集日誌

航海・採集日誌

2019.05.06 トリーター:伊藤

2019/05/06 相模川カニ類調査(4)
渋滞横目にゴクラク調査

期間:2019年5月6日(振・月)
場所:相模川
目的:半水棲カニ類の生息状況の把握


みなさま こんにちは。
今日で10連休も最後ですね。
当館にも大勢のお客さまがお越しくださいました。ありがとうございます。
そんな繁忙なさ中、私はまったりと(しかし真面目に)相模川の河口に調査に出かけていました。
現地から斜め上を眺めると、川にかかる橋に車がぎっちり並んでいます。
まぁ大変そう・・・。
そこから300mと離れていない私のまわりは、家族連れが楽しむような場所ではないためか、ほとんど人影なし!低い人口密度のなか、孤独を楽しみました。

同シリーズ日誌を書くのは久々ですが、相模川へは暖かいシーズンには 月数回のペースで訪れていまして、ちょっとした報告[研究発表:2018年8月 相模湾の汽水域で確認されたカニ類 -特に北限産出となる希少種の記録について-]もまとめることがかないました。
今回は、前回までの採集日誌において、論文投稿中のために紹介を控えていた種についても、触れたいと思います。
まずは・・・

ヒメヒライソモドキ
一昨年の時点で見つけており、昨年夏に論文に記すことができた希少種です。
今のところ、ここ相模川での報告(つまり私の採集例)が本種の分布北限記録なのです。
オスのハサミの外側だけにフサフサの毛が生えており、眼が比較的大きいという特徴があります。
水底の砂をすくい取り、ネットの上で洗いながら探したところ、大小さまざまなサイズが見つかりました(ということは、越冬に成功しているのでしょう)。
同所にたくさんいるケフサイソガニ類とはもはや、動きや形の「なんだか違和感」で迷わず見分けることができます。
オスであれば水に入れて、毛の生え方をチェックすることで本種と確信できます。
とっても小さいカニですが、ぞくぞく来るカッコよさ!
何とか展示しお見せできないかなと思っています。


ヒメヒライソモドキ。どこにいるか分かりますか?


ヒメヒライソモドキ。ハサミの毛がフサフサ。

他にもちょっと珍しい生物が見られたので紹介します。

トゲアシヒライソガニモドキ
こちらは昨年まで相模湾キッズ水槽で展示していました。
ハサミだけではなく、足(歩脚)の方に長い毛がたくさん生えています。
他のカニと全然違いますよね?
これもかっこいいです。
相模川のもうちょっと上の方でも採集されており、そちらが北限記録になっています。


すね毛フサフサ。トゲアシヒライソガニモドキ。

チチュウカイミドリガニの幼体
だと思われます。
本種自体は江の島でもたまに見つかり、見たことがあるのですが、幼体はなんだか毛深くて、雰囲気が違います(ほんとにチミドリかなぁ?)。
外来種ですが、相模湾では爆発的に殖えていない印象です。


チミドリ?ちょっと自信ないので調べ中。

アサリとホトトギスガイ
おなじみのアサリですが、近年の相模川ではレアだと言えます。
ホトトギスガイはいわゆるムール貝の仲間で、貝殻が薄いので、力のあまり強くない小型カニ類の獲物として重要だと言われています。
これらの生息数が相模川で殖えていけば、それを食べるカニや鳥も増えて、40年以上前のにぎやかな干潟に戻るかも知れません。


アサリ(左)とホトトギスガイ(右)


ここからは魚です。

ゴクラクハゼ
この時期は河口で幼魚が多く見られます。
泥にまみれているとマハゼやアシシロハゼと間違えがちですが、何となく体が硬くてシャキッとしており、体にブルーがきらめくので本種と分かります。
水面下の浅瀬は、まさに極楽の楽園といったところでしょうか(日誌のタイトルもこちらから)。
当館では「川魚のジャンプ水槽」に成魚がいます(真ん中あたりの丸い石がごろごろしているあたりにいることが多いです)。


河口のイメージがあまりないゴクラクハゼ。

チワラスボの仲間
赤黒く細長い体と、退化気味な小さな眼が特徴の珍魚です。
相模川では 1998年に地元の小学生によって採集され、平塚市博物館の故浜口哲一さまにより初記録されています。
潜る性質が強いので、展示難易度は高そうです。
当館の「海岸水槽 干潟(江奈湾 三浦市)」に入れておけば、人知れずひっそりと育つかも知れません。


ハゼとは思えない異形のチワラスボの仲間

ヒナハゼ
これも相模川ではレアですが、沖縄に行った時には、小さな水路でそれこそ「湧くように」採集されたのを覚えています。
寸詰まりで小鳥のような雰囲気が素敵ですが、酸欠や擦れには弱く、カニや他の魚と一緒にキープしているとすぐにフラフラになってしまいます。
本種だけで大事に持ち帰り、展示飼育したいところです。


ヒナハゼ

カワアナゴの仲間の幼魚
日本にはよく似た 4種のカワアナゴ属が生息しており、カワアナゴ以外は亜熱帯地方に多く見られるのですが、相模湾からはこれら 4種とも記録があるので、よく調べないと種が確定できません。
頬っぺたのすじを数えたりするので、生きたままだと結構難しいです。
当館では、巨大なカワアナゴの成魚を「皇室ご一家の生物学ご研究」で展示しています。


カワアナゴ属幼魚。
尾びれの感じからオカメハゼではなさそう。

ハゼといえば、当館でも展示紹介させていただいている上皇陛下のご専門分野です。
今回採集されたカワアナゴ属やヒナハゼ属の中に複数の種が含まれていたり、よく似た種類と混同されていたことにいち早く気が付かれ、論文にしてご報告されていることは驚くべきことです。
現場で生の魚を見ていると特にそう感じます。
最後は魚の話題が主になってしまいましたが、今後も継続して相模川を見ていけたらと思っております。

バックナンバー
2017/07/12 相模川カニ類調査(1) 最近の相模川カニ類の生息状況
2017/08/19 相模川カニ類調査(2) あの希少種はいま
2017/08/19 相模川カニ類調査(3) 相模川に新顔登場か?


2019.03.05 トリーター:西川

2019/03/05 駿河湾底曳網採集

期間:2019年3月5日(火)
場所:駿河湾
目的:メンダコをはじめとする深海生物の採集


みなさん、こんにちは!
毎年駿河湾で行っている深海生物の採集に今年も行ってきました。
と言っても私が乗船するのは今回が初めてです!
底曳網漁をしている漁師さんの船に同乗させていただき、生物を採集してきましたので報告いたします。

出航時間が朝の4時30分だったため 前日から準備しましたが、天気は雨でした。
当日も雨なのでは... と不安がありましたが朝には雨が上がり、日が昇り始めるころには快晴となり、とても気持ちの良い陽気の中で作業することができました。
船からはこんな風に富士山も綺麗に見えましたよ!


日が昇ってからでなければ網を曳いてはいけないルールなので、日の出までしばらく気合を入れながら待ちました。


日が昇り始めいよいよ網入れの開始です。
網を落とすと船が動き始め、網を曳くロープもピンと張ります。
薄暗くて見づらいですが左右にあるロープの先に網があり、少しの時間網を曳いた後、巻き上げ機を使ってロープを巻き上げていきます。
船上は左右に揺れているので、勢いよく巻き上げられているロープに絶対に触らないようにとドキドキしながら、またどんな生物が揚がって来るのかとワクワクしながら待っていました。

今回網を曳いたのは水深 180~250mで、網が上がってくるのもかなりの時間がかかりました。
そしてようやく上がってきたのがこちらです。


おお、すごい泥!
見た感じ魚たちはほぼ死んでしまっているように見えますが、この中の生物をトリートして水族館へ運びます。
さて、メンダコはどうでしょう。
トリーターは網が揚がった瞬間から目の色を変えてメンダコを探します。
メンダコには独特の臭いがあるらしく、漁師さんが揚がってきた瞬間にメンダコの臭いがすると言っていました。
甲板に揚げられた状態でもパッと見た限りではメンダコがいるように見えないので半信半疑でしたが、良く探してみるとなんと3個体もいました!
さすが漁師さん、私は少しもメンダコ臭を感じることが出来ませんでした。

因みに、漁師さんが狙うのは海底に棲むアカザエビやチヒロエビなどの甲殻類です。
船に乗せていただいているので仕分けのお手伝いもしました。
こんな感じで繰り返し網を数回曳いていきます。
結果を一つずつ紹介すると長くなってしまうので、そのうちのいくつかを紹介しますね。




薄いピンク色をしたエビはサクラエビで、群れで生活しているので一度にたくさん入りました。
水深 180m~250mのさまざまな場所で網を曳き、メンダコはなんと計7個体!
好成績でした。
たくさんの生物が網に入ると、網を上げてくる途中で押しつぶされたりエビのとげが刺さったりするのですが、今回の生物が少なかった網のメンダコの状態は良さそうで、きれいな状態で収容することができました。


次からは今までよりも浅い場所で行うので、生物の種類も全く変わります。
移動した場所では残念ながらメンダコは入りませんが、人気の魚アカグツが目当てです。


あ、空き缶!
何よりも先に目が行ってしまいました。海はきれいに利用しなければいけませんね。
このように浅場になるとエビの仲間はほとんどいなくなり、赤い魚のヒメコダイやトラ柄模様のミシマオコゼ、中央付近にある薄い黄色のもしゃもしゃしたウミトサカの仲間が増えました。
そして、アカエイやマトウダイなどの魚に混ざってアカグツがいました!
目標達成です。
と言っても漁師さんに取って頂いたものですけどね!

漁が終わった後は、予定していた生物をなんとか確保できたという達成感と、船酔いしなくて良かったという安堵感でいっぱいでした。
しかし、家に帰るまでが遠足と同じように、水族館の水槽に収容するまでが底曳網採集です。
採集された生物をトリートしながら港へ戻り、緊張感を保ちながら水族館へ戻りました。

今回の乗船ではメンダコやアカグツ、ミドリフサアンコウ、ミカワエビ、ミノエビなどの生物を水族館へ収容しました。
7個体いたメンダコは残念ながら展示終了してしまいましたが、アカグツやミドリフサアンコウなどは展示していますのでぜひご覧ください。

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-


2018.11.20 トリーター:杉村

2018/11/20 沖縄トラフ伊平屋北海丘深海調査航海(6)
航海日誌 6日目 (最終日)

間もなく、下船です
間もなく、下船です
期間:2018年11月15日~11月20日
場所: 沖縄中部トラフ
目的:多系統群から探る普遍的な極限環境適応機構の解明 / 悪玉細菌群の制御を目的をした広宿主性ウイルスの探索


みなさん!
早いもので、もう今日で下船です。アッという間の6日間でした。
・・・ なんかいつも最終日はこんな書き出しだったような気が・・・ と思いつつも、相変わらずの速さで調査航海は終了しました。
陸が恋しいような、まだ船に乗っていたいような・・・ そんな気分です。

今朝は、日も上がらぬ朝早くから下船の準備です。
海上は風が強く、船はそこそこ揺れていました。
昨日の日誌にも書いたと思いますが、私の片づけはこれから。
まずは、生きているゴエモンちゃんたちを搬送する準備です。
発泡スチロールや保冷剤などを、せっせと冷倉庫のある部屋から持ち出しました。
海水の水温や数を計測しながら作業は進み、昨夜のうちに準備をしておいたお陰で、下船時間 9:00前には何とか片づけることができました。
これまでの乗船経験もあって、なかなか早く片付け準備が整いました。


搬出を待つ荷物たち

毎回、沖縄下船や前回の鹿児島下船などは、昼近くまでバタバタするんですが、今回はちょっとですがゆったり下船ができました。

今回の航海では、久しぶりの熱水噴出域を観るができたことはもちろんですが、3年前の航海の時と同じ場所での潜航調査でしたが、そこには新しいチムニーができていたりと、数年をかけて少しずつ変化していく深海の姿を実感することができた調査でした。
また、沈設した鯨骨のようすや 5,000mの深海の世界をLIVEで見ることができたことも収穫でした。

このように得られたゴエモンたちは、水族館では研究用にすべてに番号を付け、大きさと性別も記録して管理します。
※JAMSTECでは、全てのサンプルにID番号が付いていて、全て管理されているんです。
そして、えのすいではJAMSTECとは別に、航海で得られたサンプルほぼすべてに飼育研究用に番号が付いています。
そうすることで、どの個体がいつどこでどのような方法で採集され、どのような研究をしたのかなどを記録することができ、研究の成果として残し、さまざまな研究会などで公表しています。
そして、その研究をもとに、さらなる研究を行うことができるようになります。
こういったことを研究者のみなさんと連携して行うことは、えのすいの深海チームの重要なミッションなのです。

さあ!水族館に戻ったら、さらに飼育日数を更新して未だ謎に満ちたゴエモンコシオリエビの生態を明らかにしたいと思います。
今日まで6日間の間、私の航海日誌にお付き合いいただきましてありがとうございます。
次は、新江ノ島水族館の深海展示でお会いしましょう!

本航海KR18-15につきまして、大変お世話になりました「かいれい」乗組員のみなさま、「かいこう」運航チームのみなさま、そしてご乗船されました研究者のみなさまに、この場をお借りしまして感謝申しあげます。


いよいよ、沖縄を離れます


JAMSTEC(海洋研究開発機構)KR18-15「かいれい」/「かいこう」 「多系統群から探る普遍的な極限環境適応機構の解明/悪玉細菌群の制御を目的をした広宿主性ウイルスの探索」を目的とした調査航海

新江ノ島水族館は、JAMSTECと深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-


2018.11.19 トリーター:杉村

2018/11/19 沖縄トラフ伊平屋北海丘深海調査航海(5)
航海日誌 5日目

沖縄本島が見えたぞ!
沖縄本島が見えたぞ!
期間:2018年11月15日~11月20日
場所:沖縄中部トラフ
目的:多系統群から探る普遍的な極限環境適応機構の解明 / 悪玉細菌群の制御を目的をした広宿主性ウイルスの探索


調査船「かいれい」は、只今沖縄本島南東部の沖合に停泊しています。
天候は、雲は多いですがおおむね快晴といったところでしょうか。
海況の方は、午前中は少々のうねりと白波がたっていて、夕方には風が出始め、「かいれい」が少々揺れています。

昨日で調査は終了、今日は回航日になりますが、実質的には最終日ですね。
乗船している研究者のみなさんは、AM 7:30の朝食の後、片付けを始めています。
私も片付けと・・・ といきたいところですが、水族館に研究用に持ちかえるゴエモン(ゴエモンコシオリエビ)たちのお世話がありますので、片付け 5割、明日の搬送の準備 5割、残った時間で少々の休憩と潜航内容の整理や航海日誌の作成、あとは陸から持ち込んだ事務仕事をしています。
回航日でも、やること結構あるじゃん?!

昨日まで、ラボの中には顕微鏡や採泥コアなど、あらゆる分析機器がところ狭しと並べられていましたが、夕方には、その多くが搬送用のコンテナや宅配便用に梱包されてしまいました。


搬送用のコンテナでいっぱいのデッキ

残っているのは、少々の荷物と私の使っている飼育水槽と用具・搬送用発泡スチロールくらいでしょうか。
私の荷物は、宅配便に託すものと自分で持ちかえるものとに分かれるので、宅配便用の荷物で飼育関係の機材以外はほぼまとめました。
ゴエモンたちは元気で生きていますので、下船ギリギリまでは搬送作業は出来ません。
飼育水槽の中のゴエモンたちや水の状態を観ながら、明日までにもう一作業必要です。

夜の換水処理用、明日の搬送用に大量の冷海水(水温3.5℃)を作っておく必要がありますから、未だ大型冷蔵庫の中には10個程のバケツとポリタンクが詰め込まれています。

明日は、AM 9:00に那覇新港に着岸予定なので、それまでに全ての荷造りが必要です。
そして、那覇新港には我々の下船を待つ次航(KR18-16)のみなさんも待っていますので、下船日は荷物と人の入れ替え作業もあって、より大変です。
特に今回のように遠方地の下船で”えのすいトラック”の来ない時は・・・ 時間との戦いもあって正直なかなか辛いです。
”えのすいトラック”と迎えに来るスタッフ“えのすいスタッフのみんな”のありがたさをいつも以上に感じています!!
ホント!ありがとう!!

明日は、朝 5時には荷造り開始の予定です。
早起きをしないと大変なことに・・・
下船に向けて最後の準備をしたいと思います。

それでは、また明日。


本航海に参加した研究者のみなさん



JAMSTEC(海洋研究開発機構)KR18-15「かいれい」/「かいこう」 「多系統群から探る普遍的な極限環境適応機構の解明/悪玉細菌群の制御を目的をした広宿主性ウイルスの探索」を目的とした調査航海

新江ノ島水族館は、JAMSTECと深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています


2018.11.18 トリーター:杉村

2018/11/18 沖縄トラフ伊平屋北海丘深海調査航海(4)
航海日誌 4日目

薄明
薄明
期間:2018年11月15日~11月20日
場所:沖縄中部トラフ
目的:多系統群から探る普遍的な極限環境適応機構の解明 / 悪玉細菌群の制御を目的をした広宿主性ウイルスの探索


「かいれい」上空は少々雲が多く、遠くの雲の間から太陽の光が差し込むような天気でした。

本日の潜航地点は、南西諸島沖の水深 5,000mの海底です。
着底までは約 3時間を要するため、これまでより 1時間前倒しでの準備です。
AM 5:30に居室のベットから出て、えのすいの作業着に着替えて”かいこう”のあるデッキに、6時前には降りていきました。
既に運航チームのみなさんは、準備を始めていました。
デッキから外を見ると、遠くの空がうっすら白く見えました。
これが、夜明け前の薄明(はくめい・はくみょう)というやつですね。
沖縄の朝は、寒くもなく暑くもなく爽やかでした。

さあ、深海 5,000mに向けて!

“かいこう“が目指す 5,000mへは簡単には行けない世界です。
何が簡単ではないか・・・
「水圧」という単語がみなさんの頭の中には、最初に想い浮かびそうですが、実際には「海水」そのものの存在が簡単ではないんです。
「水圧」は、その圧力に負けない素材や構造のものを作れば克服することは出来ます。※当然、これはこれで、簡単ではないのですが・・・ 。
それよりやっかいなのは、海の中では電波が使えないことです。
我々は、日常ごく普通に何の疑いもなく、携帯電話や車のナビシステムを使っていますよね。
海の中では、その携帯電話やナビシステムが使えない・・・
つまり、“電波”が使えないということです。
では、海の中での通信手段はというと・・・ “音波”を使います。
※最近では光などを使った新しい通信方法も開発されていますが、その多くはまだ開発段階です。
現在の日本の技術では、音波で位置情報や音声・画像までも送ることができ、しんかい6500では実際に使われています。
・・・えのすいで展示している「しんかい2000」も音波で通信していました・・・
音波での通信は深くなればなるほど、通信のタイムラグが長くなり、探査船などから送られてくる位置情報にはズレが生じやすく、位置を正確に把握することが難しくなってくるそうです。
コンピューターも、それを考える人も進歩しますが、それでもまだまだ壁はあるようなのです。

なぜ? このような話をしたかというと・・・
実は本日の潜航、最終的に目的の海底に辿り着く事が出来なかったのです。
海水の壁は、思った以上に高かったのです。
今回のような水深ではなおさらなのでしょう。
5,000mもの深さになると、海況や海流の影響を受け、さらに水深による位置情報の乱れやズレが大きかったようでした。
何も無い海底では、位置情報だけが頼りですから・・・。
実際に計器を観ているとビークルの表示位置があっちこっちにバラバラに表示されていました。

本当に「深海」は、宇宙に行くより難しい!!

5,000mの世界は、昨日の 2,000mよりさらに静寂の世界でした。
“かいこう”が航行する間、モニターに映し出される泥と泥岩で覆われた海底に目を凝らしていましたが、ユメナマコと思われるナマコの仲間が 1~2個体と、小型のクシクラゲの仲間を 2~3個体、魚類?と思われる生物をぽつりと見たくらいでした。
マリンスノーは非常に少なかったです。
昔の人たちが、「深海に生物が存在しない」と言った理由が、何となく分かるような気がしました。
一昨日の熱水噴出域の生物の豊富さが嘘のようにさえ感じました。


5,000mの海底

研究者のみなさんは、水深 5,000mの泥や海水を採取して泥の中の小さな生物や微生物を調べられていました。
どんな生き物がいるのか、これも楽しみです。

今日は、深海調査の厳しさと難しさを改めて感じた1日でした。
これから夜にかけて、我々のいる海域は海況が悪化するということで、船は移動を始めました。
夜から朝にかけて沖縄本土の近くに到着の予定です。

それでは、また明日。


Aフレームの合間から夕日が・・・


5,000mからお帰り・・・ ブ○メン!


JAMSTEC(海洋研究開発機構)KR18-15「かいれい」/「かいこう」 「多系統群から探る普遍的な極限環境適応機構の解明/悪玉細菌群の制御を目的をした広宿主性ウイルスの探索」を目的とした調査航海

新江ノ島水族館は、JAMSTECと深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-


2018.11.17 トリーター:杉村

2018/11/17 沖縄トラフ伊平屋北海丘深海調査航海(3)
航海日誌 3日目

調査船「かいれい」からの朝日
調査船「かいれい」からの朝日
期間:2018年11月15日~11月20日
場所:沖縄中部トラフ
目的:多系統群から探る普遍的な極限環境適応機構の解明 / 悪玉細菌群の制御を目的をした広宿主性ウイルスの探索


天候は、快晴とはいきませんでしたが、少々曇り空がちで所々に晴れ間が、といったところでしょうか。
“かいれい”は、今日も心地よく揺れています。
中には少々気分を悪くされた研究者の方がいたようでしたが・・・ 。


無人探査機「かいこうMk‐lV」: 着水

今日と明日は、私たちとは別の研究グループのみなさんの潜航調査です。
ターゲットは、水深 2,000m付近の海底。
その海底には、十年ほど前に研究のために沈設した鯨骨があります。
最初のミッションは、その鯨骨を探すところから。
沈設後、何度か訪れているとのことですが、そのたびに見つけられるかドキドキだそうです。
水深 2,000mに到着すると、照明に当たって、濃紺から緑色に変化する海中と黄土色に染まった海底が広がる世界が“かいこう”から送られてきます。
海中には、クラゲの仲間やクサウオの仲間と思われる深海魚がぽつりぽつりと姿をみせてくれます。
昨日の熱水噴出域とはうって変わった静寂の世界です。
しばらくすると、画面の奥の方に白く光る物が見えてきました。
それは・・・ 鯨骨に取り付けたマーカーです。
みんな安堵の表情でメインモニターを見つめていました。
私もその中の一人でした・・・

海底には、しっかりと鯨骨が沈んでいました。
沈設してから何年もかけて、いろいろな生物に分解されてきたのでしょう、設置するときに固定していたであろうロープがユルユルになっていました。
少し小さくなった骨の上には、真っ白な体のシンカイコシオリエビの仲間が何匹か付いていました。
時折びっくりしたコシオリエビが、腹部をイセエビのように小刻みに動かして、ピッピッピッピッと鯨骨から離れて泳いでいきます。
よくもまあ、広大な深海の海底でここにたどり着けるものだと思います。
彼らはいったいどうやって、深海の広大な海底にあるこの鯨骨を見つけたのでしょうか?
ここに来る途中には何も身を隠すものが無かっただけに、この光景を実際に目の当たりにするとますます謎が深まります。

鯨骨をハイヴィジョンカメラでよく観察すると、表面には他にも小さな生き物たちが付着しているようでした。
広大な深海の海底には、鯨骨をはじめとして沈木などが沈んでいます。
そういった沈没物にどのような生物が付き、どのように利用しているのか、またどのように変化していくのか、こういったことをさまざまな研究者のみなさんが調査をしているのです。

鯨骨の調査の後、大型の生物などを探索しに再び静かな海底を航行し始めました。
濃い赤紫色をしたユメナマコの仲間が海底にじっとして・・・ と思った瞬間、ぶわっと海底からジャンプして泳ぎ出しました。
なんともゆっくりな動きですが、水深 2,000mの高水圧下では必然的にこういう動きになってしまうんでしょうけど、やっぱり優雅でした。
その後も浮遊していたり、海底にじっとしているナマコの仲間に何度か出会うことが出来ました。
ここで、生物探索のユメ(夢)の時間は終わり、“かいこう”は離底しました。


無人探査機「かいこうMk‐lV」: 揚収

今夜は、研究者のみなさんが、揺れる船の上で顕微鏡とにらめっこをしながら回収した沈設物や泥などのサンプルの中から生物たちを探しています。
夜遅くまで生物探しは続きそうです。
明日、みなさんからの成果を聞くのが楽しみです。


研究の合間に・・・

船は、既に次の調査地点に到着しています。
そして、明日は、最後の潜航日です。
海が荒れないことを祈りたいです。
ではまた。


JAMSTEC(海洋研究開発機構)KR18-15「かいれい」/「かいこう」 「多系統群から探る普遍的な極限環境適応機構の解明/悪玉細菌群の制御を目的をした広宿主性ウイルスの探索」を目的とした調査航海

新江ノ島水族館は、JAMSTECと深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-


2018.11.16 トリーター:杉村

2018/11/16 沖縄トラフ伊平屋北海丘深海調査航海(2)
航海日誌 2日目

「かいこうMk‐lV」: まるで、○ンダ○のカタパルトデッキのよう?!
「かいこうMk‐lV」: まるで、○ンダ○のカタパルトデッキのよう?!
期間:2018年11月15日~11月20日
場所:沖縄中部トラフ
目的:多系統群から探る普遍的な極限環境適応機構の解明 / 悪玉細菌群の制御を目的をした広宿主性ウイルスの探索


調査航海2日目です。
いよいよ、本格的な深海調査が始まります。
本日は、私の所属しているグループの潜航日です。

潜航調査場所は、沖縄トラフ伊平屋北海丘です。
ここは、3年前の航海でも潜航した場所で、水深が約 1,000mの地点です。
朝、少々風が強く船は揺れていましたが AM 9:00には、予定通り無人探査機「かいこう」は沖縄の海の中に消えていきました。

水深 1,000mの海底に着くまでの約 1時間の間には、クシクラゲやクダクラゲの仲間をいくつか見かけることが出来ました。
水深が 700mを超えた辺りからハダカイワシの仲間でしょうか、ぽつり、ぽつりと出会うことも出来ました。

しばらくすると司令室のメインモニターにうっすらと山のようなシルエットと斜面を覆った白い大きな塊が見えてきました。
この海域には巨大なチムニーが 3つ程あり、その一つに到着したようです。
運航長が「ビークル、着底! 水深996」とコールします。

チムニーの斜面を覆っている白い大きな塊は、ゴエモンコシオリエビの大群落です。
群れの中や周辺部には、貝殻が黄色く縁取られたシンカイヒバリガイの仲間やオハラエビの仲間が見え隠れしています。
よく見るとユノハナガニも数個体観ることが出来ました。
熱水噴出孔近くには、別の種類のオハラエビの仲間も群れで集まっています。
この海域のオハラエビは、数種類確認されていて、同じチムニーで生活していながら、その生活場所はちゃんと分かれているところが面白いですね。

巨大なチムニーの先端には、200℃を超える熱水が噴き出して、白く沸騰しています。
このチムニーの中腹を観察していると、所々に軒のように張り出した部分があります。
“フランジ”と呼ばれるもので噴き出した熱水が他のチムニーに当たり、熱水に含まれている海水によって冷やされた金属などが固まって、徐々に外側に張り出して出来ていきます。
フランジの下の部分には熱水が溜まり、ROVのライトに当たって鏡のようにキラキラと輝いて、とても綺麗です。
チムニーのふもと付近には、タラバガニ科の仲間もみられ、何かを物色しているようでした。

沖縄の熱水水噴出域は小笠原の熱水噴出域に比べると、とてもアクティブで生き物も豊富です。
これには、いつみても感動しますね。
深海トリーターの醍醐味といったところでしょうか。
ここ沖縄には、シロウリガイも居るはずなのですが残念ながら今回は発見できず・・・ ですが、チューブワームのなかなか大きな群生地を見ることが出来ました。

久しぶりの沖縄は、やっぱり良いですね!
また、水族館でゴエモンの飼育をすることが出来ます。
今度は、より多くのゴエモンたちが1日でも長く飼育出来るように、そして研究に役立てるように、えのすいの深海チームみんなで頑張りたいです。
水族館へ帰るまでは、まだ 1週間ほどありますが、まずは船の上で頑張ります!

それでは、また明日。


朝の沖縄トラフ: 海しかない・・・


司令室のようす: 結構広いけど寒い・・・


JAMSTEC(海洋研究開発機構)KR18-15「かいれい」/「かいこう」 「多系統群から探る普遍的な極限環境適応機構の解明/悪玉細菌群の制御を目的をした広宿主性ウイルスの探索」を目的とした調査航海

新江ノ島水族館は、JAMSTECと深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-


2018.11.15 トリーター:杉村

2018/11/15 沖縄トラフ伊平屋北海丘深海調査航海(1)
航海日誌 1日目


期間:2018年11月15日~11月20日
場所:沖縄中部トラフ
目的:多系統群から探る普遍的な極限環境適応機構の解明 / 悪玉細菌群の制御を目的をした広宿主性ウイルスの探索


みなさん!こんにちは!!
航海日誌への登場は、今年4月の伊豆・小笠原航海の新青丸以来ですね。

今回は、本日15日より沖縄トラフの熱水噴出域及び南西諸島の深海生物調査の航海に参加しています。
沖縄トラフへの深海調査は、2015年の航海から数えて3年ぶりです。
えのすいでは、沖縄トラフに棲息しているゴエモンコシオリエビ Shinkaia crosnieri の長期飼育の研究を行っていて、その3年前の航海で採集されたゴエモンコシオリエビが 1個体だけですが、まだ生きています。
実に1,000日を越える飼育日数を数えています。
これはおそらく世界の記録を更新中?!かと。

今回の航海にご一緒させてもらっている研究者のみなさんと、ゴエモンの胸毛に付着するバクテリアの研究や飼育方法の研究開発を行い、この長期飼育に生かされています。
今回の調査で採集されたゴエモンコシオリエビを飼育して、さらに詳細な情報を収集したいと思っています。

それでは、明日からの調査に向けて・・・ と、いつもなら終わってしまうところですが、今日は出航が午後だったこともあって、乗船前に沖縄国際通りの市場に足を運んでみたので、ちょっとだけお知らせしたいと思います。

沖縄に来られるみなさんには、結構おなじみの市場かもしれません。
乾物から果物、加工品からお肉まで何でもそろっています。
私は、仕事柄どうしても「魚」売り場に足が・・・
沖縄と言えば”グルクン(タカサゴ)”ですね。
その他にブダイの仲間、ヒメジ、ハマダイなどのカラフルな魚が並んでいました。


ちょっと驚きは“アバサー(ハリセンボン)”が、肝と一緒に皮を剥かれて売られていました・・・ 調理しやすいようにでしょうね。
ここでは、買った食材を上の食堂で直ぐに食べられるようになっていますからね。


他に変わり種といったら、シャコ貝の仲間(刺身でおいしいらしい)やアサヒガニ、ヤシガ二が、並んでいました。
水族館で普通で飼育している生き物たちが沖縄では、食されているんですね。


やっぱり、地方の魚市場はおもしろい!!
※私は、地方に出かけたときは魚市場や魚屋さんに足を運んでみるようにしています。その土地の特徴が出ていてとっても面白くて勉強になりますからね。

さて、そんなこんなで沖縄の調査航海の始まりです。
どんな深海の世界が見られるのか楽しみです。
そして、明日からの航海が無事に成功しますように願って、今日のところはこれで・・・ 。
また、明日。


JAMSTEC(海洋研究開発機構)KR18-15「かいれい」/「かいこう」 「多系統群から探る普遍的な極限環境適応機構の解明/悪玉細菌群の制御を目的をした広宿主性ウイルスの探索」を目的とした調査航海

新江ノ島水族館は、JAMSTECと深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-


2018.07.07 トリーター:樋口

2018/07/07 江の島周辺海域・藻場モニタリング

期間:2018年7月7日(土)
場所:江の島周辺海域
目的:U字ボルトの増設、藻場モニタリング、海底清掃


みなさん こんにちは!
7月7日に江ノ島・フィッシャーマンズ・プロジェクト(以下EFP)の藻場モニタリングとU字ボルトの増設に行ってまいりました。

江ノ島・フィッシャーマンズ・プロジェクトとは・・・
2009年に江ノ島の釣り船「でいとう丸」の船釣り教室から始まった活動で、現在では、地元のダイビングショップやカヌークラブ、三陸のボランティアダイバー、大学などが協力し、食育としての「養殖ワカメ体験」や環境保全としての「藻場の保全活動」「クリーンフェスティバル」などに活発に取り組んでいます。

えのすいで潜水班が発足して潜水海中調査を実施するにあたり、事前に漁協にご挨拶に伺ったところ、EFPを紹介していただき、えのすいもこの活動に参加させていただくことになりました。

前回の潜水調査日誌でも書きましたが、私は海ではほとんど潜ったことがなく、潜水スキルについては初心者です。
相模湾大水槽には入社してから毎日のように潜っていますが・・・。
「海での作業どんな感じなんだろう~」と少し不安でした。

当日、前日まで海が荒れ、波もありましたが晴天に恵まれました(雨女の汚名返上ですね!)。
まず、EFPのみなさまにご挨拶してから作業のミーティングをおこない、いよいよ船へ・・ !

自分の潜水機材とともに船に乗り込みます・・ が、
あれ?
お、思ったより波があります・・ !

波とうねりでジェットコースターの下るときのフワッと感(伝わりますか・・ !)が何度も押し寄せ、ジェットコースターが大の苦手の私は生きた心地がしませんでした・・ 。
作業の海域に着いて、船が止まると先程よりもさらにうねりを感じます。
なんだか気持ち悪くもなってきました。

周りはベテランダイバーばかり!
みなさんテキパキと潜水準備をする中、気持ち悪くて準備に手間取ってしまいました。
でもみなさんに手助けしていただき、いざ海へ!
海に入ってしまえばもう気持ち悪くありません。

私はベテランの三陸ボランティアダイバーズ(以下三ボラ)の方々のチームに入れていただきました。
別チームは海底清掃もおこない、海底のゴミを引き揚げています。

まずは藻場のモニタリングに使用しているU字ボルトの増設です。
元からあるU字ボルトポイントの間に増設していきます。
メジャーを目安に水中ボンドで、U字ボルトをくっつけていきます。
大体の位置や水深をメモしていきます。
・・ とサラッと書きましたが、実際は三ボラの方々を見失わないようにするので精一杯!
この日は濁りがあり、数 m離れただけで見失ってしまいます。
ほとんど金魚のフン状態です・・ !
こ、これはいかん!


頼もしい三ボラダイバーの後ろ姿


メジャーで測ったポイントのU字ボルトに目印をつける

作業を終えて、少し休憩してから2本目の作業となりましたが、休憩の間は船を波の比較的穏やかなところに移動してくださったので気持ち悪さも和らぎました。休憩が終わって元の作業海域に戻ると再びうねりで船が揺れます。このとき、作業の詳細を説明して下さったのですが手元を見るとリバースしてしまいそうだったので、遠くの木々を見ながら耳だけ傾けていました・・・。

2本目は藻場のモニタリングです。
海中のポイントで 1m×1mの四角い枠を指定の位置に置き、その枠の中の被度(植物がどれだけの割合を覆っているかを%で表します)を測定します。
初めての作業なのでちゃんと理解できているか不安ですが、分かりやすく図式化するとこんな感じです(図1)。

図1

この図だと被度は大型藻類30%、小型藻類30%、その他40%といったところでしょうか・・・ !

これでいいのだろうかという不安感に苛まれながらも、どんどん被度を測定していきます。
できれば海藻の種類も同定していきます。
ちゃんと海藻の本を読んでおくんだった・・・ 。

役に立ったのか立っていないのかよく分からないまま、な、なんとか作業を終えました。
帰りの船でもグロッキーな私でしたが、みなさん話しかけてくださったり、タカラガイをくださったりと色々気にかけてくださいました。

帰ってくると海底清掃チームが大量のゴミと大きな樹脂板を引き揚げていました!
こんな大きな物を海中から・・・ !


大量のゴルフボール!





大きな樹脂板

海中から引き揚げたゴミを仕分けたあとはお昼ご飯です!
こんなに素敵なお昼ご飯を作ってくださっていました!


動いたあとのごはんは最高でした!

ごはんの後はミーティングです。
海底清掃チームと藻場モニタリングチームで作業の結果を報告し合いました。
そしてそれを踏まえて今後の活動を決めていきます。
今回は初心者すぎてみなさんにご迷惑をかけてしまいましたが、親切にしていただき、なんとか作業をおこなうことが出来?ました。

次回は9月の活動に参加予定です!
この日誌を読んで気になったな~ という方、ぜひ EFPのホームページ覗いてみてくださいね。


江ノ島・フィッシャーマンズ・プロジェクト


2018.06.19 トリーター:冨永

2018/06/19 逗子沖海中映像撮影・生物調査

期間:2018年6月19日(火)
場所:神奈川県 逗子沖 オオタカ根
目的:相模湾海中映像撮影・生物調査


みなさんこんにちは。
今年から潜水班が発足し、相模湾の各地に潜って潜水撮影を行なっています。
詳しくは、樋口トリーターが江之浦の映像撮影の詳細とともに書いてくれていますね。
今回は私と鈴木トリーターで逗子沖に潜り、海中映像の撮影を行ないましたので、そのようすをご報告します。

今回の潜水ポイントは、逗子沖にあるオオタカ根という海中に切り立った巨大な岩礁で、頂上付近は水深約 16m、根元付近は水深 30m近くもあります。
このポイントは、実は当館の逗子沖水槽を作る際のモデルとなった場所です。
先輩トリーターがこの場所に潜り、その環境を再現したのが現在の逗子沖水槽です。
以前からこの場所のことは聞いていたので、ぜひ一度自分の目で見てみたかった場所です。

朝の6時半、水族館を出発してお世話になるダイビングショップへ。
車の中から海を見ると、おやおや少し風があるような。
実は、最近、私が海に出ようとする日に限って悪天候に見舞われています。
今回の逗子沖に潜る前にも江の島に潜水しようと企画し、見ごと4回中止に。
この日の逗子沖潜水も、実は2回目のトライです。
ショップへ到着し、再び海を見ると、なかなかの風が。
祈るような気持ちでショップの方に聞いてみると「少しうねりはありますが、大丈夫でしょう」との嬉しい答えが!
準備をしていざ出航です。

波とうねりは少しあるものの天候は快晴、海の下にはどんな景色が広がっているのかわくわく半分と、慣れないダイビング機材に不安半分で海の中へ。
波立つ水面を抜けると、オオタカ根が足元に見えてきます。
お、大きくてすごい。
機材の不安はどこへやら、夢中になって近づいていくと表面にはヤギの仲間やウミシダなどが無数についています。
なんと見事なことでしょう。


周りにはネンブツダイやアジ、ムツの群れも多く、この根の周りが潮通しが良く、豊かな海であることがわかります。
早速近づいて調査開始です。
近くで見るとヤギの仲間はどれもしっかり活着し、流れに美しくたなびいています。


しばらくそんな景色に目をとられながら泳いでいましたが、岩の表面や隙間をよく見るといろいろな生物がいることに気づきます。
たとえば、イイジマフクロウニ。触ると危険なこのウニですが、その形の整った綺麗さから思わず近づいて写真をパシャリ。
その他にもイセエビやマダコが上手に隠れていました。


ゆっくり進んでいくと、向こう側が暗く、先が見えない場所に出ました。
そうです、ドロップオフしているオオタカ根の岩壁の縁です。
先が見えないというのはちょっと恐い感じがしますが、この先に見たかった景色があるはずです。
案内してくださっているショップの方に続いて進んでいくと、、、

見えてきました!イボヤギの壁です。


息を呑む美しさです。
こんなに多くのイボヤギを見るのは初めてで、どこを見ていいのやら。
とにかく必死で写真を撮りました。
イボヤギは岩の上に付いているものと思っていたのですが、こんな風に斜面や壁に付いている風景は新鮮で、自然界ではこういう場所を好んでいることがわかります。
きっとこの場所を潜水した先輩トリーターも、この景色に魅せられて逗子沖水槽を作りたいと思ったのかもしれません。
映像を撮影している鈴木トリーターも、大接近で撮影してくれていました。
流れに流されずにしっかりとカメラを固定している姿は、さすがショーダイバー!



トータルで2本の潜水を終え、ショップの方に感謝をお伝えして、夕方、無事に水族館へ帰ってきました。
慣れない海での潜水に悪戦苦闘ではありましたが、実際に海に出てみないと分からないこと、見られない景色、生物の本当の美しさに改めて出会えたことが今回の収穫だったと思います。
この景色を水槽で少しでも再現できるように努めていきたいと思います。

最後に、私の今回のベストショットがこちら!


撮影した映像も、編集してみなさんにご覧いただける日が来るかと思いますので、こうご期待です!


2019/05/06 相模川カニ類調査(4)

2019/03/05 駿河湾底曳網採集

2018/11/20 沖縄トラフ伊平屋北海丘深海調査航海(6)

2018/11/19 沖縄トラフ伊平屋北海丘深海調査航海(5)

2018/11/18 沖縄トラフ伊平屋北海丘深海調査航海(4)

2018/11/17 沖縄トラフ伊平屋北海丘深海調査航海(3)

2018/11/16 沖縄トラフ伊平屋北海丘深海調査航海(2)

2018/11/15 沖縄トラフ伊平屋北海丘深海調査航海(1)

2018/07/07 江の島周辺海域・藻場モニタリング

2018/06/19 逗子沖海中映像撮影・生物調査

2018/06/01 江之浦海中映像撮影・生物調査

2018/04/06 伊豆諸島海域調査航海(4)

2018/04/05 伊豆諸島海域調査航海(3)

2018/04/04 伊豆諸島海域調査航海(2)

2018/04/03 伊豆諸島海域調査航海(1)

2018/02/28 東京湾干潟調査

2017/08/19 相模川カニ類調査(3)

2017/08/19 相模川カニ類調査(2)

2017/07/28 「ハガキにかこう海洋の夢コンテスト」入賞者体験乗船

2017/07/12 相模川カニ類調査(1)

2017/03/04 江の島海藻調査(4)

2017/02/28 江の島海藻調査(3)

2017/02/14 江の島海藻調査(2)

2017/02/14 初島沖 キンメダイ乗船採集

2017/02/13 江の島海藻調査(1)

2016/11/25 西部北太平洋調査航海(16)

2016/11/24 西部北太平洋調査航海(15)

2016/11/23 西部北太平洋調査航海(14)

2016/11/22 西部北太平洋調査航海(13)

2016/11/21 西部北太平洋調査航海(12)