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ホーム > 航海・採集日誌

航海・採集日誌

2020.02.01 トリーター:鷲見

2020/02/01 相模湾鯨類調査

期間:2020年2月1日(土)
場所:相模湾
目的:相模湾・東京湾に生息する鯨類種特定に関する研究


みなさんこんにちは!
2月も相模湾鯨類調査を行いました。
今回のメンバーは東京海洋大学の中村先生、すぐ船酔いをする鷲見、そしてしっかりしすぎて20代に見えない花上トリーターです。

相模湾鯨類調査とは?と疑問に思った方は、バックナンバーをご覧ください。簡単にいうと、相模湾にどんな鯨類がいるかを色んな方法で調べています。

そして、今回が実は 6回目の「相模湾鯨類目視調査」ですが、これまで鯨類を確認することはできていません。
7~8時間かけて船上から鯨類がいないか調査をします。
今回はどうなるか、不安と期待が入り混じりながら東京海洋大学の「青鷹丸」に乗船し、三崎港から伊東港を目指し出航しました。
また、今回も毎正時間(各時間の 0分)には水温、天候、風向、風力量、海面の状態、GPSを用いた位置情報の記録をしました。
目視調査は 3人で行います。
2人が船首に立ち、左舷と右舷でそれぞれ目視で鯨類を探します。
残る 1人が記録係です。


出航時の富士山

出航直後は北風が 15mというあまり目視調査にはよくない海洋条件であり、不安が高まります。
三崎港寄りは北北西の風が強く、しばしば白波も発生しており鯨類を目視で確認するのに容易ではありませんでした。
しかし、伊東半島に近づくにつれ、風もおさまり、白波もほぼ発生しておらず、もしここに鯨類がいたら、とても確認しやすい環境だな、と考えていました。


調査中の鷲見(左)と花上トリーター(右)

すると、なんと初島周辺でカマイルカの群れが船の四方八方で確認され、100頭は越える数を確認することができました。


カマイルカの背鰭


カマイルカ

急いで環境 DNA調査用の採水を東京海洋大学の中村先生が実施してくださり、こちらでバックナンバーにもあるように、株式会社ファスマックと協力して、鯨類の DNAが海水に含まれていないか分析をします。

これまで 9月から 7~8時間かける航海を計6回にわたり実施しておりましたが、ついに鯨類を確認することができました。
今回確認できたカマイルカが相模湾に定住しているかは今回の調査だけではわかりませんが、通年地道に調査することで、定住なのか、回遊なのか、回遊であればどの季節に相模湾を通るのか解明できる日がくると思います。
これからも地道に調査を進めていきたいと思います。

また、洋上に鯨類の他に、数種の海鳥と、ミズクラゲ、そしてやはりプラスチックのゴミが散見されました。
さまざまな生物が暮らす海のゴミ問題にも引き続き取り組んでいこうと思います。


コアホウドリ

バックナンバー
2020/01/16 相模湾鯨類調査


2020.01.21 トリーター:八巻

2020/01/21 鹿児島湾及び周辺海域調査航海(7)
航海日誌7日目

期間:2020年1月15日(水)~1月22日(水)
場所:鹿児島湾及び周辺海域
目的:コノハエビはポンペイワームを超える? ~鹿児島熱水噴出域産コノハエビ類の高温耐性に関する研究


調査日4日目、タギリコノハエビ
航海7日目です。つい昨日乗船したような気がしますが、本航海も今日と明日を残すのみとなってしまいました。明日の朝には下船することになりますので、実際は今日が最終日といっても過言ではありません。
航海のたびに思いますが、乗船中は本当にあっという間で、時間が経つのがとても早いです。
今日の調査海域は昨日に引き続きハオリムシサイト。
本航海の一番の目的であるタギリコノハエビを研究に必要な数採取するため、昨日しかけたベイトトラップを回収することが潜航の主目的です。

タギリコノハエビは、コノハエビのなかまに属する小型甲殻類で、若尊火口で採取されたサンプルをもとに昨年新種として記載されたばかりの生物です。


タギリコノハエビ

コノハエビのなかまは浅海から深海まで広く分布している一方で、多くの種は大きさ 5mmから 1cmほどと、とても小さく、一般への認知度も決して高くありません。
タギリコノハエビも大きくて 1cmほどですが、先日の日誌でもご紹介したとおり、若尊火口の熱水噴出域にあるチムニーの隙間からも発見されている、変わった生態を有する種です。
若尊火口だけでなく、ハオリムシサイトにも同種が生息していることが知られているので、今回はそれをねらっています。

今日の潜航ではベイトトラップの回収はもちろん、昨日同様スラープガンでの採取も行いました。
最終潜航ということもあり、タギリコノハエビが予定通り採取できるか少し不安もありましたが・・・
いざサンプルを受け取ると、すぐにタギリコノハエビと思われる姿を確認できました!
とても小さな生物なので、見つけるのが大変と思われるかもしれませんが、この生物は一度水面に触れるとそのまま水面にトラップされてしまう傾向があり、水面をくるくる回って泳いでいるのでとても見つけやすいのです。


赤丸:水面をくるくる回って泳いでいるタギリコノハエビ

このような水面に浮いてしまう小さな生物は、ピンセットでつまんだりスポイトで吸い取ったりするのが案外難しいのです。そこで意外と役に立つのが、上の写真にも写っている灰汁とりに使う金網です。
調査や飼育ではこのように日用品が役に立つ場面がありますので、日々の買い物でもつい使えるものがないか目を光らせてしまいがちです!

さて、本航海もあとは今日のサンプルのソーティングと明日の下船の準備のみとなりましたので、航海日誌も今回で最後とします。
名残惜しくも満足感の入り混じる不思議な気持ちです。

予定していた生物を全て採取することができたのも、ひとえに、新青丸の船長はじめ乗組員の方々と、ハイパードルフィンの運航チームの方々が調査の成功のため全力を尽くしてくださったおかげです。
また、ご一緒した研究者の方々からは多くのことを学ばせていただきました。
この場を借りて、感謝申しあげます。本当にありがとうございました。



なお、今回採取した生物は順次公開していく予定です。
タギリコノハエビはとても小さいのでどのように公開していくか難しいところですが、どうにかみなさんに見てもらうことができるようにしていきたいと思っています。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。


JAMSTEC(海洋研究開発機構)KS-20-2 新青丸/ハイパードルフィン 「コノハエビはポンペイワームを超える? ~鹿児島熱水噴出域産コノハエビ類の高温耐性に関する研究」を目的とした調査航海

新江ノ島水族館は、JAMSTECと深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています


2020.01.20 トリーター:八巻

2020/01/20 鹿児島湾及び周辺海域調査航海(6)
航海日誌6日目

期間:2020年1月15日(水)~1月22日(水)
場所:鹿児島湾及び周辺海域
目的:コノハエビはポンペイワームを超える? ~鹿児島熱水噴出域産コノハエビ類の高温耐性に関する研究


調査日3日目、ハオリムシサイト
航海 6日目、天気は晴れ。調査日も残すところあと 2日となりました。
今日の調査海域は、昨日一昨日調査した水深 200m域の東、若尊海丘の頂上付近に位置する「ハオリムシサイト」です。
この海域は水深約 80~100mで、名前の通りサツマハオリムシが群生しています。
実はここは、複数回にわたり、鹿児島大学水産学部附属練習船「南星丸」に乗船させていただいて調査を行っている、とてもなじみのある海域です。
とはいえ、「新青丸」で来るのは初めてですし、ハイパードルフィンでハオリムシを見るのも本当に久しぶりで、新鮮な気分です。

今日も 8時過ぎに潜航開始です。
この海域の水深は 100m前後と比較的浅いので、すぐに海底へ到着します。
そして着底点の周りを少し探索すると、早速サツマハオリムシのコロニーが見えてきました。


かなり大きなコロニーで、無数のハオリムシが生い茂っています。

ハオリムシのなかまはチューブワームとも呼ばれます。
管状の棲管の中に本体ともいえる虫体が入っていて、先端から赤いエラだけを出しています。


化学合成生態系を構成する生物の代表格で、多くの生物にとっては毒となる硫化水素を使って栄養を作り出す細菌を体内に共生させています。
そして、口や消化管がなく、その細菌由来の栄養に完全に依存して生きるという、特異な生態を有します。
この海域のサツマハオリムシは、火山活動によって直接的、あるいは間接的に底泥中に生じる硫化水素を使っています。

硫化水素が生じるといっても、底泥の中が主ですので、水中ではほとんど検出できません。ですから、コロニーの周りには普通の魚類も数多く見られました。
特に多かったのがウッカリカサゴで、何匹もハオリムシのコロニーのすきまを出たり入ったりしていました。


しばらく観察をつづけると、クロアナゴと思われるアナゴ類も顔をのぞかせており、なんともかわいい姿でした。


調査が始まって 2日間、全く生物の姿を見なかったので、私はじめ、生物を専門とする乗船者が多く、「やっと生き物がいた!」とみんなで喜びました。

そして、タギリコノハエビをねらってハオリムシの棲管のすきまや泥の表面などをスラープガンで吸ったり、泥の採取をしたり、ハオリムシをマニュピーターで採取したりした後、離底となりました。
受け取った泥などのサンプルは、泥や石の中から目的となる生物を分ける作業、ソーティングを行います。


結果、タギリカクレエビは採取できましたが、昨日に引き続きタギリコノハエビはほとんど入手できず、午後の潜航でベイトトラップと呼ばれる餌付きの仕掛けを置いてくることにしました。


タギリカクレエビ

調査日も残すところあと1日、ベイトトラップの成果に期待です!


JAMSTEC(海洋研究開発機構)KS-20-2 新青丸/ハイパードルフィン 「コノハエビはポンペイワームを超える? ~鹿児島熱水噴出域産コノハエビ類の高温耐性に関する研究」を目的とした調査航海

新江ノ島水族館は、JAMSTECと深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています


2020.01.19 トリーター:八巻

2020/01/19 鹿児島湾及び周辺海域調査航海(5)
航海日誌5日目

期間:2020年1月15日(水)~1月22日(水)
場所:鹿児島湾及び周辺海域
目的:コノハエビはポンペイワームを超える? ~鹿児島熱水噴出域産コノハエビ類の高温耐性に関する研究


調査日2日目、チムニーそびえる熱水噴出域
航海5日目、調査日も2日目となりました。今日も天気は晴れ、気持ちの良い朝です!
今日は昨日調査した地点から少し離れたところを、主な調査海域にしています。
同じ鹿児島湾 湾奥の水深 200m海域ですが、昨日の海域は広範囲から熱水がじわじわ湧き出ていた熱水湧出域であったのに対して、今日の海域は熱水噴出域と呼ばれ、熱水が噴き出す噴出孔があり、いわゆるチムニーが形成されています。
チムニーを形成する岩の隙間は、今回の調査の主目的としているタギリコノハエビの生息域にもなっており、これまでに何度も採取された実績があります。
潜航後しばらく海底を探すと、見えてきました!
4~5mはあろうかという見事なチムニーです。


私は同じ海域に来たことがありましたが、実際にチムニーを見たのは初めてです。
チムニーは熱水に含まれる金属などの成分が、海水中に噴出した際に急激な水温低下や水質の変化で固まってできたもので、少しずつ成長していきます。
ここまで大きくなるのにどれくらいかかかったのかなと考えてしまいます。
しかし一方で、昨日に引き続き生物の姿は全く見えません。
ハイパードルフィンの CTD(複数の水質項目をリアルタイムで計測できる観測機器)が示す DO(溶存酸素濃度)の値は 0.0ml/lで、かなり低い状態です。


ここまで低いと目に見える大きさの生物は呼吸ができず、すむことのできない環境になっているのかもしれません。
鹿児島湾の湾奥はとても閉鎖的で、北側から見ると湾の向こうに桜島が見え、桜島の東側の細い海峡でのみ湾央とつながっています(図1)。


図 1

湾奥部の海底には姶良カルデラという水深140 mほどのカルデラがあって、その中にさらに深い若尊(わかみこ)火口と呼ばれる水深200 mのくぼみがあり、そのくぼみの中に若尊海丘がある、というつくりです(図1)。

昨日と今日の調査海域は若尊火口にあります。
周りよりもくぼんでいるので、海水の鉛直混合が鈍くなる冬季は、水がよどんでまわりの海底よりもさらに DOが下がるようです。
今回採取してきたチムニー片をくまなく調べてみても、結局目的のタギリコノハエビを見つけることはできませんでした。
以前生物を確認したのは夏季だったこともあり、もしかしたら冬季は DOが極端に下がって、生物がいなくなるという季節変動をする海域なのかもしれません。
いつもそこに行けばいるというものではない、生物調査の難しさを改めて感じました。

貴重な機会ですので、採取してきたチムニー片を顕微鏡で観察してみました。
さまざまな鉱石を見ることができましたが、中でも輝安鉱(きあんこう)はとても美しく、感動しました!
この海域の熱水はいわゆるレアメタルの「アンチモン」を含んでおり、輝安鉱のかたちで結晶化するそうです。
初めてこの鉱石を見ましたが、繊維状にみえる結晶で、金属光沢が本当にきれいでした。



明日は若尊海丘の頂上(図1)にあるハオリムシサイトに潜航予定です!


JAMSTEC(海洋研究開発機構)KS-20-2 新青丸/ハイパードルフィン 「コノハエビはポンペイワームを超える? ~鹿児島熱水噴出域産コノハエビ類の高温耐性に関する研究」を目的とした調査航海

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2020.01.18 トリーター:八巻

2020/01/18 鹿児島湾及び周辺海域調査航海(4)
航海日誌4日目

期間:2020年1月15日(水)~1月22日(水)
場所:鹿児島湾及び周辺海域
目的:コノハエビはポンペイワームを超える? ~鹿児島熱水噴出域産コノハエビ類の高温耐性に関する研究


調査日1日目、石油が眠る熱水湧出域
航海4日目、調査日の1日目がやってきました!
8日間の航海日程のうち、早くも半分が過ぎようとしています。
今日の天気は幸いの晴れ。関東の方は雪も降ったようですが、こちらはそれほど寒くもなく、絶好の調査日和で、朝焼けの桜島もきれいでした。


朝 8時、最初の潜航が始まります!
ハイパードルフィンが潜航する姿を間近に見るのはとても久しぶりで、懐かしいです。
潜航に携わる「新青丸」乗組員の方々やハイパードルフィン運航チームの方々のチームワークは素晴らしく、いつも調査成功のためベストを尽くしてくださいます。


ハイパードルフィンの潜航中はドライラボでようすを見守ります。
大小のモニターが並び、ハイパードルフィンの搭載カメラの映像や、測定機器の情報をリアルタイムで見ることができるのです。



今日は鹿児島湾の海底にある熱水湧出域に潜航し、サンプリングや機器の設置を行いました。
この海域は冬季にかけて溶存酸素濃度(海水に溶け込んでいる酸素の量)がとても低くなることで知られていますので、一般的に生物にとってはとても過酷な環境です。
実際、今日潜航した海域でもほとんど生物の姿を見ることができませんでした。
唯一見つけたのがこちら、探索を進めていく過程で見えた銀色に光る細長いもの。


近づくと、なんとタチウオでした。


しかし、すでに死んでしまっているようで、もしかしたら間違ってこの海域に迷い込んで、息ができなくなってしまったのかもしれません。


その後、ガスの噴気を伴う熱水湧出域で、岩石や底泥、水を採取し、離底しました。
ハイパードルフィンが船上に上がり、サンプルを受け取ると、嗅いだことのない不思議なにおいがしました。
同乗している研究者の方によると、「石油のにおい」だそうです。
実際、サンプルの入った水の水面には油が浮いていました。


実はこの海域の海底下には石油が眠っていて、その埋蔵量は日本全体で消費される石油量の3日分にも相当するそうです。
石油は有機物を含む堆積物が何らかの熱源によって温められることでできます。この海域では火山活動による熱源が堆積物中の海水を温めることにより、そこに含まれる植物プランクトンなどの有機物を高温で熟成させ、石油にしているとのことです。
調査航海はさまざまな専門家の方と一緒に乗船できますので、思わぬところから新たな知識を得ることができる貴重な機会だと改めて感じます。

明日は生物の確認実績のある熱水湧出域へ潜航予定です!


JAMSTEC(海洋研究開発機構)KS-20-2 新青丸/ハイパードルフィン 「コノハエビはポンペイワームを超える? ~鹿児島熱水噴出域産コノハエビ類の高温耐性に関する研究」を目的とした調査航海

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2020.01.17 トリーター:八巻

2020/01/17 鹿児島湾及び周辺海域調査航海(3)
航海日誌3日目

期間: 2020年1月15日(水)~1月22日(水)
場所:鹿児島湾及び周辺海域
目的:コノハエビはポンペイワームを超える? ~鹿児島熱水噴出域産コノハエビ類の高温耐性に関する研究


回航日2日目、鹿児島湾到着
航海3日目の朝です!
天気はあいにくの雨。7時ごろ外にでてみましたが、あたりはまだ薄暗く、夜が明けていないようです。


昨日の同じ時間はすでに明るかった気がしていて、西に来たから夜が明けるのが遅いのかな?と研究者の方と話していました。
半信半疑に日の出時刻を調べてみると、確かに神奈川県(えのすいの所在地) 6時 50分、三重県(昨日の朝の海域) 7時 1分、宮崎県(今日の朝の海域) 7時 15分でした。
つまり、神奈川と宮崎では、日の出時刻に 25分もの開きがあるということになります。
あまり意識していませんでしたが、日本列島の半分ほどの短い距離を移動しただけでも、地球の丸さを実感できることに、改めて感動です。

朝食後は水槽に水をはったり、実験装置をセットしたり、改めてラボのセッティングをしました。
水槽はもう生き物の受け入れを待つばかりです!


研究者の方も実験装置をセッティングしていました。



中でも面白かったのがこちら、スマホがサーモグラフィーになるという優れモノです。


新しいガジェットを見つけると、ついつい展示に応用できないかなと考えてしまいますね!

午後はスラープガンと呼ばれる水中掃除機用のキャニスタを準備しました。


ハイパードルフィンのマニュピレーター(ロボットの手の部分)には太いホースが取り付けてありますが、スラープガンとはそのホースの先を目的のサンプルに近づけ、吸い取れるようにした仕組みの装置です。


キャニスタは、そのスラープガンで吸ったサンプルが保存される部分のことで、掃除機でいうゴミがたまる袋にあたります。
6個のキャニスタを順番に回していくことで、サンプリング地点ごとに分けていくことができます。


そうこうしているうちに、見えてきました!薩摩富士こと開聞岳!


ついに鹿児島湾に到着です!
明日からはいよいよ調査が始まります。


JAMSTEC(海洋研究開発機構)KS-20-2 新青丸/ハイパードルフィン 「コノハエビはポンペイワームを超える? ~鹿児島熱水噴出域産コノハエビ類の高温耐性に関する研究」を目的とした調査航海

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2020.01.16 トリーター:加登岡

2020/01/16 相模湾鯨類調査

期間:2020年1月16日(木)
場所:相模湾
目的:相模湾・東京湾に生息する鯨類種特定に関する研究


みなさん、こんにちは!
魚やクラゲを担当するトリーターたちは、フィールドに出ての調査や研究を頻繁に行っていますが、海獣類を担当しているトリーターたちも昨年の8月からフィールドに出ての調査を開始しました。
研究目的は相模湾と東京湾に生息する鯨類種の特定をすることです。
東京海洋大学と株式会社ファスマックと共同で目視調査と環境DNAから種の特定する研究を進めています。
環境DNAは採水した海水を調べることで、そこにどんな生物がいたかわかるというものです。
月に1回をめどに、東京海洋大学の「青鷹丸」に乗船して、三崎港から伊東港、網代港間を航行中に鯨類を探します。
朝 7:00、朝焼けがきれいな三崎港を後に、いざ鯨類を探しに出航です。


出航前の港

3人1組で調査し、1人が記録係、残り2人は船の先端で右舷側、左舷側をそれぞれ目視で探します。
時に双眼鏡を使いながら、目を凝らし、鯨類がいないかを確認していきます。


調査中の花上トリーター

鯨類を発見するために、海面に背鰭が出てこないか、噴気がないか、はたまた飛び跳ねていないかを見ていきます。
1回の調査で約 7~ 8時間海面を見るのですが、ずっと海面を見ているとちょっとした白波がイルカに見えてしまうこともあります。
水族館でイルカたちを見ている時には背鰭を発見するのは簡単ですが、自然界ではそう簡単にはいきません。
夏にも調査をしましたが、その時には、トビウオやシイラ、クラゲ類、海鳥を多数見ることができました。
しかし、今回の調査ではトビウオなど魚類は見ることができませんでした。

季節が変わり、生息する生物種も変わってきています。海鳥も見ることができましたが、その数は減りました。


確認できたクロアシアホウドリ


海面に漂うビニール袋

生物以外で沢山見られるのはプラスチックごみやビニールごみです。
残念なことに生物はほとんど見られませんでしたが、ごみは沢山見つけることができました。
ニュースなどで海のプラごみが問題としてあげられますが、実際に目の当たりにすると意外と多いと感じました。

調査中には途中何地点かで環境DNA調査用の海水を採水します。
この海水を大学の研究室に持って帰り、株式会社ファスマックと協力して鯨類のDNAが含まれていないが分析します。


東京海洋大学の院生と海水の採水をしている所

今回の調査では鯨類を発見することができませんでした。
しかし、この調査の数日後に伊東市の定置網でザトウクジラの混獲があったというニュースがあったので、鯨類が発見できる可能性はあります。
次の航海に期待です。


2020.01.16 トリーター:八巻

2020/01/16 鹿児島湾及び周辺海域調査航海(2)
航海日誌2日目

期間:2020年1月15日(水)~1月22日(水)
場所:鹿児島湾及び周辺海域
目的:コノハエビはポンペイワームを超える? ~鹿児島熱水噴出域産コノハエビ類の高温耐性に関する研究


回航日1日目
航海2日目です!
朝6時半に起床。昨晩は少し揺れるかもしれないという話でしたが、思ったほどの揺れはなく、快適な夜を過ごすことができました。
朝食を食べた後デッキに出てみると、晴れて澄み渡る青空が広がり、とてもきれいでした。


船室にいると外のようすがあまりわからないので、私は時々デッキに出て、天気やまわりのようすを観察するようにしています。
そのころちょうど伊勢湾の外側を航行していました。海から見える紀伊半島には既視感があり、思い起こせば、去年の7月に勢水丸航海で調査を行った海域です。
早いものであっという間に半年経ってしまいましたね!
イルカなど面白いものを見ることができると楽しいのですが・・・
残念ながら今日はめぼしいものを見つけられませんでした。

さて、今日と明日は「回航日」です。
回航日とは、出港した港から調査海域へ行くための移動日のことで、目的の海域が遠い場合など、調査の前後に回航をはさむことがしばしばあります。
調査前に回航日があると、余裕をもって調査の準備を行うことができます。
今回も、研究者の方々が調査で使う機器の整備をされていました。



耐圧容器の内部のほこりの除去、器材の接続や固定にずれがないかの確認、また耐圧容器の水密を保つためのグリスアップなど、基本的なところから細心の注意を払って整備を行い、万全な状態で調査を迎えます。
整備をした調査機器は、実際にハイパードルフィンに接続する試験も行いました。


問題なく動き、準備は万全。私も水槽など準備は済んでおり、あとは調査海域が近くなったら海水をはり、冷やしていく作業を残すのみです!



夕方は定例の研究者ミーティングを行い、乗船している研究者の方々がドライラボに集まって、その日行った作業や翌日の予定の確認などをします。
今日は航海の結果をまとめるためのクルーズレポート作成の担当割などを行いました。


明日はいよいよ鹿児島入りです!


JAMSTEC(海洋研究開発機構)KS-20-2 新青丸/ハイパードルフィン 「コノハエビはポンペイワームを超える? ~鹿児島熱水噴出域産コノハエビ類の高温耐性に関する研究」を目的とした調査航海

新江ノ島水族館は、JAMSTECと深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています


2020.01.15 トリーター:八巻

2020/01/15 鹿児島湾及び周辺海域調査航海(1)
航海日誌1日目

期間:2020年1月15日(水)~1月22日(水)
場所:鹿児島湾及び周辺海域
目的:コノハエビはポンペイワームを超える? ~鹿児島熱水噴出域産コノハエビ類の高温耐性に関する研究


みなさんこんにちは!航海が始まりますよ!
今回の航海は今日から1週間の予定で、調査海域は鹿児島湾周辺、航海日誌は私 八巻がお送りします。
乗船するのは、先日の杉村トリーターと同じ、JAMSTECの東北海洋生態系調査研究船「新青丸」です。
本日は乗船日のため、乗船地となるJAMSTEC横須賀本部へ向かいました。
到着すると、岸壁には今回乗船する「新青丸」がとまっています。


私はこれまでJAMSTECの調査船に何度か乗船したことがありますが、「新青丸」は初めてです。
調査船といえば、船尾に搭載されている巨大な四角い枠、Aフレームと呼ばれる装備が特徴的です。これは無人探査機などの大きな調査機器をデッキから海へ繰り出したり、海からそれらの調査機器を揚収するときに必要なものです。
青く塗られていることが多いJAMSTECの調査船のAフレームですが、「新青丸」のものは船体と同じ白っぽい色で、形も少しメカニックな雰囲気を感じます。
話を聞くと、新青丸の前身となる学術研究船「淡青丸」のボディーカラーの流れをくんでいるそうです。歴史を感じますね。
Aフレームの下には、今回の海底調査に使用する無人探査機「ハイパードルフィン」が見えます。ハイパードルフィンは船上からケーブルを通じて操作する遠隔操作型のロボット、ROV(Remotely Operated Vehicle)と呼ばれるタイプのものです。


出航は14時の予定ですが、1時間前には乗船し、出港を待ちます。
長いように感じましたが、船室に私物を置きにいったり、調査関連の荷物の整理をしたり、一緒に乗船する方や船の方にあいさつをしたりしているうちに、あっという間に1時間が経って、いよいよ出航となりました。
船が岸壁からゆっくりと離れ、いよいよ航海が始まります!
たくさんの方々が岸壁に集まり、手を振って見送ってくださいました。


「新青丸」が出航の合図の汽笛を鳴らすと、となりにとまっていた海底広域研究船「かいめい」も汽笛で返してくれます。


汽笛の音を聞くと、「よし!航海が始まるぞ!」と気分が高揚しますし、気持ちや体も航海モードにシフトし、気合が入ります!
汽笛の音はとても好きで、とても大切な音です。
今日から2日半は鹿児島に向かう回航となります。1週間頑張ります!


JAMSTEC(海洋研究開発機構)KS-20-2 新青丸/ハイパードルフィン 「コノハエビはポンペイワームを超える? ~鹿児島熱水噴出域産コノハエビ類の高温耐性に関する研究」を目的とした調査航海

新江ノ島水族館は、JAMSTECと深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています


2020.01.11 トリーター:杉村

2020/01/11 相模湾・伊豆小笠原海域調査航海(5)
航海日誌5日目

期間:2020年1月7日~1月11日
場所:相模湾・伊豆小笠原海域
目的:シンカイヒバリガイ類の共生細菌取込みに関する研究航海


本日航海5日目 最終日(下船日)です。
昨日から新青丸は走り続け、今朝 8時頃には東京湾に入りました。
なんだかあっという間の 5日間でした。


朝日・・・ 向こうに見えるは房総半島


朝日とハイパードルフィン・・・ お疲れさました。

初日の 2時間早い出港と潜航調査に始まり、海の上では波と風に揺られ、本当に海洋調査というのは思い通りにはいかないものだなあと感じた 5日間でした。
出港当初は、海況の影響から予定の半分の調査すらも危ぶまれましたが、主席研究者の生田さんの英断や船のみなさんの多大な協力と幸運もあり、終わってみれば予定していたミッションはほぼ完遂という、とても成果の多い航海でした!

新青丸船上で飼育してきたシロウリガイ類やヒバリガイ類、そしてユノハナガニたちは、これから私と一緒にえのすいへ行きます。
これまでの飼育研究の結果、少しずつ明らかになってきた飼育条件の検証実験や繁殖を行いたいと思います。
JAMSTEC研究者のみなさんと共同で長期に飼育・繁殖を行うことで、謎に包まれた彼らの生態や行動を明らかにすることが目的です。
そしてそのようすを公開することで、深海の研究について多くのみなさんに伝え、関心を持ってもらえればと考えています。

※えのすいの飼育実験水槽では、ヒバリガイやシロウリガイに個別の番号をつけて個体の飼育状況を管理しています。
・・・貝殻や甲羅に○○20—01などの番号があるのは、本航海でサンプリングされた深海生物です。

さあ、間もなくJAMSTEC横須賀本部の岸壁に入港します。
横須賀本部の岸壁には、私を迎えに来てくれたえのすいトラックと西川トリーターの姿が見えています。


迎えに来てくれたえのすいトラックと西川トリーター

えのすいの深海生物の生態解明のチャレンジは、まだまだ続きます。

最後になりますが、本航海を取り仕切っていただいた主席研究者の生田さんを始め、一緒に乗船した研究者のみなさん、ハイパードルフィン運航チームのみなさん、そして難しい海況で船を安全に操船・航行していただいた新青丸乗組員のみなさん、大変お世話になりました、ありがとうございました。


JAMSTEC(海洋研究開発機構)KS-20-1 新青丸/ハイパードルフィン 「シンカイヒバリガイ類の共生細菌取込みに関する研究航海」を目的とした調査航海

新江ノ島水族館は、JAMSTECと深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています


2020/02/01 相模湾鯨類調査

2020/01/21 鹿児島湾及び周辺海域調査航海(7)

2020/01/20 鹿児島湾及び周辺海域調査航海(6)

2020/01/19 鹿児島湾及び周辺海域調査航海(5)

2020/01/18 鹿児島湾及び周辺海域調査航海(4)

2020/01/17 鹿児島湾及び周辺海域調査航海(3)

2020/01/16 相模湾鯨類調査

2020/01/16 鹿児島湾及び周辺海域調査航海(2)

2020/01/15 鹿児島湾及び周辺海域調査航海(1)

2020/01/11 相模湾・伊豆小笠原海域調査航海(5)

2020/01/10 相模湾・伊豆小笠原海域調査航海(4)

2020/01/09 相模湾・伊豆小笠原海域調査航海(3)

2020/01/08 相模湾・伊豆小笠原海域調査航海(2)

2020/01/07 相模湾・伊豆小笠原海域調査航海(1)

2019/12/26 豊潮丸 硫黄島周辺海域生物採集調査航海(8)

2019/11/07 豊潮丸 硫黄島周辺海域生物採集調査航海(7)

2019/11/06 豊潮丸 硫黄島周辺海域生物採集調査航海(6)

2019/11/05 豊潮丸 硫黄島周辺海域生物採集調査航海(5)

2019/11/04 豊潮丸 硫黄島周辺海域生物採集調査航海(4)

2019/11/03 豊潮丸 硫黄島周辺海域生物採集調査航海(3)

2019/11/02 豊潮丸 硫黄島周辺海域生物採集調査航海(2)

2019/11/01 豊潮丸 硫黄島周辺海域生物採集調査航海(1)

2019/09/04 相模湾沿岸

2019/08/09~08/12 岩手県宮古沖体験乗船(3)

2019/08/09~08/12 岩手県宮古沖体験乗船(2)

2019/08/08 岩手県宮古沖体験乗船(1)

2019/07/25 勢水丸 三重県沖生物採集航海(4)

2019/07/24 勢水丸 三重県沖生物採集航海(3)

2019/07/23 勢水丸 三重県沖生物採集航海(2)

2019/07/22 勢水丸 三重県沖生物採集航海(1)