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ホーム > 航海・採集日誌

航海・採集日誌

2019.09.04 トリーター:伊藤

2019/09/04 相模湾沿岸
奇妙でホントな生き物の動き

期間:2019年9月4日(水)
場所:相模湾沿岸各所
目的:海岸動物の生息状況の把握・展示用の採集


みなさま こんにちは。
まだまだ日中は暑いですが、朝夕は涼しくなりました。
久々に海に出る時間がとれたので、ひとり駆け足で、相模湾沿岸のポイントをバッシバシと回ってきました。

ポイント。
これまでに先輩から教わったり、自分で見つけたりした観察や採集に適したポイントがいくつか頭の中にリストアップされています。
時間がないときは、そんな鉄板の穴場に的を絞って、効率よく見てくるわけです。
こればっかりは、若いうちに色々行っておいて良かったと思っています。



チゴガニの巣穴

まずは干潟。すごくざっくり言って、砂や泥にスナガニ類、岩や岸壁にイワガニ類が多く生息します。
砂や泥の表面には小さな穴がぽつぽつ。
スコップでざっくりと堀りますと、穴の奥に隠れたチゴガニがわたわたと出てきます。
当館では大分うまく飼育できるようになったと思っているのですが、寿命が2年未満と短いので、たまに採集して、連れて帰ります。
開けた泥上にある大きめの穴は、ヤマトオサガニやアシハラガニのものです。
暖かい時期は隠れてもすぐに出てこれるようにか、穴の浅い部分で「隠れ不精」するものが多い気がします。
なので、穴に飛びついて、手をずぼっと差し込むと、つかめることが多いです。
たまに硬い石が埋まっていたりするので、突き指注意!です。




木登りするアカテガニ

干潟のまわりは林や草地になっており、石や漂着物がごろごろ。
こんな場所ではイワガニ類が主役になります。
今回はアカテガニとベンケイガニが多く見られました。
真っ赤でよく目立ちます。
この時期は活性が高くて立体活動しており、樹をクモのように駆け上がったり、風にたなびく草から草へ飛び移りながら移動します。
かっこいい!
素早くてあまりいい写真が撮れませんでしたが、雰囲気は伝わりますでしょうか。



海辺のツユクサ

ついでにツユクサ。
どこでも見られる雑草ですが、海辺のイメージはない方が多いのではないでしょうか。
ご覧の通り、海辺にもたくさん生えています。
当館の展示にも取り入れています。



漁港で拾ったコブヨコバサミ

お次は漁港。今回は時間もないので、船着きスロープ一択です。
漁師さんが投棄した大き目のヤドカリがよく見られますが、今日はちょっと不発気味。中くらいのコブヨコバサミがいただけでした。
代わりにタツナミガイがごろごろいましたので、タッチプール展示用に少し持ち帰ることにしました。

展示を作るとき、野外で見た「違和感」や「なさそうであること」が、ヒントになることもあります。
今回も面白いシーンをいくつも見ることが出来たので、いつか展示に生かしてみたいと思います。


2019.07.25 トリーター:西川・八巻

2019/07/25 勢水丸 三重県沖生物採集航海(4)
航海日誌 4日目/八巻

期間:2019年7月22(月)~2019年7月26日(金)
場所:三重県沖
目的:ドレッジ、プランクトンネットによる生物の調査・採集


天候にも海況にも恵まれ、あっという間に今日が調査最終日となりました。
最終日ということで、午前中に1回ドレッジを行い、午後は片づけなどに充てることになりました。

調査海域は熊野灘東方の安乗口海底谷周辺で、水深約 200mのドレッジを行います。
一昨日の底質は礫、昨日は泥、ときたら・・・ 今日は砂でしょう!と思っていたら、本当に砂の海底でした。
今回、偶然にも 3種類の底質の生物相を比較できたのは、とても興味深かったです。
水深のせいもあるかと思いますが、昨日一昨日の同水深帯と比べても、生物量が豊富なように思えました。
今回採れたらいいなと思っていた生き物に、チョウジガイやセンスガイなどの個体サンゴの仲間がいますが、それらも採集することができました。


センスガイの仲間


チョウジガイの仲間

普通サンゴの仲間は、イソギンチャクのような形をした「ポリプ」がたくさん集まって群体を形成していますが、深海にはポリプがひとつだけの個体サンゴの仲間が多く生息しています。
砂地の海底にはこれらの仲間がポツポツと点在しているようです。
底引き網漁などでも混獲されることがありますが、センスガイを「入れ歯」と呼んでいる漁師さん達もいます(笑)。
個体サンゴの仲間は、“入れ歯”型や円盤型の骨格がポリプを形成する柔らかい軟体部で覆われていますが、どうしても採集のダメージで軟体部や骨格が傷ついてしまいます。
ただ、しばらく経つと再生することが多く、今回の個体も再生して元気になってくれるよう、大切に見守りたいと思います。

センスガイの他にもストローのような棲管に入った多毛類がたくさん採集できました。
とても小さく普通であれば展示できるようなものではないのですが、たくさんとれたので持ち帰ってみることにしました。
多毛類は専門家でないと種まで落とすのはとても難しいですが、改めて確認したいと思います。
写真の下の個体は左の方に顔を出しています。意外とかわいい顔をしていると思いませんか?


管棲ゴカイの仲間

今回ソーティングで出てきた生き物で特に面白いのが、ウミクワガタの仲間です。
ウミクワガタの研究をされている学生さんに見せていただきました。


ハナダカウミクワガタ

どう見ても昆虫のクワガタですよね。
やはり大あごをもっているのはオスだけですので、写真はオス個体です。
最近知名度も上がってきていますが、ウミクワガタは大きく分けるとグソクムシなどと同じ等脚類で、よく見ると脚の数が多いし、エビのようなしっぽが付いています。
節足動物というとても大きなくくりでまとめられるものの、昆虫のクワガタとは全く違う分類群の生き物です。
実はウミクワガタは魚の血を吸血して大きくなり、血を吸っていない時だけ砂の中に隠れているのです。
こちらは研究用なので持ち帰ることはできませんが、こんな面白い生き物、写真だけでもお伝えできたら楽しいなと思い、載せてみました。

今日はこの後下船準備をし、明日の朝下船、水族館へ生き物を運びます。
少しでも多くの生き物をみなさまにお見せできるようにしたいと思います。

文末で恐縮ですが、今回採集の機会を与えてくださった北里大学海洋生命科学部の三宅先生、広瀬先生と研究室の学生の方々、また昼夜を問わず採集をサポートしてくださった三重大学大学院生物資源学研究科附属練習船「勢水丸」の船長はじめ船員の方々へ深く感謝申しあげます。
ありがとうございました。


2019.07.24 トリーター:西川・八巻

2019/07/24 勢水丸 三重県沖生物採集航海(3)
航海日誌 3日目/八巻

期間:2019年7月22(月)~2019年7月26日(金)
場所:三重県沖
目的:ドレッジ、プランクトンネットによる生物の調査・採集


今日も良い天気、海上はすでに梅雨が明けたかのような夏の日差しがふりそそぎます。今回の勢水丸航海も早3日目、残る調査日は、今日含めて2日間となりました。
今日の航海日誌は、昨日まで担当していた西川に代わって、同乗中の八巻がお送りします。

私も5日間という長い航海は久しぶりですので、緊張半分、期待半分で不安の中、乗船しました。しかしそんな不安とは裏腹に、ここまでの調査は全て予定通りにできています。
船の調査は変わりやすい海の天候に左右されることが多く、予定されていた調査ができないこともしばしばですので、きっと乗船メンバーの日ごろの行いが良い!?からに違いありません!
しかし、何がとれるかは運次第です。

今日も昨日までと同様に、午前午後ドレッジ2回、夜間プランクトンネット1回の採集を行いました。
ドレッジは三重県熊野灘西方の尾鷲沖で、1回目が水深約 200m、2回目が水深約 800m。プランクトンネットは熊野灘東方の安乗口海底谷周辺の約 800mです。


取れた泥から生き物を探すため洗い出しをするようす

昨日までのドレッジを行った海底は、大きな石がゴロゴロしている礫でしたが、今日はうって変わって2回ともねっとりとしたの粘土質の泥でした。
砂などはさらさらでドレッジの網から抜けていくので、大きな生き物も拾いやすいのですが、泥は生き物が埋まってしまい、見つけにくいので洗い出し作業を行います。
そんな中からなんとか探し出したのが、こちら。
1回目に入っていた、「トゲヒゲガニ」と思われるカニです。
最初は全く動かずだめかと思いましたが、冷たい水に入れていたら完全復活しました。
おそらく無事持ち帰り、搬入できるかと思います。


トゲヒゲガニ

泥の中には小さな生き物がたくさんすんでいます。それを調査するのが、今回同乗させていただいている北里大学の先生方の研究です。
中でも「コケムシ」という生き物を研究されている先生に教えてもらった面白い生き物が、その名も「スナツブコケムシ」。
5mmほどで砂粒のように小さいのですが、本当の“砂粒”(写真左)と比べると、放射相称で生き物らしさがにじみ出ています。
ちなみにこちらはスナツブコケムシの「虫室(骨格のようなもの)」で、すでに死んでしまったものです。
生きていると、虫室に空いている穴の中からコケムシ本体の触手が出てくるそうです。


スナツブコケムシ(右)と砂粒(左)

泥をソーティング(詳しく見て目的の生き物を探すこと)していると、他にも有孔虫の殻や小さな巻貝、ゴカイ、小型甲殻類など、いろいろと面白い生き物が出てきます。
ビーチコーミングならぬディープシーコーミングですね!
水族館でもこのような小さな生き物の魅力を伝えられるようにしていきたいものです。
調査航海は、このように知らない生き物や知らない分野の研究者の方と出会うことができるのも大きな醍醐味の一つで、私たちトリーターの知識のすそ野を広げてくれます。

夜間のプランクトンネットでは、私自身、初めて見る生き物が採れました!
「コウモリダコ」という、タコとイカの中間のような原始的な頭足類です。
5cmほどのとても小さな個体でした。
残念ながら、すでにほかの生き物に揉まれて瀕死の状態でした。
きれいに掃除して写真を撮りましたが、取り切れないゴミがついてしまっていますね。
左に口があり、腕をひっくり返して外套膜の一部を覆っているような状態です。
ちょうど真ん中のあたりには赤い目がありますね。
外套膜にはメンダコのような“耳”が4つついていました。この“耳”を使って泳ぐコウモリダコの姿を見てみたいものですね。


コウモリダコ

さて、明日はいよいよ調査最終日。頑張っていきたいと思います!


2019.07.23 トリーター:西川・八巻

2019/07/23 勢水丸 三重県沖生物採集航海(2)
航海日誌 2日目/西川

今日の天気
今日の天気
期間:2019年7月22(月)~2019年7月26日(金)
場所:三重県沖
目的:ドレッジ、プランクトンネットによる生物の調査・採集


今日の天候は曇り時々晴れ、日が差す時間がある分昨日よりも暑い天気となりました。

起床する。。。そんなことも船の上では初めてのことでしたが、とても目覚めがよく、7時からの朝食は日光を浴びた後すっきりとした気持ちでいただくことができました。
実は外が暑くても船内はエアコンが効いているので涼しく快適なんです。

今日は2回の底生生物の採集(ドレッジ)と1回のプランクトン採集でした。

1回目は8時から水深約 300mほどの場所でドレッジを行いました。
一般的には水深 200m以深が深海と呼ばれているのでこの場所も深海です。
どんな深海生物を見ることができるのかワクワクしながら網が上がってくるのを待っていました。
ゆっくりと上がってきた網を見ると...
昨日ドレッジをした時よりもだいぶ網が膨らんでる!
一瞬たくさん生物がいると思ったのですが、そのほとんどは砂利の塊のような礫でした。


ドレッジで採れた礫

たくさんの礫と一緒のネットの中で生きてる生物はほとんどいませんでしたー 残念!

よーく探してヤドカリや貝の仲間が少し見つかったので、現在船上の水槽で飼育をしています。
次もドレッジで、水深約 700mのポイントで行いましたが、なんとまたたくさんの礫!
深海は砂や泥が多い、そんなイメージを持っていたのでびっくりしました。
こういう発見も航海に出ているからこそですね。
今日のドレッジではあまり採集できませんでしたが、ただでは転びませんよ!!
この礫を持ち帰って水槽のレイアウトに使おうと思います。
紛れもなく深海にあったものなので、今までよりもさらに深海の環境を水槽で再現できますね!

今日の最後はプランクトンネットで、水深約 900mにいる生物の採集です。
礫が入る心配もないので、生物がより良い状態で上がってくる可能性が高く期待していました。
結果はなんと、期待通り!・・・ と、まではいきませんでしたが、生きたヨコエソやタルマワシなどの生物を水槽へ入れることができました。
飼育が難しい生物ですが、なるべく長く生きてほしいと思います。

今日までの2日間で採集することができた生物は多くありません。
採集期間は残り2日間で、もうあと半分になってしまいました!
少し焦りが出てきましたが「慎重に正確に。」をモットーに、元気な生物をみなさんに見せられるように頑張ります!


2019.07.22 トリーター:西川・八巻

2019/07/22 勢水丸 三重県沖生物採集航海(1)
航海日誌 1日目/西川

勢水丸
勢水丸
期間:2019年7月22(月)~2019年7月26日(金)
場所:三重県沖
目的:ドレッジ、プランクトンネットによる生物の調査・採集


私は今、三重大学の練習船「勢水丸」へ北里大学の先生・学生と一緒に乗船しています。
今日から26日までの5日間、三重県沖で生物の調査・採集を行います。
私はこれまで日帰りの乗船はあったのですが、今回のように数日間船に乗りっぱなしの調査は初めてなんです。
寝る、お風呂に入る、歯を磨く、日常生活では全く緊張しないことまで気にしてしまうくらいドキドキでいっぱいです。
でも!船に乗るだけでなく生物を採集し、みなさんに見てもらわなければなりません!
一緒に乗船している経験豊富なトリーターに支えてもらいながら、しっかりと生物を水族館へ搬入したいと思います!
この5日間で、どんな生物を見ることができるのかとても楽しみです。

今日の出航は9時50分で、出航までに船の安全上の決まりを説明していただいたり、生物を生きたまま水族館へ運ぶための水槽も設置しました。


出航の時間は弱い雨が降っていましたが風はなく、出航1時間後には遠くに発見したスナメリを観察することができるほどの凪でした。


ドレッジネット

12時30分に行った1回目の採集では、画像のようなネットを海底へ沈めて船でしばらく曳き、上げてくるドレッジ採集という方法でした。

浅い水深でヤセオコゼという魚を狙っていました。上がってきた網の中にはヤセオコゼは見当たらなかったのですが、エビやカニなどの多くの甲殻類を採集することができました。


同定作業

採集された生物は全て観察・同定を行い、大学の研究と水族館へ運びたい生物とで仕分けし、航海の期間は陸に戻ることは出来ないので船上で飼育をします。


プランクトンネット

2回目は20時でした。
採集方法は1回目と異なり、プランクトンネットを海底につけずに30分ほど曳いて上げ、水中に漂うまたは泳ぐ生物を採集する方法でした。
方法が違うとやはり生物も異なり、サルパなどが多く入網しました。

今日の調査・採集はこれで終了となります。
明日からの3日間は同じようにネットを下ろして生物を採集するようになります。
今日は採集した生物の他にもスナメリやウミガメに出会うことが出来ました。
明日はどんな生物に出会えるのか今から楽しみです。


2019.06.19 トリーター:伊藤

2019/06/27 外来巻貝調査(1)
2つの奇妙な貝を探して

期間:2019年6月27日(木)
場所:神奈川県藤沢市
目的:外来巻貝の生息状況の把握


みなさまこんにちは。
今回はかなりマニアックな内容です。

「外来種」って知っていますか。
本来の生息地から、人の手によって移動させられ、その先で生き延び、殖えてしまった生物のことです。
外国から日本に来たものを「国外外来種」、日本の別の地域から来たものを「国内外来種」と分けたりします。

実は昨年、当館からそう遠くないとある田園地帯で、2種類の外来種を見つけてしまったのです。
どちらも巻貝です。
この春、自身の二枚貝の研究発表のために参加した学会でその話をしたところ、興味を持ってくださった方々がおられました。
今回、その専門家のお一人、相模貝類研究談話会の福田良昭会長とともに、それらの貝を見つけてみようということになり、いざ現場へ。

詳しくはまだ伏せますが、現場は小さな川のほとりにある草地と農地です。
神奈川県の南側では奇跡的に残された里山的環境であり、ホウネンエビやトウキョウダルマガエルといった面々が今も見られる「イイ感じ」の場所です。

現場に到着するや否や、昨年の記憶を頼りに、1種類目の外来種を見つけた地点に向かいます。
砂利道のわきに生えたススキなどの草地で、おもむろに四つん這いになり、かき分けて「奴」を探します。
数分後、あっさり発見。

コハクオナジマイマイです。
本来は西日本に生息する、日本の本土で最も美しいカタツムリの一つです。
貝殻の真ん中あたりの鮮やかなレモン色は内臓の色。薄い貝殻を透けて見えているのです。
東日本では 30年ほど前に千葉県で見つかって以来、他県でも確認が相次ぎ、神奈川県においては、福田さんにより1998年に平塚市で初記録され、その後 茅ヶ崎市、寒川町、小田原市、伊勢原市、中郡大磯町、中郡二宮町、厚木、秦野市、で記録され、大井町、相模原市でも市民の方からの情報提供がされているそうです。
すでに知らないうちにみなさまのお庭や花壇にも、お花の苗などに混じって入っているかも知れないので、ちょっと気にしてみてください。
本種の情報として、寿命が1年で、晩秋に卵を産んで一生を終えること、卵から孵化した稚貝の状態で冬越しすることが明らかになっています。
確かにここでも、冬越してこれから成長か、という小さなサイズが多く見つかったのですが、中には少し大きめのサイズも。
もしかすると晩秋に死なず、そのまま冬を超えた個体もいるかも知れないと話していました。


外来カタツムリを探す福田さん。


これが国内外来種「コハクオナジマイマイ」。
美しい・・・! 感激


「コハク」いろいろ。大きめやすじ模様付きも。

本種をはじめとする外来カタツムリは、時に爆発的に殖えて、人が植えた野菜や草花を食べてしまうことがあります。
この場所では今のところ、そういうことはないようですが、今後も注意して観察したいと思っています。
一方でひとつの生命体としてみた場合、その色の美しさは目を見張ります。
しかも貝殻ではなく内臓の色ですので、生きている間だけの色です(貝殻コレクター泣かせ?)。
実は昨年の秋に、ひっそりとジャンプ水槽のわきで展示したのですが、本種の魅力を引き出しきれませんでした(カタツムリって水槽内で生き生きしてもらうのが難しいです)。啓発の意味も込めて、また展示を考えてみたい種です。

一番の目的だったコハクを福田さんに見てもらえて一安心したところで、今度は水田の方に向かいました。
「マルタニシ多いね」と喜ぶ福田さん。
私は情けなくも「神奈川県にいるタニシなんてヒメタニシだろう」と思い込んでいたので、マルだと分かりびっくりです。


ちなみに、これがマルタニシ。現地の水路にて。

やっぱりイイ場所だなぁ、と思ったのもつかの間、イネに目をやると不気味なピンクのツブツブ発見。
これ、もう一つの外来巻貝スクミリンゴガイの卵のかたまりです。
近くの水中を探すと、大きな成貝がごろごろ見つかりました。


スクミリンゴガイの卵塊。


スクミリンゴガイ。

本種は南米原産の国外外来種で、日本へは食用に持ち込まれたものが逃げ出し、知ってか知らずか人の手により日本各地に移動させられ、殖えてしまっています。
本来はラプラタ川の広大な湿地の草原で、カピバラと一緒に暮らしていたのでしょう。
タニシより丸っこくて、貝殻が薄い感じです。
タニシが壁面や土の表面に生える藻類をよく食べるのに対して、本種は丈のある草も積極的に食べ、イネの苗を食べてしまうこともあります。
そういえば以前、家で育てていたミズハコベの水槽に本種をうかつに入れたら、一晩で全部食べつくされてしまって泣いたことがあります。
今回はサンプルとして数十個体を採取して、福田さんと私で分けて持ち帰りました。
私はこりずに?水槽内で飼育して、その動きや食の好みを観察してみたいと思っています(後日、福田さん宅の水槽では、さっそく産卵したそうです)。


福田さん宅の水槽で産卵(6月30日)

外来種といえば、オオクチバスやマングースのような目立つ種類がクローズアップされがちですが、今回の貝のような、小さく目立たない外来種についても、水族館として調査をして行けたらと思っています。
新しいことが分かりましたら、またお知らせしたいと思います。
最後に、調査にご同行いただきました福田さん、どうもありがとうございました。


2019.05.30 トリーター:足立

2019/05/30 豊潮丸 黒潮流域調査航海(11)
航海採集日誌 11日目


期間:2019年5月20日(月)~5月30日(木)
場所:広島・呉~沖縄
目的:黒潮流域のプランクトン・ベントス・ネクトンの分布調査


長かったような、あっという間だったような。
最後の朝は、全員で掃除です。
甲板をデッキブラシでこすり、救命胴衣やカッパを洗って干し、観測に使った機器類も洗います。
室内も掃除し、廊下はピカピカに!


最後のご飯は、カレーに決まっているそうです


揺れて大変な時もありましたが、良い航海でした。
生き物たち、えのすいまで無事に届きますように!


豊潮丸のみなさま、お世話になりました。



2019.05.29 トリーター:足立

2019/05/29 豊潮丸 黒潮流域調査航海(10)
航海採集日誌 10日目


期間:2019年5月20日(月)~5月30日(木)
場所:広島・呉~沖縄
目的:黒潮流域のプランクトン・ベントス・ネクトンの分布調査


今朝 10時30分から開始した日向灘での ORIネットが、この航海の最後のサンプリングになりました。
ここまで、まだ船内で生きてくれているクラゲや、底生性の動物たちがいます。
これらを生きた状態で水族館に搬入し、展示することを目指して、私の仕事はまだ終わりません!

現在、豊潮丸は、九州の東岸沖を北上中です。
穏やかな海です。


2019.05.28 トリーター:足立

2019/05/28 豊潮丸 黒潮流域調査航海(9)
航海採集日誌 9日目


期間:2019年5月20日(月)~5月30日(木)
場所:広島・呉~沖縄
目的:黒潮流域のプランクトン・ベントス・ネクトンの分布調査


朝8時、種子島北沖にて、ドレッジと、ソリネット。底物採集はこれが最後です。
観測が終了すると、船はすぐに次の目的地に向けて移動しますが、今日は種子島の西之表港へ入港しました。
入港作業で船員さんが忙しく働いている邪魔にならないように、私たちは「洗い出し」後の砂から生物を拾い出す作業を続けていました。
雨が少し降ったり止んだりで、カッパも脱げません。


結局、続きは後でやることにし、種子島に上陸し、種子島宇宙センターと、中種子町の歴史資料館を見学しました。
移動中はドシャ降りで、これが作業中でなくて、本当によかったです。


ロケット発射台

夜は集魚灯採集を行いましたが、風が強く、クラゲは見つけられませんでした。


2019.05.27 トリーター:足立

2019/05/27 豊潮丸 黒潮流域調査航海(8)
航海採集日誌 8日目

期間:2019年5月20日(月)~5月30日(木)
場所:広島・呉~沖縄
目的:黒潮流域のプランクトン・ベントス・ネクトンの分布調査


数年前の皆既日食で有名になった悪石島の東沖で、プランクトンネットを曳きました。
1つめは、VMPS(水深ごとに分けて採れる垂直曳き)です。
実際に採集装置を動かしてくださるのは船員さんたちですが、どの水深まで下ろすか、スピードはどのくらいかの決定や、ネットを閉じる信号の送信などは、船内から研究者が行います。


VMPS


船内からのオペレート

2つめはORIネットで、水深 1,000mの水深を 60分間、水平に曳きました。

ORIネット



上がってきたサンプルを回収する


大きいものはバットに


食堂で撮影会


2019/09/04 相模湾沿岸

2019/07/25 勢水丸 三重県沖生物採集航海(4)

2019/07/24 勢水丸 三重県沖生物採集航海(3)

2019/07/23 勢水丸 三重県沖生物採集航海(2)

2019/07/22 勢水丸 三重県沖生物採集航海(1)

2019/06/27 外来巻貝調査(1)

2019/05/30 豊潮丸 黒潮流域調査航海(11)

2019/05/29 豊潮丸 黒潮流域調査航海(10)

2019/05/28 豊潮丸 黒潮流域調査航海(9)

2019/05/27 豊潮丸 黒潮流域調査航海(8)

2019/05/26 豊潮丸 黒潮流域調査航海(7)

2019/05/25 豊潮丸 黒潮流域調査航海(6)

2019/05/24 豊潮丸 黒潮流域調査航海(5)

2019/05/23 豊潮丸 黒潮流域調査航海(4)

2019/05/22 豊潮丸 黒潮流域調査航海(3)

2019/05/21 豊潮丸 黒潮流域調査航海(2)

2019/05/20 豊潮丸 黒潮流域調査航海(1)

2019/05/12 江の島周辺海域調査

2019/05/06 相模川カニ類調査(4)

2019/03/05 駿河湾底曳網採集

2018/11/20 沖縄トラフ伊平屋北海丘深海調査航海(6)

2018/11/19 沖縄トラフ伊平屋北海丘深海調査航海(5)

2018/11/18 沖縄トラフ伊平屋北海丘深海調査航海(4)

2018/11/17 沖縄トラフ伊平屋北海丘深海調査航海(3)

2018/11/16 沖縄トラフ伊平屋北海丘深海調査航海(2)

2018/11/15 沖縄トラフ伊平屋北海丘深海調査航海(1)

2018/07/07 江の島周辺海域・藻場モニタリング

2018/06/19 逗子沖海中映像撮影・生物調査

2018/06/01 江之浦海中映像撮影・生物調査

2018/04/06 伊豆諸島海域調査航海(4)