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ホーム > 航海・採集日誌

航海・採集日誌

2020.01.19 トリーター:八巻

2020/01/19 鹿児島湾及び周辺海域調査航海(5)
航海日誌5日目

期間:2020年1月15日(水)~1月22日(水)
場所:鹿児島湾及び周辺海域
目的:コノハエビはポンペイワームを超える? ~鹿児島熱水噴出域産コノハエビ類の高温耐性に関する研究


調査日2日目、チムニーそびえる熱水噴出域
航海5日目、調査日も2日目となりました。今日も天気は晴れ、気持ちの良い朝です!
今日は昨日調査した地点から少し離れたところを、主な調査海域にしています。
同じ鹿児島湾 湾奥の水深 200m海域ですが、昨日の海域は広範囲から熱水がじわじわ湧き出ていた熱水湧出域であったのに対して、今日の海域は熱水噴出域と呼ばれ、熱水が噴き出す噴出孔があり、いわゆるチムニーが形成されています。
チムニーを形成する岩の隙間は、今回の調査の主目的としているタギリコノハエビの生息域にもなっており、これまでに何度も採取された実績があります。
潜航後しばらく海底を探すと、見えてきました!
4~5mはあろうかという見事なチムニーです。


私は同じ海域に来たことがありましたが、実際にチムニーを見たのは初めてです。
チムニーは熱水に含まれる金属などの成分が、海水中に噴出した際に急激な水温低下や水質の変化で固まってできたもので、少しずつ成長していきます。
ここまで大きくなるのにどれくらいかかかったのかなと考えてしまいます。
しかし一方で、昨日に引き続き生物の姿は全く見えません。
ハイパードルフィンの CTD(複数の水質項目をリアルタイムで計測できる観測機器)が示す DO(溶存酸素濃度)の値は 0.0ml/lで、かなり低い状態です。


ここまで低いと目に見える大きさの生物は呼吸ができず、すむことのできない環境になっているのかもしれません。
鹿児島湾の湾奥はとても閉鎖的で、北側から見ると湾の向こうに桜島が見え、桜島の東側の細い海峡でのみ湾央とつながっています(図1)。


図 1

湾奥部の海底には姶良カルデラという水深140 mほどのカルデラがあって、その中にさらに深い若尊(わかみこ)火口と呼ばれる水深200 mのくぼみがあり、そのくぼみの中に若尊海丘がある、というつくりです(図1)。

昨日と今日の調査海域は若尊火口にあります。
周りよりもくぼんでいるので、海水の鉛直混合が鈍くなる冬季は、水がよどんでまわりの海底よりもさらに DOが下がるようです。
今回採取してきたチムニー片をくまなく調べてみても、結局目的のタギリコノハエビを見つけることはできませんでした。
以前生物を確認したのは夏季だったこともあり、もしかしたら冬季は DOが極端に下がって、生物がいなくなるという季節変動をする海域なのかもしれません。
いつもそこに行けばいるというものではない、生物調査の難しさを改めて感じました。

貴重な機会ですので、採取してきたチムニー片を顕微鏡で観察してみました。
さまざまな鉱石を見ることができましたが、中でも輝安鉱(きあんこう)はとても美しく、感動しました!
この海域の熱水はいわゆるレアメタルの「アンチモン」を含んでおり、輝安鉱のかたちで結晶化するそうです。
初めてこの鉱石を見ましたが、繊維状にみえる結晶で、金属光沢が本当にきれいでした。



明日は若尊海丘の頂上(図1)にあるハオリムシサイトに潜航予定です!


JAMSTEC(海洋研究開発機構)KS-20-2 新青丸/ハイパードルフィン 「コノハエビはポンペイワームを超える? ~鹿児島熱水噴出域産コノハエビ類の高温耐性に関する研究」を目的とした調査航海

新江ノ島水族館は、JAMSTECと深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています


2020.01.18 トリーター:八巻

2020/01/18 鹿児島湾及び周辺海域調査航海(4)
航海日誌4日目

期間:2020年1月15日(水)~1月22日(水)
場所:鹿児島湾及び周辺海域
目的:コノハエビはポンペイワームを超える? ~鹿児島熱水噴出域産コノハエビ類の高温耐性に関する研究


調査日1日目、石油が眠る熱水湧出域
航海4日目、調査日の1日目がやってきました!
8日間の航海日程のうち、早くも半分が過ぎようとしています。
今日の天気は幸いの晴れ。関東の方は雪も降ったようですが、こちらはそれほど寒くもなく、絶好の調査日和で、朝焼けの桜島もきれいでした。


朝 8時、最初の潜航が始まります!
ハイパードルフィンが潜航する姿を間近に見るのはとても久しぶりで、懐かしいです。
潜航に携わる「新青丸」乗組員の方々やハイパードルフィン運航チームの方々のチームワークは素晴らしく、いつも調査成功のためベストを尽くしてくださいます。


ハイパードルフィンの潜航中はドライラボでようすを見守ります。
大小のモニターが並び、ハイパードルフィンの搭載カメラの映像や、測定機器の情報をリアルタイムで見ることができるのです。



今日は鹿児島湾の海底にある熱水湧出域に潜航し、サンプリングや機器の設置を行いました。
この海域は冬季にかけて溶存酸素濃度(海水に溶け込んでいる酸素の量)がとても低くなることで知られていますので、一般的に生物にとってはとても過酷な環境です。
実際、今日潜航した海域でもほとんど生物の姿を見ることができませんでした。
唯一見つけたのがこちら、探索を進めていく過程で見えた銀色に光る細長いもの。


近づくと、なんとタチウオでした。


しかし、すでに死んでしまっているようで、もしかしたら間違ってこの海域に迷い込んで、息ができなくなってしまったのかもしれません。


その後、ガスの噴気を伴う熱水湧出域で、岩石や底泥、水を採取し、離底しました。
ハイパードルフィンが船上に上がり、サンプルを受け取ると、嗅いだことのない不思議なにおいがしました。
同乗している研究者の方によると、「石油のにおい」だそうです。
実際、サンプルの入った水の水面には油が浮いていました。


実はこの海域の海底下には石油が眠っていて、その埋蔵量は日本全体で消費される石油量の3日分にも相当するそうです。
石油は有機物を含む堆積物が何らかの熱源によって温められることでできます。この海域では火山活動による熱源が堆積物中の海水を温めることにより、そこに含まれる植物プランクトンなどの有機物を高温で熟成させ、石油にしているとのことです。
調査航海はさまざまな専門家の方と一緒に乗船できますので、思わぬところから新たな知識を得ることができる貴重な機会だと改めて感じます。

明日は生物の確認実績のある熱水湧出域へ潜航予定です!


JAMSTEC(海洋研究開発機構)KS-20-2 新青丸/ハイパードルフィン 「コノハエビはポンペイワームを超える? ~鹿児島熱水噴出域産コノハエビ類の高温耐性に関する研究」を目的とした調査航海

新江ノ島水族館は、JAMSTECと深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています


2020.01.17 トリーター:八巻

2020/01/17 鹿児島湾及び周辺海域調査航海(3)
航海日誌3日目

期間: 2020年1月15日(水)~1月22日(水)
場所:鹿児島湾及び周辺海域
目的:コノハエビはポンペイワームを超える? ~鹿児島熱水噴出域産コノハエビ類の高温耐性に関する研究


回航日2日目、鹿児島湾到着
航海3日目の朝です!
天気はあいにくの雨。7時ごろ外にでてみましたが、あたりはまだ薄暗く、夜が明けていないようです。


昨日の同じ時間はすでに明るかった気がしていて、西に来たから夜が明けるのが遅いのかな?と研究者の方と話していました。
半信半疑に日の出時刻を調べてみると、確かに神奈川県(えのすいの所在地) 6時 50分、三重県(昨日の朝の海域) 7時 1分、宮崎県(今日の朝の海域) 7時 15分でした。
つまり、神奈川と宮崎では、日の出時刻に 25分もの開きがあるということになります。
あまり意識していませんでしたが、日本列島の半分ほどの短い距離を移動しただけでも、地球の丸さを実感できることに、改めて感動です。

朝食後は水槽に水をはったり、実験装置をセットしたり、改めてラボのセッティングをしました。
水槽はもう生き物の受け入れを待つばかりです!


研究者の方も実験装置をセッティングしていました。



中でも面白かったのがこちら、スマホがサーモグラフィーになるという優れモノです。


新しいガジェットを見つけると、ついつい展示に応用できないかなと考えてしまいますね!

午後はスラープガンと呼ばれる水中掃除機用のキャニスタを準備しました。


ハイパードルフィンのマニュピレーター(ロボットの手の部分)には太いホースが取り付けてありますが、スラープガンとはそのホースの先を目的のサンプルに近づけ、吸い取れるようにした仕組みの装置です。


キャニスタは、そのスラープガンで吸ったサンプルが保存される部分のことで、掃除機でいうゴミがたまる袋にあたります。
6個のキャニスタを順番に回していくことで、サンプリング地点ごとに分けていくことができます。


そうこうしているうちに、見えてきました!薩摩富士こと開聞岳!


ついに鹿児島湾に到着です!
明日からはいよいよ調査が始まります。


JAMSTEC(海洋研究開発機構)KS-20-2 新青丸/ハイパードルフィン 「コノハエビはポンペイワームを超える? ~鹿児島熱水噴出域産コノハエビ類の高温耐性に関する研究」を目的とした調査航海

新江ノ島水族館は、JAMSTECと深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています


2020.01.16 トリーター:八巻

2020/01/16 鹿児島湾及び周辺海域調査航海(2)
航海日誌2日目

期間:2020年1月15日(水)~1月22日(水)
場所:鹿児島湾及び周辺海域
目的:コノハエビはポンペイワームを超える? ~鹿児島熱水噴出域産コノハエビ類の高温耐性に関する研究


回航日1日目
航海2日目です!
朝6時半に起床。昨晩は少し揺れるかもしれないという話でしたが、思ったほどの揺れはなく、快適な夜を過ごすことができました。
朝食を食べた後デッキに出てみると、晴れて澄み渡る青空が広がり、とてもきれいでした。


船室にいると外のようすがあまりわからないので、私は時々デッキに出て、天気やまわりのようすを観察するようにしています。
そのころちょうど伊勢湾の外側を航行していました。海から見える紀伊半島には既視感があり、思い起こせば、去年の7月に勢水丸航海で調査を行った海域です。
早いものであっという間に半年経ってしまいましたね!
イルカなど面白いものを見ることができると楽しいのですが・・・
残念ながら今日はめぼしいものを見つけられませんでした。

さて、今日と明日は「回航日」です。
回航日とは、出港した港から調査海域へ行くための移動日のことで、目的の海域が遠い場合など、調査の前後に回航をはさむことがしばしばあります。
調査前に回航日があると、余裕をもって調査の準備を行うことができます。
今回も、研究者の方々が調査で使う機器の整備をされていました。



耐圧容器の内部のほこりの除去、器材の接続や固定にずれがないかの確認、また耐圧容器の水密を保つためのグリスアップなど、基本的なところから細心の注意を払って整備を行い、万全な状態で調査を迎えます。
整備をした調査機器は、実際にハイパードルフィンに接続する試験も行いました。


問題なく動き、準備は万全。私も水槽など準備は済んでおり、あとは調査海域が近くなったら海水をはり、冷やしていく作業を残すのみです!



夕方は定例の研究者ミーティングを行い、乗船している研究者の方々がドライラボに集まって、その日行った作業や翌日の予定の確認などをします。
今日は航海の結果をまとめるためのクルーズレポート作成の担当割などを行いました。


明日はいよいよ鹿児島入りです!


JAMSTEC(海洋研究開発機構)KS-20-2 新青丸/ハイパードルフィン 「コノハエビはポンペイワームを超える? ~鹿児島熱水噴出域産コノハエビ類の高温耐性に関する研究」を目的とした調査航海

新江ノ島水族館は、JAMSTECと深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています


2020.01.15 トリーター:八巻

2020/01/15 鹿児島湾及び周辺海域調査航海(1)
航海日誌1日目

期間:2020年1月15日(水)~1月22日(水)
場所:鹿児島湾及び周辺海域
目的:コノハエビはポンペイワームを超える? ~鹿児島熱水噴出域産コノハエビ類の高温耐性に関する研究


みなさんこんにちは!航海が始まりますよ!
今回の航海は今日から1週間の予定で、調査海域は鹿児島湾周辺、航海日誌は私 八巻がお送りします。
乗船するのは、先日の杉村トリーターと同じ、JAMSTECの東北海洋生態系調査研究船「新青丸」です。
本日は乗船日のため、乗船地となるJAMSTEC横須賀本部へ向かいました。
到着すると、岸壁には今回乗船する「新青丸」がとまっています。


私はこれまでJAMSTECの調査船に何度か乗船したことがありますが、「新青丸」は初めてです。
調査船といえば、船尾に搭載されている巨大な四角い枠、Aフレームと呼ばれる装備が特徴的です。これは無人探査機などの大きな調査機器をデッキから海へ繰り出したり、海からそれらの調査機器を揚収するときに必要なものです。
青く塗られていることが多いJAMSTECの調査船のAフレームですが、「新青丸」のものは船体と同じ白っぽい色で、形も少しメカニックな雰囲気を感じます。
話を聞くと、新青丸の前身となる学術研究船「淡青丸」のボディーカラーの流れをくんでいるそうです。歴史を感じますね。
Aフレームの下には、今回の海底調査に使用する無人探査機「ハイパードルフィン」が見えます。ハイパードルフィンは船上からケーブルを通じて操作する遠隔操作型のロボット、ROV(Remotely Operated Vehicle)と呼ばれるタイプのものです。


出航は14時の予定ですが、1時間前には乗船し、出港を待ちます。
長いように感じましたが、船室に私物を置きにいったり、調査関連の荷物の整理をしたり、一緒に乗船する方や船の方にあいさつをしたりしているうちに、あっという間に1時間が経って、いよいよ出航となりました。
船が岸壁からゆっくりと離れ、いよいよ航海が始まります!
たくさんの方々が岸壁に集まり、手を振って見送ってくださいました。


「新青丸」が出航の合図の汽笛を鳴らすと、となりにとまっていた海底広域研究船「かいめい」も汽笛で返してくれます。


汽笛の音を聞くと、「よし!航海が始まるぞ!」と気分が高揚しますし、気持ちや体も航海モードにシフトし、気合が入ります!
汽笛の音はとても好きで、とても大切な音です。
今日から2日半は鹿児島に向かう回航となります。1週間頑張ります!


JAMSTEC(海洋研究開発機構)KS-20-2 新青丸/ハイパードルフィン 「コノハエビはポンペイワームを超える? ~鹿児島熱水噴出域産コノハエビ類の高温耐性に関する研究」を目的とした調査航海

新江ノ島水族館は、JAMSTECと深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています


2020.01.08 トリーター:杉村

2020/01/08 相模湾・伊豆小笠原海域調査航海(2)
航海日誌2日目

期間:2020年1月7日~1月11日
場所:相模湾・伊豆小笠原海域
目的:シンカイヒバリガイ類の共生細菌取込みに関する研究航海


本日航海2日目です。
依然として伊東沖に避泊中です。
天気は朝から小雨がぱらつき、風は強く、うねりがあって、時々船がゆっくり大きく揺れます。
船から伊東の港と町がすぐ近くに見える場所にいますので、伊東の港近くにいる方は、新青丸が見えたと思います。

朝起きると、まずは昨日から船上で飼育をしているヒバリガイたちと水槽内のチェックです。
飼育水に濁りや臭いはないか、冷却クーラーや汚水除去装置に異常がないかなど一通りのチェックが終わると、AM 7:00に朝食をとりながら今日の飼育管理作業を考えます。
食後には乗船研究者全員でのミーティングを行いました。
今日は予定通りこの場に避泊することになり、首席研究者からは今後の海況によってスケジュールの変更があるとのことでした。
1日この場所で避泊するになりましたので、ゆったりと・・・としたいところですがそうはいきません。
研究者のみなさんは、それぞれの担当に分かれて昨日からの実験の処理を行っていました。 私はというと、明日からの予定の変更を見据えて、水槽のメンテナンスに加えて用意していた予備用の水槽の立ち上げを行うことにし、午前中は水槽増設作業、午後からは換水とメンテナンス、そしてサンプリングされた生物の処理や記録用の撮影などを行いました。
サンプリングされた深海生物はとても貴重ですから、すべてデータベース化され、いつどこで誰によって使用され、その後管理されるのかをすべて記録してJAMSTECで管理されます。そのための作業も船上でしなければいけないのです。
この作業はなかなか大変で、今日のように船がほとんど揺れることはない時は良いのですが、海が荒れていると揺れながら PC画面と格闘しなくてなりません・・・


作業の一間・・・ 潜航を待つハイパードルフィン
小雨が止んできました。


ブリッジから見える初島

船の上にいると時間が経つのがとても早く、あっという間に1日が過ぎてゆきました。
非日常感がそうさせているのかもしれないですね。
船の上は、なかなかハードですが毎日がとても充実しています。

明日からは、いったいどうなるのでしょうか?
小笠原まではちょっと雲行きが怪しくなってきました・・・
天候ばかりは・・・ 祈るばかりです。

では、また明日。


JAMSTEC(海洋研究開発機構)KS-20-1 新青丸/ハイパードルフィン 「シンカイヒバリガイ類の共生細菌取込みに関する研究航海」を目的とした調査航海

新江ノ島水族館は、JAMSTECと深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています


2020.01.07 トリーター:杉村

2020/01/07 相模湾・伊豆小笠原海域調査航海(1)
航海日誌1日目

期間:2020年1月7日~1月11日
場所:相模湾・伊豆小笠原海域
目的:シンカイヒバリガイ類の共生細菌取込みに関する研究航海


みなさん、こんにちは!
実に1年半ぶり3回目の新青丸の調査航海です。
今回の調査海域は、相模湾と伊豆小笠原海域です。
相模湾は、2016年以来ですから3年半ぶりくらいになり、とても久しぶりの調査になります。

2020年の第1回目の航海です!
ちょっとドキドキなのですが、なんと海況が良くないらしい・・・
昨日の6日に航海の積み込みを行い、その時に乗船研究者のみなさんとお話しをしたところ、太平洋岸から沖にかけて、大きな低気圧が来ているとのこと。
げげっ! 全く天気を気にしていなかった自分が・・・
完全に油断してました!!
そのため、急遽 2時間も早く出港することに・・・
本日朝 6:30頃には、JAMSTECの横須賀本部岸壁に停泊中の新青丸に乗り込み、8時に出港しました。


JAMSTECに到着!・・・まだ暗いです。


朝早いにもかかわらず、JAMSTECの研究者や職員の方数人が、我々を見送ってくれました、ありがとうございます・・・涙。


・・・そして、お昼には相模湾の初島沖に到着し、直ぐに記念すべき2020年初ダイブ(HPD#2098)です。
※今まで私の乗った航海では出港したその日にダイブすることは無かったのですが、今回は海況が悪くなるとのことで、このようになりました。

相模湾の海底 900m地点の目的地に迷うことなく一発到着です。
海底での作業は 2時間です。
ROVによる深海での作業の 2時間は非常に短く、船上で行う実験用のヒバリガイサンプルの採集と、現場に設置されていた実験装置の回収を何とか時間内におこない、本日のミッションは終了しました。


ハイパードルフィン潜航開始!

相模湾の海底は久しぶりですが、シンカイヒバリガイやヘイトウシンカイヒバリガイの大きなコロニーは健在で、手の平サイズのヒバリガイから米粒ほどの小さな稚貝までハイパードルフィンのカメラに映し出されました。
密集したヒバリガイの隙間には、サガミハイカブリニナやゲンゲの仲間、オハラエビ、クモヒトデなどが数多く観察出来ました。
ヒバリガイコロニーから少し浅場の 850m付近では、シロウリガイの巨大コロニーも健在で、みんな元気良さそうで安心しました。
それぞれのコロニーの周囲にもホラアナゴの仲間やソコダラの仲間、海中には多くのマリンスノーとそれに混じってヒドロクラゲや浮遊性の甲殻類たちを観察出来ました。
荒涼とした深海底で深海生物を見つけることはとても大変なことですが、シロウリガイやヒバリガイたちが集まる湧水域で、とても多くの深海生物たちにまた会えてとても嬉しい気持ちになりました。

午後 5:00 ハイパードルフィンが新青丸の甲板に揚収されると・・・
研究者のみなさんはサンプルの処理、私は生物のソーティング作業と飼育管理の仕事を夜遅くまで慌ただしく行いました。


ラボでソーティング中の私

明日は、伊東沖に低気圧を避けての避泊になります。
航海初日、バタバタと過ぎてしましました。
明日は少しは落ち着いて仕事が出来るかな・・・?
それよりもこの海況で小笠原には行けるの?

ではまた、明日。


JAMSTEC(海洋研究開発機構)KS-20-1 新青丸/ハイパードルフィン 「シンカイヒバリガイ類の共生細菌取込みに関する研究航海」を目的とした調査航海

新江ノ島水族館は、JAMSTECと深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています


2019.12.26 トリーター:足立・西川

2019/12/26 豊潮丸 硫黄島周辺海域生物採集調査航海(8)
航海日誌 8日目/足立

期間:2019年11月1日(金)~2019年11月8日(金)
場所:鹿児島県硫黄島周辺海域
目的:ドレッジやプランクトンネット、潜水による生物の採集および海洋環境調査


豊潮丸を下船してから1か月半が過ぎました。
今頃(8)?と思われている方もいらっしゃると思いますが、12月14日に、タイワンホウキガニの展示を開始しましたので、今回の報告をもって、この航海採集日誌を締めたいと思います。
採集から展示まで、今回は結構日数を要しましたが、新しい生物を展示するためには、まずバックヤードの予備水槽で体のようすや摂餌などの状態を確認します。
展示する場所が決まったら、その水槽用の解説板を作ります。同時に、もともと展示していた生物の引っ越し先を整え、すべての準備が整ったところで入れ替えを行います。
そして、こちらがその展示水槽です。海底温泉を模して仕込んだブクブクにもご注目ください。


・・・地味ですね(笑)
海底温泉という面白い環境が、水深10m以深という意外と身近なところにあって、そこにカニがいて、バクテリアを食べている・・・
華やかな生活を送っているとは到底言えませんが、知っていて損はない生き物です。ぜひ展示をご覧になって、こんなカニもいることを知っていただきたいと思います。
水族館の職員として、調査・採集に参加したら、「展示」がひとつの大きな目標です。今回は、生きているタイワンホウキガニを展示することができたので、これでまずは無事にミッション終了です。
豊潮丸でお世話になったみなさま、改めて、ありがとうございました。



2019.11.07 トリーター:足立・西川

2019/11/07 豊潮丸 硫黄島周辺海域生物採集調査航海(7)
航海日誌 7日目/西川

期間:2019年11月1日(金)~2019年11月8日(金)
場所:鹿児島県硫黄島周辺海域
目的:ドレッジやプランクトンネット、潜水による生物の採集および海洋環境調査


航海7日目。昨日からずっと船が動きっぱなしです。
今朝はゆらゆらと大きく揺れて船酔いしてしまいそうでしたが、それでも甲板に出れば日が差し、気持ちのよい朝でした。
今日は九州と四国の間で調査をしました。


ドレッジ採取物


ソリネット採取物

今回も砂が多く入っていましたが、これまでの水底調査の中では一番生物が多かったように思います。
特にソリネットでは、たくさんのエビやウミシダが採集できました。
水深が比較的浅めだったので温かい水温で飼育しています。

調査の合間のタイワンホウキガニのお世話では、1日1回エサをあげ、しばらくしたら食べ残したエサを回収し、水を換えます。
それから今回はプラスチックのサンプル瓶で飼育しているので、酸欠にならないように酸素を充填してから蓋をしています。
甲幅 2cmほどの大きい個体から、数mmの小さな個体までいるので、エサをいきわたらせるのは大変ですが、よく共食いをしてしまうそうなのでそんなところにも注意して管理しています。


オキアミを食べるタイワンホウキガニ


今日はプランクトンネット採集が、21時から 3時間毎に 5回あります。
これがこの航海の最後の調査です。
夜間の採集なので表層にあがってきた深海生物を採集できる可能性が高く、クラゲはもちろんですが珍しい深海魚も期待できます。
1回目、21時の調査結果はこんな感じでした。


21時プランクトンネット採取物

ヤムシやサフィリナというカイアシの仲間が採集できましたが、大きな生物はいませんでした。
この後もまだ 4回チャンスがありますので、ワクワクして今夜は寝られないですね。

最後に今回の航海で採取されたゴミを紹介します。
乗船時の自己紹介で、海のゴミを集めていますと言ったら笑いを取ることができました。
確かにゴミを集めているのは変人に見えるかもしれませんね。
現在、自然に分解されない海洋プラスチックを魚やイルカ、ウミガメなどが食べてしまうことが大きな問題になっています。
今回の航海だけでこれだけのゴミを集めることができました。
(豊潮丸乗船のみなさま、集めていただきありがとうございました。)
いつか海洋プラスチックを集めようとしても、全く採取されない調査航海に乗船したいです。


採取された海洋プラスチックゴミ


2019.11.06 トリーター:足立・西川

2019/11/06 豊潮丸 硫黄島周辺海域生物採集調査航海(6)
航海日誌 6日目/足立

期間:2019年11月1日(金)~2019年11月8日(金)
場所:鹿児島県硫黄島周辺海域
目的:ドレッジやプランクトンネット、潜水による生物の採集および海洋環境調査


朝 8時、鹿児島港を出航しました。
前半一緒に乗船していたかごしま水族館の方たちが見送りに来てくれました。


かごしま水族館のスタッフの方々


桜島


朝食後、昭和硫黄島で採集したタイワンホウキガニの大きさを測定しました。
このカニの研究をしている北里大の学生さんに、扱い方のコツなど色々教えてもらいました。
4mmから 1.5cmぐらいのものが各種サイズ採集できていましたが、雌雄の割合を見ると、かなり雄が多かったです。
水を換えて作業を終了すると11時ちょっと前。
今日の昼食当番の私はギリギリ間に合いました。



作業のようす


食器洗いが一段落してから甲板に出ると、美しい成層火山の開聞岳が見えました。
そして反対側には佐多岬。鹿児島湾ともお別れです。
豊潮丸は佐多岬を回って九州を北上し始めました。
湾を出たら揺れ始めました。
揺れる前に作業をしておいてよかった、、、、


開聞岳




2020/01/19 鹿児島湾及び周辺海域調査航海(5)

2020/01/18 鹿児島湾及び周辺海域調査航海(4)

2020/01/17 鹿児島湾及び周辺海域調査航海(3)

2020/01/16 鹿児島湾及び周辺海域調査航海(2)

2020/01/15 鹿児島湾及び周辺海域調査航海(1)

2020/01/08 相模湾・伊豆小笠原海域調査航海(2)

2020/01/07 相模湾・伊豆小笠原海域調査航海(1)

2019/12/26 豊潮丸 硫黄島周辺海域生物採集調査航海(8)

2019/11/07 豊潮丸 硫黄島周辺海域生物採集調査航海(7)

2019/11/06 豊潮丸 硫黄島周辺海域生物採集調査航海(6)

2019/11/05 豊潮丸 硫黄島周辺海域生物採集調査航海(5)

2019/11/04 豊潮丸 硫黄島周辺海域生物採集調査航海(4)

2019/11/03 豊潮丸 硫黄島周辺海域生物採集調査航海(3)

2019/11/02 豊潮丸 硫黄島周辺海域生物採集調査航海(2)

2019/11/01 豊潮丸 硫黄島周辺海域生物採集調査航海(1)

2019/09/04 相模湾沿岸

2019/08/09~08/12 岩手県宮古沖体験乗船(3)

2019/08/09~08/12 岩手県宮古沖体験乗船(2)

2019/08/08 岩手県宮古沖体験乗船(1)

2019/07/25 勢水丸 三重県沖生物採集航海(4)

2019/07/24 勢水丸 三重県沖生物採集航海(3)

2019/07/23 勢水丸 三重県沖生物採集航海(2)

2019/07/22 勢水丸 三重県沖生物採集航海(1)

2019/06/27 外来巻貝調査(1)

2019/05/30 豊潮丸 黒潮流域調査航海(11)

2019/05/29 豊潮丸 黒潮流域調査航海(10)

2019/05/28 豊潮丸 黒潮流域調査航海(9)

2019/05/27 豊潮丸 黒潮流域調査航海(8)

2019/05/26 豊潮丸 黒潮流域調査航海(7)

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