2006年07月18日
トリーター:植田

失われた輪


先日の夕刊に、エディアカラ生物群に属す生き物の化石が中国南部から見つかった、という記事がありました。
この化石は古生代カンブリア紀の初期、今から 5億2千万年前の地層から発見されたそうですが、エディアカラ生物群(動物群)の生物の特徴である、植物の葉のような模様というか作りをしているそうです。
ここで問題なのは、このエディアカラ生物群というのは、今から 6億年以上前の先カンブリア代に栄えた生物群で、その大半がカンブリア紀までに滅びてしまったということなのです。それがカンブリア紀の地層から見つかったということで、生物の進化について新たな発見が得られた可能性がありますが、まだこの化石の数が少なく、今後更に調査をしていかなければ、何ともいえないそうです。

さて、ある生物群と別の生物群との進化上の間に位置する生物は極めて少なく、「失われた輪」とも呼ばれます。
この新江ノ島水族館の深海展示コーナーに、オセダックス(通称ゾンビワーム)という生物がいますが、この種類はハオリムシ類が属す有鬚動物門とゴカイなどが属す環形動物門のちょうど中間的な形質を持った種類だといわれています。ということで、とても珍しい生物であるという目でもう一度みなさんもオセダックスを見ていただければ幸いです。

通称 ゾンビワーム通称 ゾンビワーム

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

RSS