2007年04月22日
トリーター:植田

カツオとカツオノエボシ

今年の春は、ちょっと天候不順で、肌寒い日もあったりで、春らしくないなって感じられるかもしれません。
しかし例年 4月も終わりにさしかかり、季節に初夏の兆しが見えるころになると、カツオの旬を迎えます。
なぜこの時期カツオが旬なのかというと、南方系の魚のために、初夏の黒潮の流れに乗って南の方から北上し、この時期本州の沿岸で多く獲れるからだといわれます。
いわゆる「のぼりガツオ」が、漁期となるわけです。

このカツオと時期を同じくして、相模湾の沿岸にやって来る生き物がいます。
それはクラゲで、みなさんも一度はその名前を聞いたことがあるでしょう、「カツオノエボシ」と呼ばれるクラゲです。そうカツオの帽子(古来のですが)という意味ですね。
このカツオノエボシは、ちょっと気をつけないといけないクラゲです。造りは、鮮やかな青色の、一見すると変な餃子のような形の風船です。
クラゲとは思えず、おもちゃかなと錯覚してしまいます。そこで何気なく手に取ってしまうと大変なことになります。
この風船状の本体の下に毒の強い刺胞をたくさん備えた触手があります。これに触れるとたちどころに刺されて大変痛いそうです。
私が旧・江の島水族館に入社した頃、ゴールデンウィークの時期に、水族館前の国道 134号線を日中に何度も救急車が走り過ぎる光景を見ました。
そのときはその理由がよく分からなかったのですが、後日になって、大量に打ち上げられたカツオノエボシを何気なく手にした行楽のお子さんが刺されて、救急車で運ばれたということを聞きました。

最近相模湾では、カツオノエボシの大量打ち上げの話はありませんが、海岸でこの時期に大きさ 10cmほどの青い風船が落ちていても、決して素手では触らないことですね。

カツオノエボシカツオノエボシ

クラゲファンタジーホール

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