2010年02月08日
トリーター:植田

冬場の磯場


このコーナーで何度か紹介されたことがある磯の採集について、またお話したいと思います。

みなさんは、春から夏の頃、潮干狩りに出かけたり、磯遊びをしたりされることがあるでしょう。
この時期、大潮の最も良くひく時間帯-最干潮-が昼間に当たり、海岸での活動に好都合だからですね。
また、日差しは適度に強く、しかも潮風が心地良い時期でもあります。
海岸でのんびり骨休めをするにも良いでしょう。

一方、立春を過ぎたとはいえ、2月の初旬から中旬は年間を通して最も寒くなる時期ですね。
海岸に出かける気持ちも起こらないでしょう。
しかしながら、我々水族館屋にとっては、冬場でしかなかなか入手できない磯の生物を手に入れる絶好の時期になります。
特に満月と新月の頃、月 2回訪れる大潮の期間には海岸のようすがすっかり変わるほどに潮が引きます。
その最干潮の時間帯に磯を探索すると、「冬の使者」ダンゴウオを見つけられますし、新鮮な打ち上げ海藻のアラメやカジメなど拾い集めることもできます。
また昨年の 12月から出会いの海水槽で本格的に展示を始めたムギイワシを採集するにも絶好の機会となります。
日によって違いますが、おびただしいほどのムギイワシが波打ち際で群れ泳ぐさまはこの時期ならではです。

ムギイワシムギイワシ

相模湾ゾーン

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