2012年11月10日
トリーター:鈴木

イルカ・クジラ入門 7

~イルカ・クジラの祖先は?~


こんにちは鈴木です。
今回はサクッと短くお送りできるように頑張ります。
では始めます!

イルカ・クジラ(鯨類)の祖先は永い間、大昔に陸上で生活していた四足の肉食動物の「メソニクス」(聞いたことありませんか?よく見る想像画では顔の長い犬のような動物です)であるとされ、約 6500万年前に、このメソニクスが水中生活へと移行し、現在の鯨へと進化していったと考えられてきました。

しかし・・
近年の研究により、それは違うということが分かってきました。
では鯨類の祖先は何かというと・・

動物園でお馴染みのウシやキリンなどの仲間が含まれる、「偶蹄類(四肢の蹄の数が偶数の動物です)」ではないかという説が有力になっており、なんと、もっとも近縁な哺乳類は「カバ」であることが分かりました。
有名な話ですが、改めて驚きですね・・。

この偶蹄類の分化の道筋をたどると、最初にラクダが分かれ、次にイノシシやブタの仲間、そしてキリンやヒツジの仲間と分岐し、そしてカバの祖先から分かれて原始的な鯨類が現れたそうです。
また、これらのことを反映し、最近では鯨目(類)と偶蹄目を一つの仲間にまとめた「鯨偶蹄目」という呼称が普及していきています。

ちなみに、私はカバのことは全く知らなかったんですが、実はカバと鯨類はいろいろと共通点が多いらしく、水中を生活場所としていること(育児も水中でするようです)や、ほとんど毛がないこと、またなんと、水中で音を使ってコミュニケーションがとれること(これは驚きでした!)などの共通点があるそうなんです。
いやー知りませんでした。
カバは音によるコミュニケーションができたんですね。
でも確かに、カバが水面に鼻と目を出して周囲をうかがいながら泳ぐようすを見ると、何となくクジラのようにも見えてきますね(私だけでしょうか・・)。

以上です。
いやー、全くサクッとしませんでしたね・・。
難しい文章ですみません・・。

最後に私事ですが、前回の日誌(イルカ・クジラ入門 6)について、よく水族館に来てくださるとてもお若いお客さま(私と 20歳くらい違うでしょうか・・?)から、勉強になりました、という大変ありがたいお言葉をいただきました。
毎回文章が難しいので、そういったお客さまからそのようなお言葉をいただけたのは、本当に嬉しかったです。
ありがとうございました。
そのお客さまはとても勉強熱心で、毎回トリーターにいろいろな質問をしては、それをノートに書いています(私も見習わなければ・・)。
また、魚類にも精通しているとのことで、魚類出身の私としては久々に聞いた魚の名前たちに心が躍りました!笑(またウィーディーシードラゴンの話をしましょうね(^^)/)
これからもみなさまと一緒にいろいろと勉強していければと思いますので、今後ともどうかよろしくお願いいたします。

それでは失礼いたします。

バックナンバー
イルカ・クジラ入門 1 ~イルカとクジラの違いは?~
イルカ・クジラ入門 2 ~イルカ・クジラの語源~
イルカ・クジラ入門 3 ~イルカ・クジラの仲間は何種類いる?~
イルカ・クジラ入門 4 ~イルカ・クジラの泳ぐ速さは?~
イルカ・クジラ入門 5 ~イルカ・クジラはどのくらい潜る?~
イルカ・クジラ入門 6 ~イルカ・クジラの体色のひみつ~

バンドウイルカバンドウイルカ

RSS