2014年07月01日
トリーター:植田

今年もクサフグの産卵時期となりました

クサフグの産卵クサフグの産卵

例年、6月から 7月初旬に相模湾沿岸でクサフグが産卵するため海岸に集まってきます。
昨日も相模湾内のとある磯場に出かけ、クサフグの産卵を観察してまいりました。
この日は新月日の 3日後で、最も大きく潮が上げ下げする日の 2日後で、これまでの経験では、クサフグの産卵行動が最も活発化する日に当たります。
その予想の元に、現地へ観察に向かったのですが、フグはかなり警戒してなかなか放卵・放精の行動に移ろうとはしませんでした。
現場と思しき波打ち際から 10m程度遠方より身を低くして待つことおよそ 50分、波打ち際で徐々にしぶきが上がるようになってきました。
さらにしばらくするとそのしぶきが上がる周辺の水が白濁しだしました。
そのようすを確認して、徐々に距離を詰めるように接近してみますと、10から数十個体のフグたちが波打ち際で陸に乗り上げるように集まって静止している状態を観察することができました。
波が打ち寄せるたびに複数の個体が激しく尾を振ってしぶきを上げ、その瞬間に放卵と放精を行っているように見受けられました。

毎年、この時期にクサフグたちがおこなう懸命の繁殖行動ですが、フグのようすを見ていると波打ち際から数mのところには集合しているものの、人影を見るとすぐに沖の方に逃げるそぶりを示します。
一大事の前はかなり警戒しているのでしょう。
来年も、またさらにその次の年も、フグたちが無事繁殖することを願ってやみません。

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