2014年10月16日
トリーター:植田

ウミガメならぬ海にカメ

ミシシッピアカミミガメミシシッピアカミミガメ

本日午前中のことですが、当館に外部から通報が入りました。
お知らせいただいたことには
「イルカショースタジアム前の浜にウミガメが歩いています。
清掃車も行き来しているので、ひかれたら可哀そう。」
という内容でした。
いわれた浜辺に駆けつけてみると、カメが 1匹のそのそと砂の上を這っているではありませんか。
でもシルエットとしてはウミガメ類ではないような。
さらに近づいて見てみると、首の横側にはっきりと赤いスポットの模様があります。それは正しく外来種のミシシッピアカミミガメ、しかも甲羅の長さが 15cmを超えるほどに成長したカメです。
間近まで寄ってみると、当のカメもこちらに気づいたらしく、首と四肢を甲羅の中に引っ込めて全く動かなくなりました。
そのまま放置するわけにもいかず、仕方なしに当館に一時収容することとなりました。

当館前の片瀬西浜は東西に広がり、東に約 600mのところに境川、西に約 1.1kmのところに引地川の河口があります。
これらの川ではそこで繁殖したらしいアカミミガメの目撃情報もあります。
どうやら、先日の台風 19号による雨で川が増水し、激しい流れでアカミミガメが海まで押し流されたものと想像されます。
海まで流された後、一生懸命泳ぎ続け、ようやくの思いで海岸までたどり着いたのかもしれません。

アカミミガメについては当館で当面展示の予定はなく、このカメの引き取り先を探しているのが現状です。
カメには何の罪はなく、飼いきれなくてそっと河原に置き去りにする私たち人間の身勝手が、いわゆる「野良ガメ」を増やす大元だと考えられます。
カメを飼育するときは一生付き合うことを肝に銘じて飼い始めたいものです。

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