先月の 2月 25日より飼育を開始しているメンダコが餌を食べました!
タコの口は体の下にあるため、摂餌の決定的瞬間は見ることはできませんでしたが、明らかに餌を捕らえ口に運ぶ行動を見せました。餌も残っていないことから食べたといってよいでしょう!
メンダコが餌を食べたのはおととし以来でしょうか。長期飼育の可能性が見えてきました!
YouTube 2013/ 03/ 04公開[メンダコがきょうも餌を食べた?]
杉村さんの日誌( 2013/ 03/ 01 メンダコ ニュース! 第 2弾!! )にもありますが、それまではメンダコが餌を食べたという報告は見当たりませんでした。当時は「飼育下のメンダコは餌を食べない」というのが定説となっており、「メンダコの飼育は数日が限度」というのが、水族館業界でも一般的な認識でした。
ただ、このような定説というのは案外思い込みの部分が多いものです。サクラエビの飼育に挑戦した際も「すぐ死ぬ」、「アンモニアに物凄く弱い」、「飼育はできないのでは?」などといわれていましたが、実際に扱ってみるとサクラエビはなかなか丈夫なエビでした。餌も貪欲に食べますし、ひ弱な印象など全く感じませんでした。(ただサクラエビはヒゲが弱く、すぐ切れ遊泳不能になってしまうため長期飼育には至っていません・・・)
そんな経験もあり「生き物なんだから何か食べるはず!」とマグロやイカ、オキアミなど水族館では一般的な餌を中心にいろいろと与えて反応を見ていたところ、サクラエビにたどり着きました。そして今回もサクラエビを食べています(餌は食用の冷凍サクラエビを与えています)。
給餌はこのような感じでおこなっています。
まずメンダコのそばの底にサクラエビを置きます。棒でそっとメンダコの方へ寄せて行きます。給餌の際は決してメンダコを刺激してはいけません。触ることはおろか、音や振動、光、水流などにも細心の注意を払い、そっ~とサクラエビを寄せて行きます。
餌に気づくとメンダコが反応を始めます。ここでメンダコのようすをよく観察します。餌に対して興味があるのかないのか、また嫌がっていのるかいないのか行動から読み取ります。
状態の良いメンダコは足を傘の様に大きく開き、バブルスライム(ゲームに登場するモンスター)みたいに底に張り付くようにしてじっとしています。餌を触れさせるのは腕です(確証はありませんが個人的には第 1腕や第 2腕あたりが良いような気がします)。
触れた腕を餌から離して行くようではダメ、完全に嫌がっています。モゾモゾ動かしている状態は興味があるサインです。
しばらく観察していると、普段は少し内側に巻いている腕の先がチョロチョロと出てきます。この状態は興味を持っているサインです。
さらに興味があると腕の先を餌の上に乗せ包むようにつかみ、そのままグッと口の方に運んでいきます。興味が無いと突然パコパコと泳いで逃げて行ってしまいます。
餌を掴んで口に運んだとしても安心してはいけません。ここから泳いで逃げることもありますし、移動してみると餌が残っていたりもします。その後のようすを数分見届け餌がないことを確認できれば「食べた」といえると思います。
きょうもこれから餌を与えてみます。今回も食べてくれれば長期飼育への道が明るいのですが。
“えのすい”の最長飼育記録は 2013年に飼育した個体の 22日、現在飼育しているメンダコは 15日目です。
このメンダコは展示水槽におりますので、ぜひご覧ください。
光や音に敏感ですので優しく観察してくださいね。
バックヤードにも 3月 3日に採集してきたメンダコを飼育していますが、餌に対してまだ嫌々モードです。
こちらも早く餌を食べてくれるといいのですが・・・。 きょうの給餌に期待です。