今週は、相模湾大水槽周辺でのおすすめスポットと、ちょっと気になる魚たちをご紹介いたします。
まず、おすすめスポットですが、相模湾大水槽の 2階エリアにある横に長いガラス窓です。ここから見える風景を 2種類紹介しましょう。
まず、
1. 横長窓の中央付近、手前の岩場の隙間越しに見える大水槽の底面風景です。
この長窓は、ガラス面が少し斜めになっているので、水槽を上から覗き込むようなイメージで見ることができます。そうすると、6.5mの深さを一気に見下ろすように見えます。もちろんイワシの大群も下に見えちゃいますよ。
私は、ここからの眺めが大好きです。
2. 横長ガラス窓の先の岩場が、あるホシエイの休憩場所になっています。
ここで休むホシエイは雌で、相模湾大水槽に暮らす魚たちの中で一番大きな体をしています。もちろんガラス面の近くですから、普段は泳ぎ去ってしまうホシエイの身体をじっくりと観察することができます。
この状態を、相模湾大水槽 1階正面から見ると、右上に大きなエイの尻尾の先端だけがピンッと飛び出して見え、とってもキュートです。
3. 続いて 2階横長窓から観覧順路を進むと、正面に海藻が繁茂した岩礁水槽が見えます。
海藻の成長に欠かせないのが、“海水の揺らぎと流れ”です。ここでは「ハイドロウィザード」と呼ばれる装置を使ってこの流れを作っているのですが、勢いよく噴出された海水に空気が混ざり、海水中に小さな気泡がたくさん広がります。そこに次の海水が勢いよく噴出されることにより、小さな気泡が流され、リング状に形成されます。いわゆるバブルリングができるわけです。
動物が作るバブルリングはもちろん楽しいですが、それを作ろうと思ってセッティングした訳では無い装置が、たまたまそうなっているところが面白いと思います。
この前で、タイミングよく記念写真が撮れたら、いいですね!
4. では、次に気になる魚たちをご紹介しましょう。
こちらの 2種は「それが何のためにあるのか? 未だに良く分かっていない。」という魚たちです。
上がヒメテングハギ、下がヒゲダイです。
ヒメテングハギは、幼魚の頃にはこの角状突起は見られず、成長とともに伸びてきます。また、ヒゲダイは名前の通り下顎の腹面に“ヒゲ”が密生しています。このヒゲは柔らかく、海水の流れになびくようすも観察できます。ただ、前記したように、この突起は戦う道具なのか? 獲物を獲る道具なのか? このヒゲは何かの感覚器なのか? それとも何かの目印なのか? などは未だによく分かっていません。
いずれも相模湾ゾーン最初の水槽(波が砕ける水槽の隣)で見ることができます。
5. 最後は、相模湾大水槽を 1階へ降りてくる途中の沿岸水槽で見られる光景です。
水槽の中央に筒状の物が吊り下げられていて、その筒の中に“にょろにょろ系”の魚が入っていますが~、よく見ると・・・??? 何か 1匹違うのが混じってる?!
アナゴに混じっているのは、アミウツボですね!
「っていうか、狭い、狭い!! しかも隣の筒は空っぽなのに~ なんで同じ所に集中するの?」
と思わず声を出してしまいそうな光景ですが、別に“中央の筒がみんなのお気に入り”で、“現在、争奪戦の真っ最中”というわけではありません。
アナゴもアミウツボも狭い所が好きで、お互いに体が接していた方が落ち着くようです。ですから、1匹で筒に入っていると、逆に不安で不安で仕方ないのだと思います。
まあ、アナゴもアミウツボもお互いに違う種だということは、考えたことも気にしたことも無いでしょう。でも何となく笑える光景ですね。
これは、筒に入ることが目的なので、頭側と尻尾側が互い違いになっていることもありますが、写真のようにみんな同じ方向で入っているようすも、時々見ることができます。
このように水槽をよ~く観察してみると、様々な発見があります。それは、もしかすると我々トリーターも知らない光景かもしれません。そんな日々繰り返されている水槽内のドラマや、お気に入りの景色を、ぜひ見つけに来てください。