トリーター日誌では飼育している魚の話が多いですが、今回はショースタジアムの海獣類に与えている魚(餌)にまつわる話になります。
現在、ショースタジアムにいるイルカやアシカに与えている魚は全部で 8種類になります。
20年近くの間、さまざまな餌を見てきましたが、昔は与える魚の種類を豊富にするのは困難で苦労しました。しかし、最近は充実した取り揃えを維持できるようになりました。たぶん、8種類の魚を餌として取り揃えている水族館はなかなかないのでは?と思います。
与えている魚の種類は・・・
サバ
脂がのった丸々としたサバではなく、脂が少ない細身のサバを与えています。
25㎝程度の大きさで身の締まったマサバ(ゴマサバではなく)が最高なのですが、ここ数年入手することができていません・・・
サンマ
脂が多いので、動物達の体重を増やす時には最高です!
今は身が太くて脂が多いサンマと脂が少なくて小さいサンマの 2種類を用意しています。
昨年はサンマを切らしてしまい、大変でした・・・
カタクチイワシ
“えのすい”のシラス展示で見ることできる魚です。
アシカたちに与えることが多い魚ですが、子イルカに与えることもあります。
「ピック」が初めて食べた魚はカタクチイワシでした。ちなみに「ミル」も良く食べます。
マイワシ
相模湾大水槽で見ることができる大群で泳いでいる魚です。
今、与えているのは 17cm程度で鮮度も良く、ほどほどに脂があって、なかなか良いです。
イカナゴ
与えている魚の中でもカルシウムを多く含む魚です。
イカナゴが不漁になる年が多いので、確保するのに苦労しています。
イルカもアシカも良く食べます。「サワ」と「ミル」が初めて食べた魚がイカナゴでした。
チカ
身が非常に締まっている魚です。白身で脂が少ないので、うまく他の魚と混ぜて与えることで、動物たちを満足させつつ、ダイエットさせることができるので、最高です!
今、与えているチカはかなり小さいので、正直なところ、もう少し大きいチカが欲しいです・・・
ニシン
大きいニシンはサンマと同じで脂が多いので体重を増やしたい時に与えます。
今は脂が多く大きいニシン( 25cm)と脂が少なく小さいニシン( 12cm)を用意しています。
ミルは小さいニシンを良く食べています。
シシャモ
昔は鮮度が悪いことがありましたが、最近は非常に鮮度が良く、入荷が安定しています。
体調不良で食欲がないイルカがシシャモなら食べるということがあります。
ほかの魚は日本で獲れた魚ですが、シシャモはカナダから輸入していて、オスのシシャモを動物たちに与えています。
なぜ?オスを与えているのかというと・・・ メスのシシャモは人が食べるからです。
動物たちはトリーターが与える魚を 100%信頼して食べてくれるので、常に鮮度の良い魚を用意しなければなりません。
鮮度がよく、いろいろな魚種を取り揃えておきながら、そして値段のことも考えなければなりません・・・
餌担当のトリーターの苦労の日々は続きますが、動物たちに良い魚を与えることができるように努力しています。