2015年05月16日
トリーター:西谷

ウミガメの採血、はじめました

「オスメスはっきりさせましょう! 健康管理もしていきましょう!」ということで始まったウミガメ採血プロジェクト。
ウミガメチームと獣医で協力し、3月から始動しています。
ちょっとかっこよく聞こえるかもしれませんが、作業自体は肉体労働です。

ウミガメのプールは 25℃の海水で満たされており、大人の事情で落水することはできません。
そこで、どういう風に採血をしているのかというと、
1. カメ担当のトリーターたちが餌を見せながらカメを浅瀬に寄せる
2. みんなで引き上げる
3. くびを伸ばす
4. シリンジにながーい針を装着
5. ぶすっ
6. プールに戻ってもらう

言葉にすると簡単に見えますが、実は①②③⑤に時間がかかります。
くびを甲羅に引っ込められないウミガメたちは無防備な状態で大人しいんでしょ、と思いきや、針を刺した途端、その引っ込められないくびを引っ込めようと必死に抵抗してきます。
そうなると大変。大きい子は 100kg超なので、おさえるトリーターたちも必死です。
だいたい開館前に行っているのですが、初めて採血した日はみんな汗だく砂まみれ。一日の仕事を終えた気分でした。

大仕事の甲斐あって、採血の結果からはいろいろなことが分かり始めています。
どの子がオスで、どの子がメスだということを予測したり、今年産卵しそうなカメを見分けたり...
一番驚いたのは、今年産卵しそうな子の血液のCa (カルシウム)値。他の子の 3倍もあります!
よくこれで生きられるねとつっこみたくなるくらいですが、それほど卵の殻のためにカルシウムが必要だということなのでしょう。
カラダってよくできていますね。

まだまだ謎だらけのカメの血液。これからも回数を重ねていろんなことを解明していきたいと思います!

ウミガメの浜辺

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