2015年06月12日
トリーター:杉村

今週のおすすめ

ノコギリザメノコギリザメ

ノコギリザメ
深海Ⅰ(クラゲファンタジーホール入り口横)の大きな水槽には、吻先がノコギリ状になったノコギリザメがいます。
吻先のノコギリの歯をよく見てみると大きな歯と小さな歯が交互に生えています。
ノコギリの付いた長く伸びた吻の下には長い一対の髭が生えていて、砂に隠れた獲物を探し、見つけた獲物をノコギリを左右に振って獲物を捕えて食べています。
“えのすい”でも、餌を与えるとノコギリを左右に振っています。
なかなか精悍なフォルムが魅力的です。


ユメカサゴ

ユメカサゴ
ノコギリザメと同居している、大きさ 25cm程度の深海性のカサゴの仲間です。
漢字で書くと「夢笠子」。
このとっても、すてきな名前の由来は・・・良く分かりません。
深海 500mまでの砂泥底で生活していて、底引網漁などで主に漁獲されます。
冬場の旬の生き物として、煮付けや唐揚げなどでよく食されます。
磯場にいるカサゴに比べて、頭のトゲも少なく、色はとても赤い美しい魚です。
しかし、水槽で飼育しているとその美しい赤さは徐々に黒く変わっていってしまいます。
深海の世界は、太陽の光の届かない暗い世界ですから、私たちの見ることのできる光は明るすぎて、日焼けのようにその影響を受けてしまうのでしょう。
美しい赤い姿を持続できるように頑張りたいです。


ノコギリザメとユメカサゴ
実はこの魚たち、時々面白いようすを見せてくれます。
ノコギリザメの背中や頭の上に、ユメカサゴがちょんと乗っかっていることがあります。
ノコギリザメの上に乗っているユメカサゴは、どうもいつも同じ個体のようです。
ザラザラ肌がユメカサゴにとって、気持ちいいのでしょうか。
なぜ乗っているかはわかりませんが、ちょっとした時に目に入るとなんだかホッとします。
必ず乗っているわけではありませんが、運がよければ、この不思議な 2匹のようすがみられるかもしれません。
深海の底に棲んでいてあまり動きまわらない生き物ですが、“えのすい”にお越しの際にはどうぞ気に留めてみてください。

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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