クサフグツクツクホウシの鳴き声を耳にすることが多くなってきました。
夜には虫の音もちらほら。
相変わらず猛暑は続いていますが、近づく秋を虫たちが教えてくれますね。
さて、今週のおすすめはテーマ水槽。
今月は海辺の「危険な生き物 食べてはいけない生き物」です。
[ 8月テーマ水槽「海辺の危ない生き物 食べてはいけない生き物」]
初めてのテーマ水槽担当で、みなさんに何をご紹介するか迷いましたが、夏休みに出会う機会が多いことと、自分が一番興味のある生物といった理由から、有毒生物を選びました。
毒のある生物の中で最も有名なフグの仲間からは、キタマクラとクサフグを展示しています。
どちらの種類も堤防などで釣れる機会の多いフグです。
ユニークな動きをするかわいい魚ですが、フグを調理する場合には専門の免許が必要なので、素人判断では絶対食べないように気を付けてくださいね。
スベスベマンジュウガニ
蟹類では、3大毒蟹といわれている中から、スベスベマンジュウガニとウモレオウギガニの 2種類を展示しています。
ウモレオウギガニは当館初展示です。
扇型の甲羅に、サンゴ礁に生息しているイメージにぴったりといった感じの、白と茶色の幾何学模様がとてもきれいな蟹です。
スベスベマンジュウガニは、赤みをおびたつるりとした丸みのある甲羅が特徴的な蟹です。
どちらもサンゴ石の下に隠れていることが多いので、じっくり探してみてください。
今回展示している生物の中で最強クラスの有毒生物として、ソウシハギを展示しています。この魚は、イソギンチャクの仲間を食べて、パリトキシンという毒を体内に溜めこみます。
パリトキシンは、フグ毒成分のテトロドトキシンに比べて格段に強い神経毒なので、食べてしまうと大変な場合があります。
ウナギ
その他に有毒貝類からは、ボウシュウボラ、血液に毒があるウナギ、シガテラ毒などを紹介しています。
ウナギやアナゴなどのウナギ型生物は、血液にタンパク毒があるタイプなので、熱を加えれば食べても全く問題ありません。ウナギは、生の血液が口や目に入らないように注意してください。
フグや蟹、ソウシハギなどは、食物連鎖の中で毒成分を溜めこむタイプで、毒の強さには個体差や地域差があります。熱に強い成分なので、煮ても焼いても毒が消えないことから、注意が必要です。
有毒と聞くとなんだか恐ろしくなってしまうかも知れませんが、これらの生物は向こうから刺したり襲いかかってきたりするわけではありませんので、食べる部分や食べ方に注意するか、食べなければ安全です。
有毒生物は、色彩や形、動きがおもしろいのでわたしは大好きです。
今回紹介できなかった種類もいますので、初めての場所で獲れた生物は、地元の方に聞いたり、図鑑で調べたりしてから食べてくださいね!
たくさんの不思議な生き物に出会える、楽しい夏休みをお過ごしください。
そして、今週最後のおすすめです。
櫻井トリーターからもご紹介いただきましたが、この夏、ダイビングショーuogokoro(うおゴコロ)にデビューすることになりました。
あまりにも高いハードルにびっくりですが、新人うおゴコロダイバーとして、あまりにも熱い櫻井トリーターの意気込みを上回る勢いで頑張ります。
えのすいでお会いしましょう!