2015年08月15日
トリーター:杉村

沖縄の調査航海から帰ってきました!!

ゴエモンコシオリエビゴエモンコシオリエビ

先日、JAMSTECの沖縄調査航海から水族館へ戻ってきました。
7月 27日~ 8月 7日までの 12日間の乗船でした。
どんな航海だったかは、航海日誌をご覧ください。

さて、今回の航海で沖縄の熱水域からは、長期飼育実験用にゴエモンコシオリエビとオハラエビとその仲間を水族館へ持ち帰りました。
ゴエモンコシオリエビは、カニとエビの中間にあたるヤドカリに近い仲間の甲殻類です。
エビやカニたちの脚はよく見るといくつかの節に分かれています。
ゴエモンコシオリエビは、付け根周辺から長節と呼ばれる節にかけてとても立派な「胸毛」を生やしています。


立派な胸毛のゴエモンコシオリエビ

熱水域では、熱水から噴き出る硫化水素やメタンなどを利用して生きるバクテリアたちが生活していますが、ゴエモンコシオリエビはこのバクテリアを自分の立派な胸毛につけています。
このバクテリアを食して生きていることが、最近の研究で科学的に証明されました。ですが、なかなか長期にわたり飼育までには至っていない、まだまだ謎多き深海生物なのです。

“えのすい”では、このゴエモンコシオリエビを水槽内で長期にわたり飼育していく技術開発の研究をするため、飼育実験をおこなうゴエモンコシオリエビには全て名前がついています。
・・・とはいっても、識別番号のようなものですが・・・
番号を見れば、何時、どこの海域のどの場所でサンプリングされたかが一目瞭然というわけです。
今、“えのすい”で飼育しているゴエモンコシオリエビは、昨年の 12月にサンプリングされた個体たちとほぼ同じ場所でサンプリングされた今回の個体がいます。
昨年 12月の個体が白いテープで「S 14-○○」、今年は緑のテープで「S 15-○○」となっています。
今年の個体たちは、まだ予備水槽で実験の準備をしていますが、準備ができ次第、化学合成生態系水槽や他の水槽で実験公開いたしますので、チェックしてみてください。

他の飼育観察用に大型の甲殻類の背中には何か意味のある番号が・・・
ユノハナガニも・・・

深海Ⅰをご覧になる時のまめ知識として観察してみてください。


関連日誌
2015/ 07/ 27~ 2015/ 08/ 07 中部沖縄トラフ調査航海日誌

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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