みなさん、こんにちは!
前回はメインプールで生活している個体の識別方法を書いたので、次はブリーディングプールで生活している個体と、カマイルカの個体識別について書こう!
・・・と思っていたのですが、今回は先日お客さまからいただいた質問について書きたいと思います。
どんな質問かというと
『ハンドウイルカとバンドウイルカ、どっちが正しいのでしょうか?』
なるほど、
確かに水族館や本、テレビ等で見るイルカの表記は両方ありますよね。
みなさんはどちらの方が正しいと思いますか?
どちらかというとバンドウイルカの方がなじみ深いのではないでしょうか。
正解は、どちらも正しいんです。
ですが、もともとはハンドウイルカと呼ばれていました。
みなさんご存知でしたか?
“えのすい”ではどちらで呼んでいるかというと、バンドウイルカです。
ではなぜバンドウイルカと呼ばれるようになったのかというと、
1957年に海獣研究者である西脇晶治氏が名づけたとされており、その後どっちの名前をつかっていくか曖昧なまま歳月は進み、現在へと至ったといわれています。
ちなみにハンドウイルカの「ハンドウ」とは諸説はあるのですが、
漢字で書くと半道と書き、中途半端という意味が有力だとされています。
すごく失礼な気もしますが...
いったい何が半端ものなのでしょうか。
それを説明するためにまず、イルカとクジラの違いから簡単に説明させてください!
実は、イルカとクジラは分類学的にはどちらも同じクジラ目の仲間なんです。
クジラ目の仲間はクジラヒゲと呼ばれるヒゲを有する「ヒゲクジラ」と歯を有する「ハクジラ」に分けられているのですが、ハクジラの中で小型なもの ( だいたい 4m以下 ) をイルカ、大型のものを ( だいたい 4m以上 ) クジラと呼んでいます。
つまり、大きさでイルカとクジラに呼び分けているだけなんですね。
(この分け方はすごく曖昧で 4m以下でもクジラと呼んだり、4m以上でもイルカと呼ぶ例もあります。)
さて、なぜハンドウイルカが半端者なのか、その話に戻りましょう。
ハンドウイルカは最大で 3.5mほどになるのですが・・・
3.5m・・・イルカなの?クジラなの?
大きさが中途半端だな!
半端なイルカだ!!
ハンパナイルカだ!!!
ハンドウイルカだ!!!!
という訳なんです。
ふざけている訳ではありませんよ。
これが最も有力な説なんです。
いかがでしたか?
生き物の名前にはきちんと意味があって調べてみると意外と面白いかもしれませんね。
ぜひ、水族館に遊びに来て面白い名前の生き物を探してみてください。
それでは本日はこの辺で失礼します。
バックナンバー
[2015/ 05/ 30 海獣類について詳しくなろう!! Part 1]
[2015/ 06/ 14 海獣類について詳しくなろう!! Part 2]
[2015/ 08/ 06 海獣類について詳しくなろう!! Part 3]