ユノハナガニ
~ユノハナガニは、果たしてどれほどの温泉好きなのか?!~
ユノハナガニは、熱水噴出域に棲んでいて眼の退化の進んでいる白いカニです。
特に水圧をかけなくても飼育のできる深海生物で、小笠原や沖縄などの水深 400~ 1,300mの熱水の湧き出る深海底に湯の花を思わせるように白く点在してみられます。
深海Ⅰの飼育コーナーでは、チムニーから出ている温泉源に背中をつけて温まっているところが観られます。
何匹かが、チムニーに集まっていますよ。
これまで、“えのすい”の深海チームでは卵を持ったユノハナガニが水槽に出した温水を利用して卵を温める様子を観察し、幼生を採取することができています。
そこで、今回は卵を持っていないユノハナガニは、いったいどれだけ温泉が大好きなのか?そして水温はいったい何度くらいが大好きなのかということを水槽での行動を観察することで、導き出したいと考えています。
水槽の中に温泉源をつくり、観察しやすいように網で作った足場と隠れ家を置いてあげることで落ち着いて温泉に当たれるように工夫しました。
隠れ家に近づくユノハナガニ
隠れ家の中に落ち着くユノハナガニ
そう簡単には行くことのできない深海のようすを再現して、水槽を使って観察することで、まだまだ謎の多いユノハナガニの生態を少しでも明らかにしたいとおもいます。
バックヤードでうまく観察ができるようであれば公開観察をして、みなさんにも一緒に観察してもらおうかと考えています。
“えのすい”では、深海生物の様々な実験を通して深海生物の謎に迫っていきます。