2015年10月24日
トリーター:鈴木

アナゴの赤ちゃん(続報)

みなさん、こんにちは。
アナゴの赤ちゃんの続報ということで、二つの進展がありましたので、このたび急きょ書かせていただきました。

前回の日誌( 2015/ 10/ 13 “えのすい”バックヤードだより~アナゴの赤ちゃんすくすく成長中~ )で、成長が進んでいるバックヤードのアナゴの赤ちゃんを紹介し、近くどこかで展示したいとお話しさせていただきましたが、体色もほぼ出揃い、餌も食べられるようになったので、本日展示をすることができました。
場所は、現在アナゴの赤ちゃんを展示している大水槽脇の水槽(内のケースの中)です。
これがまず一つ目です。

続いて二つ目。
これまた前回の日誌で懇切丁寧に言い訳・・、いえ、ご説明をさせていただきましたが、この展示、アナゴが砂に潜ってしまい顔しか見えず、肝心な体がよく見えないありさまでした。
本来見せたいものが見せられない、工夫不足、飼育員として悔しい以前にみなさまに申し訳ない気持ちでいました。・・が、最近打開策が見つかり、裏での試行の末、本日よりこちらも施行しました。

以上、二つの進展がありましたが、二つ目のその打開策とは何かといいますと、砂の代わりに無色透明な吸水ポリマー(ポリアクリル酸ナトリウム)を使うことなんです。


この吸水ポリマーは、実は皆様の生活にもお馴染みで、球状のものは消臭剤、ゲル状のものは保冷剤、紙おむつなどに使われているアレです。
他の水族館で別の魚種での使用経験からも、生物に害は無く、飼育にも問題が無いとのことで、これを使ってみることにしました。
昔から、このような場合、透明なアクリルチップなどを敷くことはよくありましたが、重なって厚みが増すと、やや白濁りし、完全に潜ってしまうタイプの種では砂の中がよく見えませんでした。
しかし、この吸水ポリマーならば、透明度は非常に高く、ある程度重なっても良く見えます。さらに、摩擦がほとんど無く、弾力性のある柔らかいゴムのような素材ですので、皮膚が弱い透明な状態のアナゴの赤ちゃんにも大変優しいです。
生物にも展示にも良い、まさに飼育員にとっては救世主のような材料ですね。


展示する際、うまく潜ってくれるか不安でしたが、2匹ともすんなりと潜り、とりあえず落ち着いているようです。
まだ透明な状態と、体色が付いた状態、二つを同時に見られる期間は短いと思いますので、ぜひお早目にお越しください!
最後に、長らく種が分かりませんでしたが、先日、裏の個体で同定ができました。
それと同じであれば、おそらくやつらはゴテンアナゴです(^^)

※透明なアナゴ幼生の展示は終了いたしました。

相模湾ゾーン

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