こんにちは、鈴木です。
きょうは沿岸水槽にひっそりとデビューした、なかなか渋い魚を 2種類ご紹介します。
ここでいう渋い魚とは、やや飼育難度が高く、展示できるとトリーターの間で「お、いいねー」と思わず(小声で)いってしまう魚のことです。(あくまで私の基準ですが)
ただ、大抵そういった魚は見た目が地味で一般ウケはせず、お客さまからは不人気なものが多いような気がします・・。というわけで今回はスポットライトを当てさせていただきます!
まず 1種類目はアカカマスです。
別名、本カマス。「秋茄子は嫁に食わすな」と同様に、「秋カマスは嫁に食わすな」ということわざもあるくらい、とっても美味しい魚です。
沿岸水槽、真ん中の大きめの水槽に一匹だけは入っています。
カマスはみなさんにも馴染み深く、魚屋さんでも一度は見たことがあると思いますが、意外と水族館ではお目にかかれない魚なんです。
というのも、見た目はかなり頑丈そうですが、実は擦れやダメージになどに大変弱い魚で、慎重に扱わないと、うろこが剥がれすぐに死んでしまいます。
えのすいでも定置網にはよく入り以前から飼育はしていましたが、やはり網を揚げる際に傷がついてしまうためか長くは持ちませんでした。
そこで、今回は釣りで釣れたものを飼育したところ、かなり状態よく飼育でき、その後幾度の失敗と試行錯誤の末、このたび良い状態でお披露目することができました。
釣りと聞くとなんだか荒っぽい感じはしますが、網と違い触れるのは針だけなので、うまく体に触れず針を外して生簀(いけす)に移せば、ダメージは最小限に抑えられるため、こういった魚には有効なんです。
一匹ですのであまり目立ちませんが、ぜひ探してみてください。
2種類目はイボダイです。
カマスの右隣の水槽に現在 4尾入っています。
鰓(えら)ぶたの横に黒い疣(いぼ)のような斑紋があることが名の由来ですが、この辺りでは「エボダイ」と呼ばれ、魚屋さんでもエボダイとして売られていることが多いです。
これもやはり擦れに弱く、この時期定置網でよく採れますが、なかなか長生きさせられない魚でした。
しかし・・、今年は予備水槽の設備が充実したこともあり、さらに懸命の治療の末、定置網に入ったものをかなり良い状態で展示することができました。エサもしっかり食べています。
地味な魚ですが、なかなかの快挙なんです。
ただ見ても正直、見た目の感動は・・あまり無いかも知れませんが、元気に泳ぐイボダイもぜひ見に来てください。
以上、地味だけど(えのすい)ではなかなか渋い 2種類のご紹介でした(^^)/