ホンソメワケベラ今週は、相模湾大水槽の 2階にある横長のガラス面(えのすいトリーターは「長窓」と呼んでいます。)で見られるさまざまなストーリーを紹介します。
ホンソメワケベラ
その長窓エリアには、ホンソメワケベラという縞模様のきれいな小さなベラがいます。このベラは“クリーナーフィッシュ”と呼ばれ、魚体に付いた寄生虫を食べてくれます。多くの魚たちはその事を知っているので、時々その場所にやって来てはクリーニングをしてもらいます。魚食性の魚でさえもホンソメワケベラを食べることはなく、口の中や鰓の中まで掃除をしてもらうことがあります。
ホシエイの隣で順番待ちをしているタカノハダイ
時には、上の写真のように、次にクリーニングをしてもらうために、順番待ちをすることもあります。順番の待ち方にもさまざまあり、じっと待つタイプや、積極的にアピールをしながら近寄ってクリーナーを乗っ取るタイプなど・・そのやりとりを見ていると飽きません。
カゴカキダイの群れ
長窓を見ていると、時々黄色と黒のストライプが大群で通過することがあります。嵐のようにやって来ては、あっという間に去って行きます。動きを追ってみると、大水槽正面向かって右側の岩を垂直に登って長窓に到着後、Uターンして再び岩を下りて行くようです。動きが早いのでなかなか確認できませんが、この縞模様は徹底していて目玉にも縞模様が付いています。
ツバクロエイ
長窓向かって左側には、岩の色が違う所があります。それもそのはず「岩では無いから」です。平たい三角形のそれは・・ツバクロエイというエイの仲間です。上をカゴカキダイの大群が通過しようとも、他のエイが覆い被さろうとも、ウツボが乗っかろうとも、全く動じず、じっとしています。ネットで検索すると「・・昼夜とも、ほとんど遊泳しないために水族館などでは不人気である。」と記されていることがありますが、えのすいトリーターには比較的人気で、よく見るとつぶらな瞳とかわいい尻尾、そして何といっても写真が撮りやすい!という利点があります。
このように、長窓に居るとさまざまなことが起こり飽きません。水族館に入館してすぐの所なのに、思わず居座ってしまうエリアですね。
最後に、最強キャラを紹介します。
ウナギギンポ
相模湾大水槽を少し下った所に「相模湾キッズ水槽」があります。その一番先の水槽にいます。2015年 10月から展示をしているので「新着生物紹介」や「えのすいトリーター日誌」にも登場していると思いますが、何度でも紹介したいのです。最近は人にも慣れ、水槽を覗きこむと「何?」といわんばかりにこちらを気にしたような反応をします。細長い体を何度もくねらせて窓の前を行ったり来たり。体の特徴も斬新です。まず模様ですが、均一な縞模様では無く、長いラインと短いラインが一つおきに入っていて、その模様は背びれまで続いています。ヒレも特徴的で、背びれは頭部後端から最後尾まで連なり、その最後尾には、2本の軟条が糸状にのびます。言葉でいっても分かりづらいので、とにかく一度ご覧ください。「へぇ~」の後に「かわいい~」と思わず発してしまうと思いますよ。