トビハゼ最近、展示の生き物がそこかしこで繁殖活動をしています。
自然に営まれているものと、トリーターが狙って繁殖させているものとがあります。
まずは「相模湾ゾーン」“干潟水槽”のトビハゼ。泥の上に巣穴を作っています。入口が 10㎝近く塔のように伸びているのものあります。柔らかい泥を供給したのが良かったようです。
“逗子沖サンゴ水槽”のニシキハゼが、最近せっせと砂利を運んで、産卵床の準備らしき行動をとっています。うまく産卵までいって欲しいです。
少し前まで、相模湾大水槽のシマスズメダイや、「太平洋」“暖かい海サンゴ水槽”のフチドリカワハギが、産み付けた卵を守っていました。
さらに、「今上天皇のご研究」のタナゴモドキの雄。ギラギラとした婚姻色を見せて、雌にアピールしています。
タナゴモドキ
これらの行動は大変興味深く、見ていて面白いのですが、繁殖に全身全霊を捧げてしまう種も少なくないので、心配でもあります。さらに、水槽内に卵をそのまま置いておいて稚魚が育ち上がることもまれです。
そこで、なんとか卵を回収して育てたいのですが、タイミングが難しく、一晩のうちに無くなってしまう(一気に生まれて他の魚に食べられてしまうなど)こともしばしばです。
そんな中、うまく卵の回収とふ化に成功しているものもあり、現在バックヤードで育てています。うまく育ったあかつきには、展示してご覧いただく予定です。何の種類なのかは、展示されてのお楽しみです。
狙って繁殖させているものの筆頭は、クラゲとカタクチイワシ(シラス)です。
これらは生産体制を整えて、ある程度狙って殖やせるようにしています。
例えば、現在展示しているカタクチイワシは全て、当館生まれの人工繁殖個体です。現在、バックヤードでは飼育下四世の仔魚を育てているところです。サイズは 6mmほどで、ちょっと手であおいだだけで死んでしまうようなデリケートな時期です。慎重に育てて行きたいです。
カタクチイワシ仔魚