桜が咲き始める陽気になってきました。本日( 3月 21日)は東京でも桜が開花したとのニュースがありました。
海や川の生きもので“さくら”にちなんだ名のつくものが何種かいます。
魚類だとサクラダイ、サクラマス、サクラエビスなど、無脊椎動物では、サクラエビやサクラガイが有名です。
このうちサクラダイには標準和名でサクラダイと呼ばれる種類がいますが、こちらは大きく分けるとハタの仲間で、近縁なのはキンギョハナダイやヒメハナダイといった○○ハナダイと呼ばれる魚たちのグループです。
他方、桜鯛と称して魚屋さんで売られているのがこの時期に水揚げされるマダイです。
瀬戸内海あたりで桜が咲く時期に漁獲されるマダイはおいしいと珍重されます。
体色も丁度桜の花びらを散らしたような紅桃色をしているので、なお一層その名がふさわしく思われます。
当館の相模湾大水槽に、かなり老成したマダイが暮らしています。
いつも水槽の底近く、しかもメインのアクリルガラス面から 6~ 7m離れた奥にいることが多いようです。
そのように水中で距離を隔てて観てみると、タイの体は灰色っぽくくすんで見えて、自慢の紅桃色の肌は一切見て取れません。
海水を透過する光の中で、赤色の波長のものが最も浅い所で減衰してしまうことがマダイのような赤っぽい魚を見ればよくわかります。